定年後
楠木新『定年後ー50歳からの行き方、終わり方』中公新書2017を読みながら世の中一般の定年後と僕自身のいつか来る定年後はだいぶ違うだろうなあと感じた。おそらく大学定年後も引き続き設計の仕事をしているところがまず違う。なので社会とつながり、居場所を確保せよという本書の教えに対しては答えが見つかっている。また定年後の最大の悩みは孤独と書いてあるが個人的なことで言えばやっと社会と縁が切れるのか(切れるわけもないが)と思うとせいせいしている。そうはいっても人里離れた山の中で孤独を楽しみたいなどと思っているわけではなく、友人と酒飲んで騒ぐのも大好きだが好き好んで⚪︎⚪︎サークル的な会合にでかけたりとか、不要な委員会などのメンバーであり続けるなどいうことは考えたくもない。そして世の人々もやっと孤独に人生を考えることができる時間が持てるのであろうから無理して社会と繋がるなんて必要もないだろうアドバイスしたくなる。しかしそうは思うもののOECD諸国の統計を見ると友人仲間と時間を共有しない人間の比率はダントツ日本が一番高い。この統計には少々驚く。これが孤独死の基盤にもなっているのだろう。ということは老後に焦って人付き合いしましょうというのではなく、そもそも社会人となって働いている現役の時から人付き合いできる心とお金と時間の余裕があるような国を作らねばいけないということなのである。定年後にあせって急に初めてもうまくいくはずもない。
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