JIAマガジン4月号
4月号の表紙は3月23日までギャラリー間で展覧会を行なっているRCRアーキテクツの橋のプロジェクト(La Lira Theatre Public Space)が生まれる時である。RCRは設計の最初に必ずこうした水彩画でコンセプトを描きだし3人のメンバーの意思を感覚的に統合していく。展覧会をご覧になった方はここには水彩画ばかりだと当惑したかもしれないがこれこそが彼らの建築のスタート地点なのである。本号ではさらにRCRでのインターンシップ体験記を兵郷喬哉さんに書いていただいた。RCRの設計姿勢がとてもよくわかる興味深いレポートである。
巻頭インタビューでは昨年3つの賞を受賞して話題になった『時が作る建築』の著者である建築史家の加藤耕一教授にお話を伺った。再利用、保存、再開発という視点から建築史を読み直すという壮大な歴史観に圧倒される。また最近10+1のウエッブサイトの連載「アーキテクトニックな建築論を目指して」では建築の素材性、構築性から建築史を再読している。いずれも現在の建築論を刺激するホットな視点である。
JIA勉強会報告では電機大学講師の小笠原正豊さんによる「BIMとこれからの設計/ 施工について」を紹介した。BIMの概念、その海外日本での普及の状況、そして日本での普及を阻む諸条件がとてもわかりやすく語られている。BIMが普及するためには設計と施工の現状のあり方が変化するかもしれない。しかし重要なのは発注者のニーズであるという小笠原さんの言葉に賛同する。
賞のシーズンの先陣を切ってJIA25年賞5作品、25年建築選11作品が発表された。葉さんの小国ドームも受賞。できたのが昨日のように思い返されるが学生時代だったのだから30年経っていても不思議ではない。
JIA活動紹介では関東甲信越支部の建築セミナーで行われている9つのプロジェクトの一つ、「まもなく半世紀、建築家はいま。1970年代から現在と未来を考える」という座談会を報告していただいた。坂本一成、布野修司を迎えた白熱した議論は傾聴に値する。
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