古澤さんの独論
古澤大介さんの博士論文(『再生建築における〈転用〉の建築論的分析及び実践的検証』2019/2)を拝受、拝読。再生建築における創作論の可能性を探るべく、いくつかの事例分析を行なった上で新築への応用可能性を検討している。事例分析をする上でのアリストテレスの四因論を駆使した枠組みの作り方がなかなか見事である。そして創作論においては自らの過去の案を既存建築とみなして事例分析で検証した物理的、意味的、目的的転用の手法を応用している。博士論文の創作への応用は建築家の博士論文の書き方の一つのタイプであるがそのベースとなる分析が貧弱だと創作論も覚束ない。しかし古澤さんの論文にはしっかりとした骨格がある。そして創作が単なる提案ではなくリアルなものなので迫力がある。
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