概念とリアル
昨日の聖をテーマにした研究会では登壇者、コーディネーター、まとめ、と京大出身者が多い。彼らの議論は常に森田慶一から始まり、増田、前田と形而上的な言説が連なる。この語り口は日本建築界において独特である。今井謙次、辰野金吾、吉田五十八、谷口吉郎など各大学には遺伝子の始まりみたいな建築家がいるが彼らの言葉はどちかと言えば形而下的である。しかるに京大のそれは概念の世界に筋を見つける。こうした態度は今時貴重である。しかしこの議論を関東の議論と接続させるためには概念の筋をリアルに繋げることが重要である。