まなざしの装置
平芳裕子『まなざしの装置-ファッションと近代アメリカ』青土社2018を読む。とても面白かった。著者自ら言うようにデザイナーありき、パリ中心ではない近代ファッション史を初めて読ませていただいた。なぜファッションは女性のものなのか?その疑問に19世紀アメリカを紐解き家庭を守る女性の装いとしてのファッション、プアな針子にとってのファッション、ファッション誌のおまけの型紙として浸透するファッション、ショーウィンドウに飾られ見られるファッション。こうして女性に浸透したファッションが語られる。全ての章が資料に裏付けられた実証的な検証がなされ信頼できる話しである。博士論文を書籍化したものはだから読み応えがある。あえて言うなら、本の論理展開にはは登山型(結論に向かって全ての内容がそれのエビデンスとして掛け合わされていくもの)とピクニック型(大きな表題の周辺の事例を羅列するもの)があるとした時、博士論文は前者の方が相応しいと僕は思っていてピクニック型は読みもに相応しいと思うのである。
ま
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