都留市の住まい方研究
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都留市の生活スタイルと住宅建築のあり方研究の第一回目成果を富士吉田市で発表した。発表場所はリトルロボットという地元のカフェ。地元の建築を学ぶ高校生とその先生二人、地元不動産屋さん、こちらにアンテナオフィスを計画しているIT企業の社長さん達、街つくり協力隊、貯金箱財団の人たちなど。全部で5つの案を披露。
1)若夫婦の家
2)引退後の老夫婦の家(2拠点居住の試み)
3)二世帯住宅
4)お店のある家
5)身障者を子供に持つ家
そしてこれを最後に人気投票してその理由を皆に聞いてみた。シンプルで柔らかな家が人気ということが分かったが、それぞれの良さを皆がよく理解してくれた実りのあるプレゼンであった。
金箱さんおめでとうございます
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金箱さんの学会賞受賞記念パーティーが国際文化会館で行われた。女性3人(木下さん、加茂さん、貝島さん) の祝辞に金箱さんもタジタジ。トニーレオンに似ていると言われ赤面。
By chance
三浦展の新刊(『毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代』光文社2016)の中に「SNSは都市を分散型にする」という項目がある。SNSに流れる様々なイベントが毎日いろいろな場所で行われ、そこそこの人々がそれに集うという現象を説明している。こうした人の集まり方は組織的な連絡網を使った集客とは異なりネット経由の偶然のちからによるところが大きい。
これと似たようなことを、マーク・ウィグリーとビアトリス・コロミーナが1月の南京でのシンポジウムで言っていた。彼らはインターネットが建築や都市の境界線を溶解し、アクティビティと場所の対応関係を崩壊していると指摘した。例えばニューヨーカーの仕事場はオフィスではなくネットに繋がる何処かなのである。ここでは場所とアクティビティの関係が偶然に支配されているのである。
ロバートフランク
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Robert Frank:Books and Films, 1947-2016 in Tokyo の最終日。芸大陳列館には長蛇の列。僕はかなり前に彼のThe Americans を購入し建築の授業で使っていた。そんなわけでこの展覧会には飛んできた。何故最終日にきたかというと本日鈴木理策と松下計の対談が行われるから。この対談とても面白かった。この手の話しによくある裏話はもとより、鈴木とフランクの共通性(日常性)が垣間見れたのが興味深かった。さらに松下曰く、作品作りは言葉が先にあるのではなく直感が先にあるべきで言葉はそこについてくる。フランクはそういう人だという指摘に頷いた。
文明が衝突している
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サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』は1996年に書かれ2年後に翻訳が出ている。その要約に日本で行った講演を加えた新書版が2000年に出版された。サミュエル・ハンチントン鈴木主税訳『文明の衝突と21世紀の日本』集英社新書2000である。
冷戦はイデオロギーで世界を分裂させたが冷戦終結後は異なる文明が衝突すると予言した本である。世界は八つの文明に分かれている。①西欧文明②東方正教文明③中華文明④イスラム文明⑤ヒンドゥー文明⑥ラテンアメリカ文明⑦アフリカ文明。そして⑧日本文明である。これらの文明は日本を除くと幾つかの国民国家によって成立している。そしてこれらのグループはお互いに助け合い文明を維持していく。
この本の面白いところは先ず、こうした文明の衝突は予言通りになったということ(9.11など)。
二つ目はこういう世界の多極化をuni-mutlipolarsystem(一極多極体制)と呼び超大国アメリカに対して中国、ロシア、インド、イスラエル、ブラジル、独仏連合、イラン、インドネシア、ナイジェリアという地域大国がありその下にナンバーツー大国イギリス、ウクライナ、日本ヴェトナム、韓国、パキスタン、オーストラリア、サウジアラビア、エジプト、アルゼンチンがあり、超大国アメリカは地域大国が強大にならないようにナンバーツー大国に資金注入して地域大国を牽制するという構図が出来上がっている。
三つ目は日本文明は日本以外にその基盤を作る国はないので他のどの文明を助ける義務がない代わりにどこからも助けられない運命にあるということである。
現状の世界をここまで正確に20年前に予言していたのか思うと驚愕である。今からでも遅くない。ぜひ皆が読むべき本である。
宮晶子さんの新作
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宮晶子さんと四谷坂町のスペースをシェアすることになって早いものでもうすぐ1年経つ。一年経ったら宮さんの設計していた住宅が完成した。と言っても宮さんが本腰入れて設計し始めたのは今年の三月だったと思う。。敷地は深谷から車で10分。畑と墓地と住宅と学校に囲まれている。去年宮さんの設計でできたレストランの同じ敷地内のハナレという位置づけ。レストランから見える。レストランで働き帰る所はレストランとは異なるものにということで、レストランはベニヤ壁柱frp仕上げなのに対して、ハナレは箱状ガルバ仕上げである。写真の玄関ドアから推測される通り、床を埋めて軒を低く抑えている。長方形が噛み合ったつなぎめの空間のくびれと広がりがこの建築の絶妙な所。
mori eiki の写真
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第39回木村伊兵衛賞を受賞した森栄喜の『intimacy』は男が男に向けた眼差しである。半裸の若い男性がアパートで目が覚め、そして眠る、散歩に出て寝転がって起きる。一体どのくらいの時間が過ぎているのかも定かではないが、なんとなくこれを見たとき感じたのは研究室で寝起きしている若い学生たちの寝起きの姿である。研究室に行くと常時数人の学生が寝ているのに遭遇する。教師が入ってくると、時間によるがさすがに起き出して寝床を片付けてというような姿に出くわすのだが、そのぼーっとした顔やだらしない服装がこの写真集に重なってくる。タイトルのintimacyは写真家の被写体に向けた視線の質を表しているのだろう。写真には優しさが感じられる。
年末の過密スケジュール
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年末のスケジュールがやっと固まった。12月22日:ロベルトワークショップの最終講評会。アルゼンチン大使館から書記官ともしかすると公使も来られるかもしれない。23日:3年製図合評会。24日:スチュワート研の忘年会。小沢君教授昇進お祝い。25日:修士設計レビュー。坂牛研OB全員集合し昼から夜まで徹底レビュー。終わったら研究室忘年会withOB。その日の深夜の飛行機でカトマンズへ。環境省委託のエコシティデザイン調査。31日の朝成田へ戻る。ネパールのヴィザが今日旅行社から届く。