ジャクソン・ポロックの形象と装飾
筧菜々子の『ジャクソン・ポロック研究ーその作品における形象と装飾性』を読んで三つ面白いことがあった。一つはポロックの絵はいくつかの層に別れていて初層には人物の輪郭線が描かれているという指摘。二つ目は日本の書道の影響。3つ目は、これが一番気になることだがポロック絵画の装飾性、そしてその装飾性とはグリンバーグの解説によれば視覚的イリュージョンというものでステラの言い方だとワーキングスペースである。ポロックの絵画のパターンが画面から浮き出てくる強い視覚的効果を肯定的に装飾という言葉で評価しているのである。装飾性が様々な観点から見直されている今日、ポロックをそう見る見方に時代の流れを感じる。
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