篠原論
博士の大村と一年間考えた篠原一男に関する黄表紙論文の採用のメールが来た。まだ再査読者のコメントに応えなければならないがハードルは一つ越えた。篠原一男の4つの
様式を貫く創作のメカニズムとして日常の非日常化に着目し言説分析と図面の相関を調べている。今回採用された第一稿は言説と構成の相関を明らかにした。次の二稿は言説と形、三稿は言説と空間量の関係を分析する。データはとれているのであとは料理するだけである。言説をKJ法でメタ分類し、図面はある定量化きらクラスタ分類し、それぞれをつき合わせる手法はまだまだ改良すべき点はあるものの、作家論の方法論の一つの可能性がありそうに思う。
新四年生
来年度坂牛研入研希望の中間部の学生と面接をした。希望者が定員より少し多く毎年のことだで心苦しいが選ばせていただいた。今年は粒揃いで選ぶ基準の設定が難しかったのだが、学生の希望と特性から考えて僕の指導によって最も伸びる伸びしろが感じられることを第一に考えた。
織物装飾が建築意匠に及ぼす影響を考えたいという京都の呉服屋の息子(昼インタビューした加藤先生が泣いて喜びそうなテーマ)、LA育ちの帰国子女(留学希望だがアメリカではないようだ)、中国からの留学生(坂牛研4人目の中国からの留学生。学部で入学した人は彼女が始めて)。ニュージーランドの父を持つハーフ(トイックが1000点近い。ワークショップなどでアシスタントよろしく)。成績トップ(坂牛研では4人目の成績トップ。理科大では成績トップがデザインもできることが多い)という面々。早速彼らにはキックオフミーティングに向けて宿題を課した。充実した研究設計生活を研究室全体で進めたい。
マツコの知らない世界に稲葉登場
わっ、稲葉がマツコの知らない世界に出ていたなんて知らなかった。しかもアーキフォトネットに篠原研出身で坂牛の同級生とまで紹介されてる。今度教えてね。マツコがどんだけ大きかったか。
今晩はスペイン大使館で建築家ジンタイラが指導した学生たちの展覧会のオープニンなので行ってみよう。23日から29日まで誰でも入れるからみなさん是非どうぞ!テーマは東京湾に人新世の研究所を作るプロジェクト。ジンタイラはNHKテレビでスペイン語の先生としても顔馴染み。
構造
言葉と建築最終回は「構造」である。20.人くらいいる聴講生に質問した。設計で構造を大事にしていない人。4人の手が挙がった。そんなもんか、、僕は今はどちらでもない。
日建時代は構造の合理性とかチカラの流れが美しいことが建築だみたいなことを言う先輩構造技術者のおかげで構造は最後に意匠を可能にしてくれるものでいいと半ばケンカごしにでも真面目にそう位置付け、だから見える必要はないと考えていた。それがGA素材空間の編集をして名工大学長だった柳田博明さんにテクノデモクラシーという概念を教わり、物の成り立ちが可視化されると素人でもアクセスできるから重要と言われなるほどと思った。建築も成り立ちが見えることが重要だと。そのころフランプトンがテクトニックカルチャーで同じことを言っていたので なおさらそう思った。しかし構造を見せる建築は法の制限をかいくぐり、コスト的制約と戦い、そして何よりもモダニズムが捨て去った被覆を失いかねない。だから慎重に取り扱わなければいけないものだと昨今思う。だから構造を大事にしているかと聞かれるとどちらでもないのである。
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