教師の資質
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アクティブラーニングと反転授業が進んでいる山梨大学から二人の教授をお招きして講演会をしていただいた。きっかけは文科省の助成金でそれに応募するために2012年からまったく0の状態から反転授業(授業内容は15分程度のビデオ化して事前に見ておくことを強制し授業時間はディスカッションなどに割り当てる授業方式)を開始したそうである。その成果は目に見える物が有り効果がないということはあっても前より悪い結果を生んだ事例はないとのことであった。
素晴らしい。できることなら自分もやってみたい。得に昼間部の3年生の座学では効果的な気もする。
こんなことを言うとアナログでアホとなじられそうだが、授業は本来エンターテイメントであり、学生が寝ているような授業をしている教師はそもそも教師の資格が欠如しているのである(だから私もないかもしれないが)。だから本来ならその欠如した資質を改善するべきなのである。しかるに文科省がすすめる施策は資質の欠如を前提にそれをウェッブの力で補おうというものである。これは本末転倒なのである。
なんて偉そうなことをいったものの、やれやれ、こんな先生の授業がおもろいはずないよなという教師の顔はゴロゴロ浮かぶ(自戒の念をこめて)。
試し刷り
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数日前作品集の色校正があがってきたのだが白黒ページのコントラストがあまりに低く使い物にならない状態だった。こちらのレーザーで出すと問題なかったのでなんとかならないかと依頼すると3種類の違う方法で印刷してくれた。コンピューター上で白黒に直したものを二種類。印刷機上の操作で直したもの一種類。3つにはかなりの差があって二つはやはり使い物にならない。二つ目はなんとか見られるがまだ前回の作品集ほどのコントラストが出ていない。印刷機がここ数年で変わったそうだが、新しくなったのにアウトプットがダメになるのはどうして???プリンターは生き物ということか?先日のワークショップのブックレットが10冊くらい多めに届いたのはその10冊が試し刷りだったと聞いた。微妙な色の差をそこでデザイナがー修正してくれていたそうで、印刷機との格闘は不可避ということのようである。
エビデンス作り
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大学の教員業績のデーター入力が来週まで。毎年この面倒臭い作業が新台の頃からあるのだが、これのおかげで自分の業績が整理されるのはそれはそれでありがたいことでもある。著書、論文、招待講演、ワークショップ、地域連携活動など細かく分類して入力し、招待講演などはエビデンスが必要なのでネットに転がっている自分のレクチャーのフライヤーを全部プリントアウトした。去年度は全部で9回学外講演をしてそのうち8回が海外。スペイン1回、アルゼンチン2回、中国2回、オーストリア3回である。レクチャーのタイトルを見ると自分の考えの変化も分かるし、主催者の求めているもの(世界の潮流)も見えて来る。
教育システム
帰国翌日のワークショップ打ち合わせ、ゼミ、講義が終わると9時を過ぎる。ちょっとしんどい。不在中の様子を助手の佐河君に聞きながら帰路につく。研究計画書問題やら、ゼミ来ない問題やら自らの始末をつけられない学生がいるのには閉口である。
ウィーンでも(世界には)社会人学生が多くいてそういう学生への配慮はしなければと思う。しかしそれでも無制限に彼らは自由というわけにはいかない。かの国にはとんでもない時間をかけて卒業する人もいるのだが、そこに研究室制度はなく教員が学生をファミリーのように面倒を見るSystemはない。日本でもそういう自由を欲す学生は研究室に所属せずに卒業するような道があってもいいのかもしれない。しかしそういう学生は当然のことながら研究室に所属することで得られる何かと同等な教育的負荷がかかるような試験などを課さないといけない。それはおそらくそう簡単にパスするものではない。しかしそういうSystemの方がお互いハッピーなのではないかという気もする。
ウィーン工科大学建築学科
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ウィーン工科大学(TU)の学生数は約3万人。教員数は約1800人。教員一人当たり学生数は17人。建築だけで見ると学生数は7250人。教授48人助手182人(非常勤は含まず)で教員(助手を含み)一人当たりの学生数は31人である。一方理科大は学生数約2万人教員数は約720人。教員一人当たりの学生数は27人である。建築では教授、准教授32人、助教、助手22人で教員一人当たりの学生数は27人であり、TU,TUE双方ほぼ同じである。
TUの建築学科の分類を細かに見ると
⚫️歴史 Institute of History of Art, Building Archaeology and Restoration
教授7人助手16人
⚫️デザイン Institute of Architecture and Design
教授17人助手65人
⚫️科学 Institute of Architectural Sciences
教授4人助手30人
⚫️都市デザイン Institute of Urban Design and Landscape Architecture
教授5人助手20にん
⚫️芸術とデザイン Institute of Art and Design
教授3人助手17人
⚫️空間デザイン Department of Spatial Planning
教授11人助手32人
⚫️コンピューター Computer Laboratory of the Faculty of Architecture and Planning
教授1人助手2人
ワークショップを終えて、そこで見聞きしたことからするとウィーン工科大学は学生が多くて先生が少ない。とそんな印象を持ったのだが、データーを正確に見ると理科大並で、生徒が多いぶん教員も多く研究分野の細分化がしやすいようである。それにしてもん入試がないので学生が多く、施設のクォリティを挙げきれないようである。
飛行機乗る前に
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⚫ルーベンス「自画像」
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⚫ブリューゲル「バベルの塔」
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⚫ヘルムート・ラング展示
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⚫レイチェル・ホワイトリードホロコーストモニュメント
最終日に飛行機に乗るまで美術史博物館に行ってRubens, P.P. (1577-1640)、Burugel, P.( 1525-1569)、Dyck, van ()1575-1651を見る。彼らは今のベルギー、オランダの画家だが、当時は神聖ローマ帝国の一画であり、ゆえにハプスブルク家の財宝の中に彼らの絵画があるというわけである。ということが最近やっとわかってきた。やはりアントワープに行かねば。
そのあとMAK応用美術博物館に行くとHelmut Langが展示されているのにはびっくり。オーストリアのヒーローなんだやはり。そこを出て宿に戻る途中でレイチェル・ホワイトリードのホロコーストモニュメントに遭遇。オーストリアでは65000人の犠牲者があったと記されている。
