もう少し力をいれないと
夕方3年生の製図中間発表。アーキテクトファイブの川村先生、竹中の萩原先生、帽田先生、柳沢先生、構造の横山先生。僕の製図の授業では中間発表いれたのは初めてなのだが、中間だという思いからなのか?皆今ひとつ力が入っていない。
篠原作品の生活実態調査図
わけあって西山夘三さんの『日本のすまい』全三巻を古本屋で買って調べ物をしていたのだが、実に内容が充実しているので驚いた。教科書にしたいくらいである(内容が多すぎてとても教えきれないだろうけれど)。第二巻には建築家の住宅についての考察が多くある。目次に名前があがりかなり詳細に分析されている建築家は佐野利器、清家清、池部陽、篠原一男である。その中でも篠原一男は階級意識が乏しい建築家として批判的に(というかかなり滅茶苦茶に)記述されている。そして篠原先生のいくつかの作品では住み方調査がされておりその分析図および説明文もいくつか掲載されていた。こんなもの初めて見た。びっくり。おそらくこの時代にはいろいろあったのだろう、、、、、知らなかった。
あった
研究室の書架に探していた本が見つかった。アンソニービドラー編『建築のスペクタクルと使用』(Anthony vidler ed. Architecture between spectacle and use 2005)これは同名のシンポジウムのプロシーディングを集めたものなのだが、三部に分かれていてその第三部は「スペクタクルの再定義」称し、アンソニー・ヴィドラー「建築領域の拡張」、マーク・ウィグリー「量の歴史に向かって」、ハル・フォスター「イメージ・ビルディング」という論考が並んでいる。よく見るとすべて読んだような赤線がたくさん引いてあるのだが、、、、だいぶ忘れた。ヴィドラーはコンピューターによって建築の形態操作はますます未知の領域に入りそれは一般にフォルマリズムとして批判されるけれど、エコロジーと関連して可能性があると述べる。ウィグリーは、うろ覚えだが、とにかく建築は大きくなるし、表現は過剰になる。この過剰の歴史を書いていたような??、フォスターは先日読んでいた『デザインの犯罪』の6年前の話なのでタイトルからすると、まあポップの流れが現代のスペクタクル建築の源流とした上でそれらをイメージしやすいイメージ建築と位置づけた。
3人ともスペクタクル建築を強く否定はしていない。2005年の時点ではまだそんな状態である。そしてそれから10年たった今、フォスターは既に5年前くらいに少々批判的なことを述べ、恐らく他の二人も肯定的ではないだろう。そしてそんなスペクタクル建築の一大産地の中国では習近平がもうそう言う建築は中国にはいらないと言った。
そろそろ終わるかスペクタクル建築??
我が家は寒くて、、、
著作物に与える賞の審査の締切が近づいてきた。先週から暇を見つけて読んでいるが、今日はいままで読んだ3冊の寸評を書く。あと二冊の残っていてこれもぼちぼち読む。午後は卒論梗概の赤入れを自宅で行っていたら助手から電話。そう今日は1時間設計の日。課題を伝えると岡崎からコンペ最優秀賞に入ったという嬉しい報告。おめでとう。
http://www.hafele.co.jp/jp/news-and-events/16135.aspx
それにしても今日は部屋の中が寒く。先日ユニクロで買ったとっくりセーターを着る。我が家はセントラルヒーティングのふるーーいマンションなので11月半ばに冷暖房の切り替えを行うまでは暖房がつかないのである。
トムも言っている手描きで人を説得できないと
二日間の上越トークインが終了。今年は(去年かららしいが、去年は行けなかったのでよく知らない)3時間で空家の再利用を設計するという課題が盛り込まれた。お互いあまり知らいどうしの学生が6人くらいのチームを作り即日設計するのはそもそも考えをまとめるだけでも大変だ。ましてそれを図面化して、最後にプレゼンをするのは、これはこれは大変なことである。ではあるが出来はというと皆なかなか素晴らしい。というのは先生たちの総評である。ということを前提に各先生みないいことをおしゃった。中でもトム・ヘネガンの言葉にはI completely agree.である。
曰く
コンピューターを使い慣れた皆さんはコンピューターがあると素晴らしいプレゼンをする。しかし、コンピューターがないときにクライアントに説明しなければならない場合もある。手で書いたスケッチで人を説得する術を学ばないといけない。そしてこの課題で最も大事なところはどこが既存でどこが新しくした部分かがわからせることである。色を変えるとか線を変えてそれを伝えないといけない、、、、
というようなことを言っていた。そう思う。少なくとも各チームには大学院生もいるのだからもう少し表現できるように練習しないと、、、、加えてまともなパースが一つもないのにはさすがに驚いた。小学生のお絵描きのようなパースでは恥ずかしい。さあ皆練習しよう。
空き家問題を語る
朝の新幹線で越後湯沢へ。宮さん、渡辺真理さん、トムヘネガンと合流してレンタカーで上越市を目指す。毎年夏に行っている上越トークインが今年は10月。ちょっと寒い。千葉大学小林先生をお招きして空家をどう使っていくかというのが今年のテーマである。現在の日本の空き家率は13%。もうすぐ20%の時代がやってくる。空き家になる理由のは建物がなくなると税金が6倍になるということと、オーナーは空家を活用する必然性がないというところに帰結しそうである。地方はもとより東京でもマンションに空家がたくさんあるそうだ。オーナーはそれを活用する必要性に迫られていないというのが問題のようだ。行政は個人の問題に手を出せないというジレンマを抱えている。家が必要な人に安く空き家を提供するコーディネターが必要である。