文化とは毒
食べることは殺すことである。だからどこか後ろめたいが、ある快感もある。衣食住は自然を文化の枠組みに変換することであり、食の構造は、住にも衣にも当てはまる。今でこそ木や石の乱伐に後ろたさを覚えるものの、自然を制覇することへの意義を見出していた時期はあるだろうし、衣における毛皮なども同様だ。自然を加工して文化に入れ込む最高の方法は(レヴィ・ストロースの食の三角形で言えば)腐らすことにある。それは長持ちさせ、味、アルコールを作る方法である。そしてこれは一歩間違えば毒となる。極論すれば人間は毒を食らう。そして毒性が強いほど文化的な熟度は高い。住と衣も恐らく熟成していけばそれは毒なのである。無菌で味のないマクドナルド(のような建築)を作り続けてはいけないのである。
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