リズム感
ベートーベンの運命の指揮を見ているとよくわかるがあの曲の最初の音は一拍目の後ろから出ている。指揮者が一拍目を振り下ろして2拍目に向けて振り下ろした指揮棒を上がる寸前で音が出ている。これが日本人にはわからないというのがこの本(『日本人とリズム感』青土社2017)の主旨の主たる部分である。今ジャニスジョプリンを聞きながらこの文章を書いているがいかに裏拍が音楽を作っているかがよくわかる。一方日本人は農耕民族は皆で共同して行動を開始するのでその時重要なのは表拍だという。これに対して西洋騎馬民族は馬の蹄の音が染み付いている。蹄の音には裏拍が見事に入っている。さらに西洋の言葉には冠詞があるがこれが弱起のようなもので表拍(主語)を発音する準備音のようだというわけである。だから冠詞は小さく発音するのが西洋語のルールなのである。
You must be logged in to post a comment.