キャットストリート
ウィーン工科大学のアナは東京の歩行者空間改善を修士設計にすると言ってやってきた。最初の2ヶ月は東京を歩き回りその場所を探した。山手線の内側をくまなく歩き決めたサイトはキャットストリートだった。ここには潜在的に歩行者が多くスケールもいいが人の居場所がないというのが彼女の分析だった。そこで彼女は建物や土地をえぐりとったり切り開いたりしながら大胆に人の佇む場所を作っていた。そんな手法を彷彿とさせるのが下吹越さん設計のキャットビル(2006)である。3方に道路がある背中のない敷地にコアを内部に押し込みながら様々な軸線で建物をえぐりとっている。その結果グラウンドレベルでは人を呼び込み佇む場所が生まれている。場所が建築を作っていると感じる建物である。
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