モスタファビの慧眼
20世紀の終わり1998年にヘルツォーグがシグナルボックスを作り建築の表層が注目されて間もなく2002年にモスタファビは『サーフェィス・アーキテクチャ』を著わし建築の表層から意味が消えたと言う。その頃マーチン・ジェイは現代の3つの視覚の一つにフェルメール的表層の精緻なテクスチャーを読み取る視覚をあげこうした表層への視線を補強した。2006年青木淳は青森県美を鈴木理策に撮らせた。鈴木は熊野の桜を対象に没入して撮っていた。つまり桜の花びらの表層に迫っていた。青木の作品集も建物の形がわかるような写真はない。
20世紀の終わりから10年くらいの間に遠目から物のゲシュタルトを瞬時にとらえる近代の視覚は瓦解したのである。それを建築の側から最初に記したのがモスタファビの本なのである。その意味ではこれ一冊で博論的価値がある。
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