動的非平衡
僕は自分が作ろうとしている建築を「建築のフレームとリフレーム」と呼んでいる。それはどんなことか?
先ず僕は建築にエーテルが流動する孔をたくさんあけてその流動経路を作ろうとする。言ってみれば人間の体の中に血液だ体液だというようなものが流動するために無数の孔が空いているのと同じようなものである。ここに福岡伸一用語を使えば「動的平衡」が生まれる。ここまでがフレームという言葉の内容である。
しかしその次に僕はこの流動経路を一部肥大化させるようになった。言ってみれば血管の一部に血流の溜りができて肥大化するような状態である。人間ならばこういうことは好ましくなくないのだが、建築ではエーテルの流動の変化は表情を豊かにするように感ずる。そしてここでは「動的非平衡」状態が生まれている。
でも非平衡がいつも必ずいいとは言えない。それはきっとケースバイケースで平衡と非平衡を両端とするスペクトラムのどこかに答えがあってそれを見つけ出すことが設計なんだとこの頃思う。
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