居住空間における日本的なもの-西洋建築と比較して
高階秀爾のアンソロジー『西洋の眼日本の眼』青土社2018の中に「居住空間における日本的なもの-西洋建築と比較して」という論考があり日本空間の開放性を西洋空間の閉鎖性との比較で論じている。日本建築の開放性は風土に大きく影響され、加えて木を使う伝統構法にも由来する。
さて、日本近代住宅史を紐解くと60年代日本の住宅は閉鎖的になりそこから現在に亘り開放的になったと言われる。ではなぜ本来開放的だった日本住宅はこの時閉鎖的になったのか?普通にに考えれば西洋化したということになるが篠原一男の第一の様式は日本の構法で作られているので彼に関しては西洋化は理由にならない。であるならば考えられるのは篠原は作為的に日本的なものを閉鎖的にしたということである。篠原は常に日常性を非日常に変換するが、日本の伝統を変換した中て最も重要な変換の一つはこの開放性の転換であったと思う。
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