社会学と建築意匠論
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by 卓 坂牛
岸政彦、北田暁大、筒井淳也、稲葉振一郎『社会学はどこからきてどこへ行くのか』有斐閣2018は社会学の研究方法論の差がおぼろげながら見えてくる。特に岸の質的社会調査と筒井の量的社会調査の差そして北田の理論、学説史、稲葉のさらに拡張する社会学などの方法論の差はおそらく建築の意匠論に見みられる幅の広さに類似する。たとえば質的調査はインタビューを多用し、量的調査は統計値をあつかう。これは僕の研究室でもおこることである。そして質的調査は比較をしないで、量的調査は比較を重視する。異なるから比較する準拠がない。だから比較しないと質の人は考え、異なるからお互いを鮮明にするために比較せよと量の人は言うわけである。これは建築でもおこる悩みである。篠原一男を鮮明にするために清家清と比較するべきなのか否かである。建築では意匠の人は論文に没頭しないので(設計しているから)この方法論の差を厳密に議論しないでずーっと来ているけれど、社会学に倣い方法論の差をより明確に議論しないといけない。少しずつでも学会小委員会のテーマにしていこうと思う。
ひと・まち・情報創造館武蔵野プレイス
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by 卓 坂牛
武蔵野プレイスは2011年に竣工した。昨年開館6年で来館者が1000万人を超えた。例えば広尾の中央図書館の一昨年の来館者数は約27万人なので6年でも160万人くらいだから武蔵野プレースの数字は驚異的である。設計者の一人比嘉武彦さんは理科大で教えてくれていた。その時聞いたこの数字の理由はたしか様々なブラウジング(拾い読み)プログラムが設定されているからというものだった。それにしてもすごい。2016年の建築学会作品賞を受賞したがそれにふさわしい。
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