Taku Sakaushi

Diary

何処で何を作るのか?

On June 3, 2011
by 卓 坂牛

何処を目指して何を作るのかと言うヴィジョンが建築を勉強するにあたっては重要なことだと思う。世界を目指して世界に通用する建築をつくるのか、日本全国で作るのか、長野県で作るのか?もちろんそれぞれのフェーズで作られる建築が違うフェーズで通用する場合も多々ある。しかし多くの場合それらは少し違う、あるいは違ったほうがいいいのかもしれない。グローバリズムとローカリズムがせめぎ合う今日では特にそうである。建築だけではない、洋服も食べ物もそうである。作る者には相手がある。相手をどこに見据えるかで作るものも変わる、変わらざるを得ない。
県大会か国体かオリンピックかというスポーツの世界と少し似ている。でもスポーツの場合は明確な序列で世界に行くほど強くなる。表現はそうとは限らない。世界で活躍する方が華やかではあるかもしれないが、それは必ずしも豊かであると言うことを意味しない。建築を本質論的にとらえればもちろん何処で何を作ろうともそのエッセンスは同じである。しかしもはやそれは建築の一部でしかないように思う。何処で何を作るのかそのコンテクストを捕まえないことには、就職一つ決められない。加えて社会に出てから戸惑うことになるのではないだろうか?

さすがに眩暈が

On June 2, 2011
by 卓 坂牛

大学の雑務。書類づくり。コンヴァージョンプロジェクトの案を一つ固める。模型を作らねばならないのだが、、、夕方から図面チェック。まだまだ先は長いなあ。うーんお腹が空いた。帰宅後ヴィデオにとっておいたサッカーの試合を見ながら夕食。今日は午前中の10時ころにブランチをとって14時間何も食べなかった。さすがに眩暈が、、、

4年製図の中間発表

On June 1, 2011
by 卓 坂牛

午後木島さんに図面チェックをしてもらう。やはり第三者に見てもらうと出てくる出てくる気がつかなかった気付くべきことが。地盤調査が遅れていて基礎周りの設計が暫定的になっている。
夕方大学へ。4年生の製図の中間発表会。このクラスは3年生までと違って選択クラスで受講者は30名弱。常勤の先生だけで見ている。中間発表は常勤の7人の意匠・計画系の先生が講評する。助教までいれると7人いるのは頼もしい。当たり前だけれど選定されている敷地は殆どが東京である。街路の物質性意味性、空間の分節、東京の水辺、歌舞伎町農場、東京の限界集落、水辺倉庫のコンヴァージョン、高速の高架下ギャラリー、高架上農場、山谷への住宅供給、雑多性の保存、日暮里の繊維街復興、調布の飛行場再興、均質性VS固有性、幼稚園+老人ホーム、僕の研究室の学生だけでもこれだけ多彩なテーマ。講評で宇野さんが東京にはいろんな場所があるものだと感慨深げに言っていたけれど確かにそうだ。加えてこれだけ多彩なテーマが出てくると言うのもやはり都市だからである。

東京に移り変わったこと

On May 30, 2011
by 卓 坂牛

朝一で研究室へ。コンペ最終プリントアウトを見る。いろいろ注文を付けているうちに助手のコンピューターがフリーズ。なんだかんだやっていたら昼である。最終品は4年生主体チームにしてはまあまあのできだと思う。CGなどまるで使えなかった4年生がなんとかレンダリングまでできるようになってきた。嬉しいことである。それにしてもコンペの最後を4日連続でチェックなんて長野にいたら絶対できなかった。そのおかげで提出物のグレードは少し上がったかもしれない。
事務所に戻り打ち合わせ。夕方再び大学。コンペは無事提出したとのこと。ほっとした。
他大院受験希望者から電話。名古屋からだが一度会いに来るように伝える。東京に帰ってくると、「帰ってきたのだから」ということで、ゲストクリティークやら非常勤やらお誘いがぐーんと増える。ありがたいことでもあるが学則で制限があるのでお断りすることも多い。その場合は申し訳ない。大学院の希望者もやはり東京だと増えるのだろうか?信大の時は他大からの応募者は実家が長野という方が大半だった。東京に来るとそうでもないようである。僕の考えに興味があってやる気のある人なら歓迎である。

他者性の表現

On May 29, 2011
by 卓 坂牛

朝から早稲田の講義の主体性⇔他者性のパワポを作り直す。近代で確立された主体性が20世紀に崩壊しその主体性の崩壊後の表現の位相を見極めると言うのが講義の主旨である。他者性の表現は圧倒的な状況(他者)の受け入れか過激なモノ性(他者)の凝視から生まれるというのが一つの結論である。今までだましだまし昔学生と一緒に作ったものを使っていたが0から作り直した。1回分の講義だけれど結構エネルギーがいる。でも手前みそだが深みのあるお話となった。
夕方大学へ、コンペのチェック。飯の後八束さんの大部の書『メタボリズム・ネクサス』オーム社2011に挑戦。さすがに内容が多くて半分で疲れた。著者が語るように、最初の半分くらいは丹下論である。確かにメタボリムを日本建築史からそこだけ切り抜いて来ても説明がつかない。その丹下論を読んでいるとつくづくその凄さを見せつけられる。旧制の大学生の教養が高いのはそのシステム上当然のように言われてしまうのだが、それにしてもヴェルフリンやリーグルの著作に既に高校時代に触れていたと知ると愕然とする。現在そんな学生に出会う確率は恐らく1%もないだろう。

久しぶりにギャラ間

On May 28, 2011
by 卓 坂牛

朝ジムで走った後かみさんと麻布へ。焼き鳥を食べながら街を探検しようと企てたが焼き鳥屋は午後からだった。
六本木のオオタファインアーツとその隣のwako works of artを覗きゲルハルトリヒターとサイ・トゥオンブリーの新作を見るhttp://ofda.jp/column/。昼飯食ってギャラ間の五十嵐淳さんの展覧会へ。ベニヤ模型が清清しい。鉄の足が生えていたのは下から覗くためだったとは。建物名の「○○の谷」とか「○○の矩形」は篠原一男を彷彿とさせるのだが、模型を見ていたら名前だけではなく空間も同質のものを感じた。そもそも単一マテリアルでモノリシックな模型表現が篠原的である。6月3日に製図のゲストクリティークでお呼びしているので聞いてみたい。ギャラ間の本屋に行ったら坂本一成の系譜図という手書きのフローチャートが置いてあった。一体だれがこんなものを作ったのか?それによると僕は篠原一男の弟子として坂本一成と並列に並んでいるのだが、これは間違いである。僕は坂本の弟子でもある。そしてその系譜図のそばに拙著発見。思わず二つを並べて記念撮影。
夕方研究室に行きコンペの進捗チェック。みんな頑張れあと少し。
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新建築写真

On May 28, 2011
by 卓 坂牛

午前中早稲田の演習。学生発表。今日は視覚的建築と体感的建築。建築芸術と建築写真芸術はそれぞれ違うものであると言う指摘があった。なかなか的を射ていると思った。それに従えば『新建築』と言う雑誌は『新建築写真』となってもいいのかもしれない。また建築で重要なのは雰囲気や人の気配というハイデッガー並みの指摘も良い。でもそれはどういうところから感じられるのかの突っ込みがやや不足。まあそこに目を付けているだけでも建築学科の2年生よりかはましである。
午後事務所で設備事務所との打ち合わせ。大盛りの内容で5時までに終わらず事務所を出て大学へ。コンペのシートを見ようと思ったが未だもう少し時間がかかりそう。今日は製図の提出日。各スタジオを巡回する。面白そうなものもぽつぽつ見られるが総じて図面のプレゼンテーションが稚拙である。
研究室の勉強会。1時間設計は住吉の長屋を都市に開け。減築可。増築は木造でというのが条件。輪読は松井みどりの『芸術が終わった後のアート』。この手の本は本物を美術館で見ていないと実感が湧かないものである。とにかくなんでもいいからモノを見て欲しい。建築とアートの繋がりは切っても切れない。

ごちゃごちゃを模倣せよ

On May 26, 2011
by 卓 坂牛

ウィーン工科大学で木造建築の耐火性能の研究をしているTさんが学会出席で一時帰国、理科大にも顔を出してくれた。日本はさまざまな意味で(火災保険料が高いなど)木造が発展しないようになっていると嘆いていた。ウィーンではそういうことは無いと言う。
話に夢中になっていたらドクターの中間発表に遅刻(ごめんなさい)。その後九段下で会議、場所を移動して神楽坂で会議。会議は明らかに信大より多い。そのうえ内容の重複が激しい。今日の内容など99%教室会議で聞いたことである。
会議後雑務、雑務、飯、雑務。夜アンソニー・フリント(Flint, A)渡邊康彦訳『ジェイブズ対モーゼス―ニューヨーク都市計画をめぐる闘い』鹿島出版会(2009 )2011を読む。先日ジェーン・ジェイコブズの名著『アメリカ大都市の生と死』を通読したのでこの本も読んでみた。苦労の末アーキテクチャラル・フォーラムの編集者になった彼女が1956年ハーバード大学でのアーバンデザイン総会で上司の代役で講演した。ここにはディーンのセルト、ヒデオ・ササキ、ビクター・グルーエンなど再開発推進派のモダニストがごろごろしていたわけである。もっと言えばハーバードこそそういう輩を輩出する、彼女が反発してきたあらゆるものの権化だった。
そこで彼女は非難承知で都市再開発を否定し既存の近隣居住区画のごちゃごちゃ寄せ集めを模倣せよとぶったのである。この発言はやはりかなり冒険だっただろう。勇気ある言葉だと思う。ハーバードモダニズムはこれに大ブーイングを示したが彼女に拍手したジャーナリズムも一方にあり、それから彼女の闘いが始まるわけである。
この本思わず読みふけってしまう。彼女の理論というよりその戦いぶりに血わき肉躍る。僕の仲人をしてくれた恩師の奥さんがまさにこうした運動を現在しているが、ジェイコブズと彼女がだぶって見えてきた。

原発・正力・CIA 結構驚きのお話である

On May 25, 2011
by 卓 坂牛

事務所でスケッチ。150×150×6のカットTを@600で並べた天井の6ミリの小口を赤く塗ろうと思った。そのカットTがぶつかる壁に6ミリのすかし目地をつけて2階の床まで下ろす。このすかし目地の底も赤く塗る。あくまで底だけ。
夕方大学に来てコンペの状態を見る。少しずつ進んでいる。
夜研究室でCPUにソフトをインストールするのだがなかなかうまく入らない。アカデミックエディションは意地悪されているのだろうか?やたら時間がかかる。仕方なく積んであった新書を抜き取り読む。有馬哲夫『原発・正力・CIA』新潮新書2008。原爆を落としたアメリカはソ連が核を保持したことに脅威を覚え、原子力安全利用キャンペーンを張る。その一貫としてアジアに目を向け、日本には核と通信網を普及させたいと考えた。そんなアメリカと通信網を作りたく政治家として花をさせたい新聞屋正力松太郎の利害が一致する。その仲介にCIAが入り、新聞とテレビで核の安全利用の大キャンペーンをはった正力は見事新聞界から政界へ打って出た。絵にかいたような話だが、それを若くしてバックアップしたのが中曽根である。
そんな歴史を振り返ると、アメリカと結託し原子力を巧みに利用し最大の利益を得たのは自民党以外のなにものでもない。この事実に彼らは一言も無いのだろうか?

世界語としての英語

On May 24, 2011
by 卓 坂牛

朝一で古河へ。クライアントの部長さんと一対一の打ち合わせ。3時間半昼飯抜きで実に多くのことが打ち合わせで来た。もう一回こういう打ち合わせするかな。
2時ころ古河から上野へ。車内で記録を書いて事務所に送る。
行き帰りの電車でディビッド・ホン、ジャン=ポール・エリエール『世界のグロービッシュ』東洋経済新報社2011を読む。対訳がついているが英語で読む。世界語としての英語は今や英語をネイティブとしない国民によって多く話されている。例えばスペイン人が日本人にコミュニケーションをとろうとすれば8割がた英語を使うであろう。そこで使われる英語はもちろんネィティブイングリッシュではない。スペイン訛りと日本訛りのヘンな英語である。ドイツ人が中国人に話す英語だって同様である。国民の数だけ英語があると言ってもいい。そんな世界ではもはやネィティブイングリッシュにどれだけの意味があるかというのがフランス人著者たちの問いである。そして世界英語としてのglobishを考案した。1500語の単語。時制を単純化。イディオムを使わない。
確かにこの英文は十分深い内容を日本語のように読み進めることができる。イングリッシュネイティブにグロービッシュを書けと言えば困難かもしれないが、日本人に書けと言えば恐らく簡単に達成できるだろう。事務所に戻りさっきの記録の説明をしてから大学へ。コンペ打ち合わせ、そして製図のエスキス。

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