浜野安宏
若い人は浜野安宏と言っても知っている人は少ないかもしれないが、その昔浜野商品研究所と言えば雑貨から建築までその時代の最先端商品をプロデュースするとんでもない会社だった。その会社に勤めていた親友は浜野に「修羅場を3回くぐったら独立しろ」と言われてその通りした。僕もそれを聞いてその通りして間違いないなと思った。
その浜野氏の近著『一流の磨き方』ダイヤモンド社2017は若い人は読んでみるといい。3つ重要なことが書いてあり自分でも学んだ。
- 働くこと、住むこと、遊ことに境がないような生き方をしろ
つまり、働くことが遊びになるような働き方をせよということである。ここまでが労働時間で、ここからが遊びなのではない。もちろんこれができるのは人の下で働いている間は無理である。
- 自由はただではない
FREEDOM IS NOT FREEとはつまり、自由を獲得するにはそのための犠牲を多く払わねばならないということである。資本主義の歯車となってとんでもない金を稼ぐのは結局会社の至上命令に従い、歯車となって働いた代償にすぎないということである。
- 孤独だけが自由を生む
友人、家族さえも自由を破壊する束縛になる。例えば年に1ヶ月くらいは一人で居られる時間を持つのも大事である。繋がりすぎてはいけないし、動きすぎてはいけないということでもある。

衣食住の各界における序列
ブルデューのいう「界」(ある業界が成立しているフィールド)で見るとファッションモデル業界は世界中に「界」が分散し、それらの界にはランクがしっかり付いているそうだ。一流の界はパリ、ロンドン、ミラノ、ニューヨーク、2流の界は東京、ドイツ、スペイン、そして3流はその他大勢である。なのでモデルは自分のポートフォリオには日本の雑誌で大儲けしてもその事実は隠蔽する。あるいは雑誌からアジアの文字(漢字やかな)をフォトショップで消去するそうだ。もちろん超一流のモデルとなったら間違っても東京のショーには来ないし、雑誌にも出ない。それは自らのステータスをドブに捨てることになるからである。ファッションほど界の序列があからさまな業界も少ないだろう。衣食住で言えばその次にくるぬは食だろうか。料理にしてもワインにしてもフランスの優位性は高いだろう。そしてそれは様々な戦略を持って守られている。そして最後は住である。建築にはそういう界の序列は消滅しつつある。その昔は圧倒的なローマの優位のようなものがあっただろうが今はない。ニューヨークが東京より優れているということも無い。むしろ東京の世界的優位性をあげる人も多い。やはり学問という界の世界的公正さに守られているからかもしれない。
アルゼンチン大使館に招かれる
来月アルゼンチンの国立サンマルチン大学での国際ワークショップに行くメンバーがアルゼンチン大使館に招待されました。フェリペ・ガルデラ公使自らパワポでアルゼンチン紹介をしてくれました。その後エンパナダとワインとお菓子とコーヒーを楽しみました。
SDレビュー
SDレビュー2017で新作をお見せする機会をいただきました。1988年に河口湖計画と横浜博の住友館を選んでいただいてから30年たってまた同じイベントに展示するとは予想もしないし、ひとつのコンクールがこれだけ続くのも凄いことだと思います。鹿島出版会には頭がさがります。
1988年は私が日建にはいり2年目で林昌二肝いりでできた少数集団、東京スタジオで思う存分やってみろと言われてやった仕事が住友館。河口湖計画は高校の親友から坂牛の作品を作ってくれと依頼された仕事でした。2つ出したら規定違反で両方落とされるかと思いましたが両方入れてくれました。入選の知らせを受けたのはシンガポールで40日滞在してまとめるコンペの真っ最中。当分帰れず、帰国後必死にドローイングを書きました。当時はA1一枚、模型一つの規制があったと思います。会場が狭かった。いつからか沢山展示出来るようになったようで、ある模型全部出そうかと検討中。来週からアルゼンチン行くので行く前には決める予定です。私と一緒に理科大で働いている常山さん、少し前まで理科大で働いていた伊藤さん、だいぶ前に内の家ね訪問レビューをしてくれた魚谷さんおめでとうございます。パーティーでお会いしましょう。
若い時の苦労は買ってでもせよ
昨日比嘉さんが長谷川事務所時代を思い出すと週に3日くらいしか家に帰っていなかったけど皆楽しくやっていたと言っていた。僕は家が事務所から10分だったから遅くなっても帰宅していたけれど休みというものは無かった。独立した時配偶者はあまりに暇そうな僕を見て驚いていた。同級生も皆そんなもんだった。今は何時以降仕事してはいけない規制がかかり皆早く帰宅するのが当たり前になっている。でも若い頃はやれるだけやったほうがいいと思う。後になって力になるのは若い時の頑張り以外何もない。
ヨーゼフ•ホフマンのサマードレス

昼から神楽坂でウィグリーの勉強会。前回までの登場人物ヴァンデベルデ、ムテジウスに加えてヨーゼフ•ホフマン登場。彼のデザインしたサマードレスが四角い。ホフマンはウィーン工房を立ち上げた人だが、彼のスタイルはなんと呼ぶべきものなのだろうか?アールヌーボーとは言えないし、、、、


法規制があるから出来ないという考えは古い。『法のデザイン-創造性とイノベーションは法によって加速する』フィルムアート社2017の著者水野祐は言う。今時代の寵児のような会社の行いは法を書き換えながら可能となっている。google のストリートビューとプライバシー、uberと白タク、airbnbと民泊、どれも国によっては超法規である。しかし新たな世界の開拓にはこうした超法規を合法化するべくリデザインしなければならない。それが多くの望実ならば。恐らく我々か思う、あったらいいな、でもないという場合の多くはここに起因するのでは?
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