ファッション建築
畑中三応子『ファッションフードあります』ちくま文庫(2013)2018にファッションフードとは純粋に味覚を楽しむ美食行為としてではなく、流行の洋服屋音楽、アートや漫画などのポップカルチャーと同じ次元で消費される食べ物であるとして70年代ノンノ、アンアンによって牽引されたと書いてある。それを読んでああ建築もカーサブルータスによって「ファッション建築」というポップカルチャーと同じ次元で消費される建築が作られたなと思った。坂牛研究室には貴重な創刊号から全カーサブルータスがあるが(実は数冊誰かが持って行って返してくれいないが)その創刊号は1991年1月10日である。しかし実はその7年前1984年にブルータスの増刊号としてCASA burutus 居住空間学が出版されている。そしてその内容の濃さに驚かされるしその参考文献は建築学科の学生の輪読本にしたいものばかりである。さらにその責任編集者は都築響一であった。彼が建築をファッションにしてくれたというわけである。
現在翻訳中のマークウィグリーの『白い壁』では20世紀初頭に建築がファッションになるかならないかの瀬戸際の攻防戦を伝えてくれる。そしてギーディオン率いる強面の歴史家たちがファッションの世界に浸かっていた建築を無視し隠蔽したのである。しかし結局1世紀たたぬうちに建築はやっぱりファッションであることを隠しきれなくなったというわけである。
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