街中のオブジェ
日建時代に菊川工業に製品検査に行った時に我々の製品の脇で銅板の3次元曲面の加工が行われていた。とんでもない形の部品がたくさん並んでいて「なんの建物ですか?」と聞いたら「オフィスです」という。「一体誰の設計ですか」とまた聞くと「フィリップ・スタルク」という返事が返ってきて納得した。というのもその頃アサヒビールのスーパードライホールの金色のオブジェの設計案はスタルクの名とともに世に出回っていたからである。
その後1989年にこのビルが完成したが同年にできたスーパードライホールの驚異的な露出度と異様さから話題はそちらに全部取られてこの地味な変わった形状の建物はあまり騒がれなかったように思う。建築というよりスパードライホールの金色の雲同様街中のオブジェとしてチャーミングである。
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