Tom Heneghan
トム・へネガンの芸大退任を記念して作った冊子をいただいた。冊子と書いたが正確に言うと181ページある本である。内容はトムの師であるピーター・クック、ヨコミゾマコトのイントロに始まる。本のタイトルはSpeculationであり近代建築とは何かを思索するものである。彼はそれを9の事象とそれを体現する建築家のセットにまとめた。1先例と発明―スターリング、2革命―ル・コルビュジエ、レオニドフ、メルニコフ、べスニン兄弟、マイヤー、コールハース、3時代精神―アーキグラム、プライス、フラー、4技術―ロジャース、フォスター、シャロ―、インベルニッツィ、5結構―ツムトア、レベレンツ、6自然―マーカット、7光、風景―ル・コルビュジエ、フェーン、サーリネン、安藤、8地―ハディッド、ウッツォン、ツムトワ、リベラ、リン、9意味―磯崎、ミケランジェロである。近代建築はだれが何を書いても一つのストーリーなのだが、このストーリーはわかりやすい。技術、自然、社会が時代を築いたのであり、とんでもない天才たちがそれを導いたあり様が書かれている。建築家であるトムが建築家の力を信じて書いた素敵な本である。こんな講義を英語で受けている芸大生は幸運である(あった)。
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