インスタグラミズム
レフ・マノヴィッチ 久保田晃弘共訳・編著『インスタグラムと現代視覚文化』株式会社ピーエヌエス新社2018は膨大なインスタ写真を分析したもので著者のウエッブページに2015年から翌年にかけて掲載されたものである。色々と初耳で驚くことがある。例えばインスタで食べものを上げるのは日本人特有なもので全体の4割近く、ベルリンでは4割は建築である。また飯や友達を題材にカジュアルな写真がインスタでは多いわけではなく、プロフェッショナルもの、そしてデザインされた独自の空気を作るものが実はもっとある。そしてそういうデザインされたものが生み出す言語はインタグラミズムと著者呼ぶような独特のスタイルを持っているというそれが昨日のKINFOLKだったりする。しかしそこで重要だと僕が感じたのは技法としてグラデーションやディテールを消し平坦であること。また存在論的にはその写真は被写体を対象として捉えるのではなく撮影者がその状況の一部となっているというあり方である。またインスタグラムで問題とされるのは微差である20世紀が持っていたイズムの大きな差では表現できない微差を読み取る感性がインスタグラミズムを支えいるというのである。
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