心よりダンケシェーン
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ワークショップ3日目。最後の日である。朝東京駅oazoの前に集合してグループごとに担当の場所に散った。四谷、秋葉原、上野、渋谷、原宿、新宿、代官山、日暮里。2時に飯田橋に戻り3時まで神楽坂を散策して4時までプレゼンの準備。そして6時半まで各チームのプレゼン。1時間で10時間分くらい見た事そしてそこに何かを挿入するところまで考えられたら素晴らしい。そこまでできたチームはなかったが。
3日のWSを終えて思う事は三つ。
とにかく16名もの学生が日本に、理科大に来てくれた事に感謝。そしてとても勇気付けられた。これをステップにさらに多くの日本に興味を持つ学生を先生を建築家を招きたい。
二つ目は、彼らの発見が示すように東京の面白さは地形の持つ高さの差と建物持つスケールの差によって生まれている。この差をどうやって建築のなかに生かすかは建築家である私の問題となる。しかし何れにしても裸の目がこの差異をみつけてくれたことにやはり勇気付けられた。
三つ目はこんな東京の発見を是非ウィーンに持ち帰って生かしてそして6月の最後の作品に結実してほしい。それを見るのを楽しみにしている。
彼らは僕にありがとうのメッセージをそれぞれカタカナで自分の名前を書いて私にくれたがお礼をいうのはこちらの方である。心よりダンケシェーン。
東京の虚を見てからリサーチへ
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昨晩アントンが配偶者にウィーンの印象を聞いたのに対し、美術館の充実をあげると、さも当然という顔をしてオーストリア=ヨーロッパ全土であったと述べていた。それは大げさとしても、ハプスブルグ家がほぼフランスの東側から東はポーランドの一部、北はそいつから南はハンガリーまでを支配していたわけである。そこにあったものが全てウィーンにあるのだと言わんばかりだった。しかしそれにも増して、世紀末のオーストリア独自の美術のそして美術学の充実が魅力的なのである。
今朝は東京駅に集合し、ロラン・バルトが『表徴の帝国』で言う東京の中心の虚を見てからグループに分かれ再度リサーチエリアに散らばった。Good luck.
ワークショップ2日目
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本日のワークショッププログラムはシークレットスペースの見学から一転して、オブジェクティブに建築を見てもらう。SANAA、FOA,日建設計。僕は大学の卒計展を見るのでそっちは学生とウィーンの先生に任せて夕方OFDAで彼らを待つ。ワインとポールのパンを用意して待ち受ける。准教授のアントンに今日はどうだったと聞くと、まあこの手の巨大建築はどこの都市行って同じだねと興味を示さない。フィリアに大桟橋は2位は篠原一男だったのだよというと知っていてそっちの方が全然よかったと言う。理由を聞くとFOA案はまったく美しくないと言う。外国の人には概してこの建築は受けない。いままでいいと言ったのはモネオくらいである。
一方アントンは神楽坂や荒木町のスモールスケールをもっと見たいと言う。これも外国の方特有の反応なのだが、こういうのをオリエンタリズムと言うのだろうかと思ったりもする。明日のスケジュールと注意点を伝え、OFDAを出て荒木町を一周してから食事へ行く。日本とオーストリアの学生はあっという間に仲良しになっている。若さの力はすごい。
東京の不連続面を探しに
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ウィーン工科大学の学生16人と先生3人を迎え入れて小さなリサーチプロジェクトのスタートである。こちらの学生は11人。日本の学生1人とオーストリアの学生2人でチームを作り東京の不連続面を探しにスタート。行った場所は四谷、上野、渋谷、原宿、秋葉原、日暮里、代官山、新宿である。昼に飯田橋をスタートし、6時に戻り約2時間その観察を発表。予想以上に東京は複雑で、そして大きい場所に映るようである。
Concrete as media
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This is my third translation book just published and mailed me today of Adrian Forty Concrete and Culture published originally in 2012 in UK. We decided not to translate the title literally, but to put Japanese title ‘media to shiteno konkurito’ meaning Concrete as Media.
I hope many people will read this book. This is really interesting and entertaining book for sure.
クライアントが舞台で輝いていた
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アルミホイールで天井をリノベした五反田の稽古場を使う劇団の公演に招待していただいた。これが二回目である。最初は去年招待され場所は草月ホールだった。今回は紀伊国屋ホールである。設計者が丹下健三に前川国男。こんな招待がなければおそらく来ることもなかったわけで縁というものは不思議なものである。あんな細長いビルの4階の奥に一体どうしてホールが入っているのだろうと前から謎だったが入ってみてやっと分かった。4階にホールがあるわけではなく、上の階にあったのでした。
公演は「小さな結婚式」というタイトルのウエディング企画会社を舞台にしたコメディ。我々のお付き合いしている皆様が舞台では素敵な役者となって輝いていた。
エンリックの博士論文
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昨日エンリックの博士論文を読み始めている途中で最終盤の論文第一部と第二部がメールされてきた。彼の論文は、白の家、地の家、軽井沢谷川山荘、代々木上原の家、ハウスインヨコハマの五つに対象を絞りこれらの分析を通して篠原を浮き彫りにしようとしている。なぜこの5つかというのがおそらくこの論文の是非を問う大きなポイントの一つになるだろうが、それはさておき、論文第二部は資料編でこれら5つの建物すべての実施図面が整理されている。これは資料としては超一級でありさらにその整理が完璧である。図面リストの日本語、英語版があり、そこにあるものが篠原の描いた図面のすべてであることが明らかとなっている。彼は篠原アトリエで働いているときに図面の複写を願いでて許可を得ていたそうである。
