乱飲、乱読
三浦哲哉という表象文化論の研究者が書いた『食べたくなる本』という本がある。この本は食べ歩きの本ではなく、食べ歩く人の書いた本を論じる本である。一節一冊で20節あり第1節はイントロなので19冊の食の本が紹介される。乱読好きの私としては全部読みたくなる。その19節目が酒の話しである。著者もかなりの酒好きでワインもかなり造詣が深そうだが自らワイン通ではないという。その理由は体系的にワインを飲む財力がないからだという。確かに何かを極めるのに手っ取り早いのは知識でも味覚でも聴覚でも自らの脳の中に体系化することである。その意味では僕もワイン好きだがワイン通とは言えない。体系化されていないからである。乱読ならぬ乱飲なのである。ワインがそうなら読書もそうである。かなりの乱読である。これは知識を体系化するには恐ろしく無駄が多い。ということは十分承知なのだがその時読みたいものについてが伸びてしまう。酒も本も同じである。
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