理論と実践 建築のキャリアを実践から始めた人はドクターをとるのは難儀である。別に取らなくても事は足りるからなおさらである。でもとる努力は無駄にはならない。なぜなら建築は論理だろうと思うからである。その意味で現役の建築家であるエンリックが数年前にPHDをとったのはのは嬉しいことだった。そして今やはり建築家であるロベルトがブエノス・アイレス大学に博論を提出しようとしているのは喜びあ。彼に何を書いている教えてと聞くと、笑いながら、「論文は何かに反論することでしょう?」と言って「昨今の建築教育がイメージを追うことに終始しているのに反論してディテールから作るという教育法の提案をする」と言っていた。モーセン・モスタファビィの博論である教育における理論と実践の融合を思い出した。僕は、、しかし比較的理論と実践の乖離を悲観的には見ていない。むしろ大学は理論やらイメージをひたすらやってもいいのだろうと思っている。問題なのはむしろ社会に出て理論がそう簡単に通用しないことを知る時、やってきたことをあっさり捨て去ってしまうところにある。重要なのは理論への執着心と理論を展開する応用力なのではないかと思っている。