デザインが人を作る
確か2015年だったと思う。中国の東南大学で行われた建築論シンポジウムに招待された時コロンビアからマーク・ウィグリーがプリンストンからビアトリス・コロミーナも招待されていた。彼らはカップルで二人してネット社会の建築について(というか社会について)マシンガンのようにしゃべっていた。そのカップルが共著でラース・ミュラーから2016年に出した本がこのare we human『我々は人間なのかーデザインと人間をめぐる考古学的覚書き』株式会社ピー・エヌ・エヌ新社2017である。16章からなる文字と写真のコンプレックスは人間はデザインを作るがデザインは人間を作るという論理で貫かれている。そして人間がこれほど不安定な存在でないならばデザインは存在しないと結論づける。これはシンポジウムでも彼らが言っていたが、例えばウォールストリートジャーナルは2012年にニューヨークで働く専門職の80%がベッドの上で仕事をしていると報告している。それはそういうことが可能なデザイン(携帯端末など)が現れ人間の行動を変えたということである。
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