不連続面
西洋建築のスタイルにはクラシック、ゴシック、モダンの3つしかないと誰かに言われた。もちろん西洋以外の世界にはそれ以外の素晴らしいスタイルがたくさんある。日本にも他のアジアにもラテンアメリカにもアフリカにも。しかし20世紀にほぼ世界中は西洋モダンスタイルに染められた。その形態上の不連続性はモダンスタイルが西洋生まれだから西洋で小さく、他の場所では大きい。しかしこうした建築環境の不連続性はモダンスタイルとのギャップ以外にも世界中の様々な場所で数多く生まれてきた。帝国が侵略をした場所では例外なく起こる。侵略した国が自国のスタイルを強要するからである。この世界の不連続面にとても興味がある。そこに時間の蓄積を感じるからである。僕が最初にそれを意識したのはアルジェのメディナがフレンチコロニアルにぶつかっているところに紛れ込んだ時である。アラブの時代から突如タイムスリップしたような感じだった。その不連続面は流れる時間の切断面でもあったわけである。