ブラジル現代建築模型展
![]()
今度の火曜日5月16日から6月11日まで天王洲の建築倉庫にて現代ブラジル建築模型展が行われます。また5月17日水曜日の夕方6時より、<国際シンポジウム>「リオから東京へ」 – 建築がつなぐオリンピックと都市計画 –を行います。ブラジル側パネラーとして建築批評家としても有名な在日ブラジル大使の アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ氏。またリオデジャネイロオリンピックに向けてリオの都市計画に携わったワシントン・ファジャルド氏。日本側からブラジル日本大使館の設計を行い、またオリンピク施設についてはいろいろな発言をされてきた槇 文彦氏。また槇氏とともに神宮の森への提言を行ってきているランドスケープアーキテクトの石川 幹子中央大学教授にお話を伺います。当日は6時から8時までシンポジウム、その後パーティーを行います。会費は2000円ですが多くの方のご参加をお待ちしております。
安藤忠雄と皆川明
![]()
先日久々に見た安藤さんの若い頃の作品に不条理を見出した。物の中にある合理では説明のつかない物の体系というものがある。一方今日読んでいた皆川明の『100日WORKSHOP-ミナペルホネンの布地を使って暮らしに空想を取り入れよう』スペースシャワーブックス2017は一見肩の力が抜けた自然と自由を感じるのだが、その実この空想世界の自由というものも不条理ということもできよう。硬い岩山のような不条理と柔らかいカーテンのような不条理とが頭の中で交錯する。どちらもその物が発信する音のようなもので人を説得しているような気がする。もはや建築でもファッションでもなくて音楽である。住むと、着ると音がなり出すようなものなのではないだろうか?
所員が一人もいない世界一の設計事務所
ケヴィンケリーはワイワードの創刊編集長である。彼が分析したネット社会(『インターネットの次に来るもの-未来を決める12の法則』NHK出版2016)は今後とてつもなくますます社会を変えていく。僕もそう思う。12の指標は、変化、認知、流動、画面、アクセス、シェア、選別、リミックス、VR、自己診断、などである。我々の身の回りの多くのことはITにとって変わられ、職能をドラスティックに変えていく。世界一のタクシー会社ウーバーは車を一台も持たず、世界一のメディアFBはコンテンツをひとつも持たず、アリババは倉庫を持たず、エアビーアンドビーは不動産を持たない。所員が一人もいない世界一の設計事務所が出来るのも間近である。
不条理
![]()
安藤忠雄の最初の作品集はたぶんこのSD81年6月号ではなかろうか?当時大学3年生だったが皆虜にされていた。しかし面白いのは、当時篠原一男、磯崎新が巨匠でいて、にもかかわらずポストモダン全盛期でマイケル・グレイブス、ロバート・スターンなんかがアメリカの風。そこに安藤忠雄もどーんと登場した。玉石混交だったのである。当時安藤40歳。
ページをめくると思い出されるあの感動。そして何がボクらを引きつけたのかとよくよく見たときに、当時の安藤建築にはある種の不条理があったようにいまさら思う。住吉の長屋にの外に出ないと行けない部屋。大楠邸の上げて下ろす動線。小篠邸の緑豊かな敷地で緑が見えない居間。建築が持っている一般的な作法を壊して、そこに生まれる別の「もの」のあり方を提示していることに「戦う男ボクサー安藤」を感じてブルブル震えていたのだと思う。昨今老獪になった。
