山名さんの近著
本日読み合わせをしたウィグリーの『白い壁』がモダニズムの読み替えであるのと同様、畏友山名善之の近著もそう読める。そしてその根幹はモダニズムを世界伝播ののメカニズムと見る見方にあるように思う。柄谷行人が言うように世界システムは帝国から資本へ前盛期の変わり目で変化した。よってそれ以前建築の建築文化伝播は国家権力の脅しと保護という贈与のシステムの中で行われ、現在それはスターアーキクテト建築のそれが示すように商品として伝播する。しかるにその狭間のモダニズム建築がなぜこれほどまでに世界に行き渡ったのかは一言では言い尽くせない。僕の今モダニズムに対する興味の中心はここにあり、この本の価値もそこにあり、そしてル・コルビュジエのシリアルノミネーションが受賞した理由の一部もそこにあると思っている(違っていたらゴメンなさい)。
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