リュベンス
二十年前に日建辞めて有り余る時間で哲学、美学、社会学、などの定本を読もうと夢中になって読み始めた最初の頃に読んだ本の中にハインリヒ•ヴェルフリンの『美術史の基礎概念』があった。バロックをルネサンスとの比較の中で正当に位置付けた本であり、それぞれの様式史的な特性を線的/絵画的、平面/深奥、閉じられた形式/開かれた形式、多数性/統一性、明瞭性/非明瞭性の五つの対概念で表した。そのバロック画家の例として取り上げられていたのがリュベンス(翻訳が古くそう記載されていた)。僕が最初に読んだまともな美術史の本なのでその古本のかすれた白黒のリュベンスの絵の本物に会いたくて西洋美術館にやってきた。ヴェルフリンの批評はフォルマリズムなのでリュベンスの人となりなどは問題としない。今日の展覧会で彼が政治家でもあり大きな工房て絵画を大量生産していたとは知らなかった。ヴェルフリンのあうバロックも再確認した。
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