ポピュリズム
水島治郎『ポピュリズムとは何かー民主主義の敵か、改革の希望か』中公新書2016を読む。トランプとテレサメイに象徴される昨今の内向きの政治の根っこは右翼思想というよりかはポピュリズムという概念でまとめられる流れの中にあることが理解される。それはそもそも1世紀前のアメリカそしてラテンアメリカに起こる貧富の格差を捉え、一部のエリート層によるエリート層のための政治を多くの貧困層に向けたものへ変える動きとして現れる。そしてヨーロッパでは近代化、グローバル化の敗者の心を捕まえることで多くの指示を得る。さらにそれは徹底した既成政党を批判し福祉重視、移民排除を主張し、そうした置き去りにされた貧しい層の心をつかむのである。ジェフがトランプの演説の中でエリート批判をしたことが彼の勝利につながったと言っていた。そしてそれこそがいわゆる「反知性主義」なのである。
ポピュリズは今や世界的政治状況である。これは結局新自由主義が引き起こす格差社会が必然的に招来するものであるように僕には見える。
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