共同性の紐帯
大塚久雄の『共同体の基礎理論』岩波現代文庫(1955)2000は経済史研究の不動の名著と言われている。なぜそんな本を読んでみたかといえば共同体とは何かを知りたかったからである。そして分かったことは共同体の紐帯は土地でありその土地が共同体的所有から私的所有に移行するときにこの紐帯が切断され始めたということである。つまり資本主義が共同体を瓦解するということである。さて共同体の歴史を知りたかったのは共同性の可能性をしりたかったからである。というのも共同性とは共同体の精神的紐帯の呼び名であろうと思っているからである。だとすれば共同性も資本主義により脆弱化されたということになる。だからローティーが連帯をいい、サンデルがコミュニタリアニズムを説いてもそもそも資本主義が吹き荒れていると共同体も共同性も産まれずらいだろうと思うわけである。資本主義の世界で共同性を生み出すためには土地に代わる紐帯が必要なのだと思う。いくら建築家が箱を作ってもコミュニティが生まれないのは紐帯を考えていないからである。
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