Taku Sakaushi

Diary

冷たい雨

On November 17, 2010
by 卓 坂牛

東京は霏々として冷たい雨が降り続く。午前中事務所で打ち合わせ。飯を食って東京駅で新書を二冊買い込みアサマに乗る。高崎を越えるころから雲が開け夕日が空を赤く染める。駅で買った海部俊樹『政治とカネ』新潮新書2010を斜め読み。昨日見た週刊誌に紹介されていた。政治家の書く本などあほくさくて滅多に読まない。しかしこの本は彼が政界で生きたありのままを書いてあるということなので読んでみた。確かに生生しい数字が羅列されていたがそれを除けばあまりどうということはない。夕方大学で4月から僕の学生を受け入れてくれる先生に学生とご挨拶。研究テーマなどの打ち合わせ。夜研究室で立岩真也『自由の平等―簡単で別な姿の世界』岩波書店2004を読む。リバタリアニズム批判である。自らも時としてリバタリアンに傾斜する。しかし理性的にそれを制止するのである。心底リバタリア二ズムを否定できる心地よい考え方があるのなら傾聴に値する。

sugar sync

On November 16, 2010
by 卓 坂牛

午前中打ち合わせ。午後mac book airを手に入れる。事務所でT君にwindowsをインストールしてもらう。結構時間がかかる。僕じゃとてもできない。ほっとする。Officeはとりあえずopen officeを入れてみる。残りのアプリは明日。昨日drop boxに感動していたら、平瀬さんからsugar syncの方が便利だよとtwitterで教えてもらう。さっそくダウンロードしてみた。未だ上手く動かせないが便利そうだ。Drop boxとの差はよく分からないがまあおいおい。夜、奥山さんへ原稿最終便を送る。ほっとした。これは中国語に翻訳されると言うが日本語中国語併記の本になるのだろうか?

mac book air 

On November 15, 2010
by 卓 坂牛

午前中のアサマで長野へ。車中アーサー・クローカー伊藤茂『技術への意志とニヒリズムの文化-21世紀のハイデガー、ニーチェ、マルクス』NTT出版2010を読む。いやこの本はなんだか全然分からない。いや分かる人には分かるのかも知れないが波長が合わない。午前中は輪読ゼミ。ジョナサン・クレーリー遠藤知巳訳『観察者の系譜』。視覚論の定番本だけど修士学生がいきなり読むには少々難解かもしれない。お昼を食べながら会議。午後は修士論文ゼミ。さあ早く作品を作ってほしい。ゼミの終わりに1時間設計。ジャンプルーベのナンシーの家を題材にして平面を維持したまま断面を変えよという課題。モダニスティックな空間を換骨奪胎せよという主旨である。3時から教員会議。来年度はまた給与が数%減少するという説明があった。しょっちゅうこんな話があってもう慣れっこになってしまった。大学の給与だけで生きるなんてもはや無理である。小説でも書くか?会議後Y先生にマックブックエアを見せてもらった。立ち上がりも終了もおそろしく早い。エアの薄さで重さ1キロ。CPUはデュオ。HDは60くらいだけどこれで8万台。スゴイ。ついでに見せてもらったドロップボックスというデーター管理ソフトがすぐれモノ。ネット上のサーバーとCPU内のファイルが瞬時に同期する。見せてもらっている間にも学生のファイルが更新されていくのが表示されている。これを見ると学生が何時どのファイルをいじっているか一目瞭然である。5時からキャンパスマスタープランの打ち合わせをして飯を食って1時間設計の採点。雑用を終わらせて8時半のアサマに飛び乗る。週間新潮を買って読んでいたが面白い記事が一つも無かった。

最後の訳語統一

On November 14, 2010
by 卓 坂牛

午後A0勉強会。読み合わせは全部終わった。今日は訳語ルールについての打ち合わせ。全体を通して多く出てくるhumanismとかspace, line, coherence等の言葉については全体を通して意味が変化しないので訳語を統一しそれを確認する。一方頻出しても意味が場所によって変化する言葉は逆に統一しないことを決める。カタカナを使う方がもはや一般的であるメタファーや、日本語訳があまり一般的ではないコーニス、モールディングなどの専門用語はそのままカタカナで統一。本のタイトルなどは訳書がある場合はそれに従う。例えばThe Stone of Veniceは『ヴェニスの石』ではなく『ヴェネツィアの石』とした。それから人名、地名の発音をどこまで原語に忠実に再現するのか?などなど。しっかり半日かかったが懸案事項の答えは全て出した。そのルールブックに基づいてもう一度訳文を見直すことになる。12月には各自分担部分を見直して最終稿を持ち寄りやっと校了とあいなるか?

文節の並べ方

On November 13, 2010
by 卓 坂牛

作品選奨の審査にお昼ころ出かける。地下鉄駅から地図を頼りに歩く。下町ビル街に突如桜並木が現れた。建物は桜に面しそれを愛でるように設計されていた。ベテラン建築家による手慣れた作法だ。見終わって銀座に出る。BLDギャラリーで辰野登恵子個展を見る。箱や本棚が画面からはみ出るようにつながる。どうも僕はオールオーバーな構図に弱い。そして色がいい。ピンクと薄い紫が何とも言えない。京橋のほうへ歩き小山登美夫ギャラリーで池田亮二展をのぞく。前にも見たことがあるようなデジタル映像とスティルの作品。伊東屋でシャープペンを一本買ってホコテンを歩く。途中教文館で平積みになっていた野内良三『日本語作文術』中公新書2010を買う。谷崎や横溝という大家に赤を入れているのが小気味いい。加えて文節の並べ方の説明に合点が行く。日本は述語を最後に置くことを除けば文節の順序に規則はない。しかし長い文節から並べるのが読み易さの原則だという。そうやって並べかえると読みにくい文章は確かに読みやすくなる。四ッ谷に戻り、本を読みながらジムで自転車。

メトニミー

On November 12, 2010
by 卓 坂牛

朝一で輪読ゼミ。今日の本は三中信宏の『分類思考の世界』講談社現代新書2009 著者は進化生物学者。分類の元祖は生物学ではあるが、生物以外でも分類は必ずやある。分類をしない学問など聞いたことはない。いや学問と言わず生きていくために分類はなくてはならないものである。建築の世界だって分類は日常茶飯事である。およそ分類をしない論文など見たことはない。意匠に至っては事象の分類が学問であるかのごとくである。その価値をうんぬんする気は無いが分類せずして僕等は頭を整理できないのだから仕方ない。ところで分類の方法論の一つの概念に換喩メトニミーがある。モノの一部で全体を表す修辞法である。青い目で西洋人。鳥居で神社などを表す事を言う。建築でも全ての作品に一貫した特性を持っている建築家はメトニミーで言い表せるものである。でもそう言う人は常にその方法論を変えないということでもありちょっとつまらない人かも知れない。午後製図のエスキス。さあ今日で終わり。講評会まで頑張って欲しい。去年を追いこせ。夕食をとって雑用を片付け帰宅。

武家空間の近代的変容

On November 11, 2010
by 卓 坂牛

午前中、長野市景観賞受賞作品見学ツアーの講師。長屋門、保育園、酒蔵巡り。午後大学に戻りゼミ。そろそろ訳の分からない話にいら立つ季節になってきた。その後アルゼンチンワークショップブックレットのデザインを見る。50ページを超えていたので印刷代を考えてページ数を減らす。こういうモノはだらだらやっていると熱が冷める。多少のことには目をつぶり最速で作り上げることが肝要である。夕食後、水内俊雄・加藤政洋・大城直樹『モダン都市の系譜―地図から読み解く社会と空間』ナカニシヤ出版2008を読む。著者の1人にソジャの『第三の空間』の翻訳者である加藤氏が名を連ねているので興味がわきこの本を読んでみた。しかしここでは比較的地理学者として正攻法の話を展開している。城下町から現代まで関西の都市変容過程が地図をもとに綿密に分析されている。その中でも明治になって武家空間が一掃されたこと。そしてそれらが種地となり、新しい時代に必要とされた空間(教育、行政、病院、遊郭など)が建設されてていったことを地図の上で改めて知る。例えば京都では鴨川以東の武家屋敷跡に帝大、第三高等学校、美術工芸学校、医科大学、第一中学校、発電所、平安神宮、岡崎公園、動物園などが建設されたのである。こういうことを知ると東京の明治も知りたくなる。ちなみに僕の事務所がある荒木町は松平家の屋敷があったところだったが、明治は、花街になった場所である。屋敷の庭に池もあり(今も小さなモノだが残っている)東京でも名の知れた景勝地だったからだろう。花街になったことが明治政府の計画的な事業であったかどうかは分からないが。

コラプション

On November 10, 2010
by 卓 坂牛

朝のあずさで甲府の現場。外部の足場がばれて内部のパテ処理が進む。今日は寒くなるとかみさんに散々言われて出てきたのだがそうでもない。甲府の昼は暑いくらい。加えて空気がとても澄んでいる。富士山がこれだけきれいに見えたのは初めてだ。昼食後、駅で買った小説を片手に鈍行電車に乗る。フィリピンを舞台にした日本現地法人をとりまく汚職の話し。先日ヴェネゼエラの建築家と話していたときも自国のコラプションを嘆いていた。権力に金は集まる。権力がありながらステータスの低い人間は権力を傘に金を得ようとするし、権力がありステータスの高い人間は更に高いステータスを求めて金を得ようとする。だから権力に金が集まるのはとめられない。権利(権力)は最も安定した商品である。アメリカでグリーンカード(永住権)得るにはその人の能力もあろうが、手っ取り早いのは金を積むことだと言われたことがある。留置所から出るのだって金である。これらは合法的な権利の売買である。そして民主主義社会では権力は公に託されたものであるからその金は公に入らないといけないのだが、人間そう簡単に原理通りには動かない。これは人々の倫理観によって制御され得ることなのか?それとも原理が間違っているのか?

瀬戸内の話題

On November 9, 2010
by 卓 坂牛

事務所で打ち合わせ。現場の状況やら、明日の打ち合わせ項目を確認。スペインでネット環境が悪かったので返信すべきメールがたまりそれらに返事を書く。ところで離日前に約束を果たしたつもりで中国に行っちゃったO先生に送った原稿へ受領の返信が無い。たいして急ぎじゃなかったっていうこと?それなら行く前に無理してやらなければ良かった。もっとやりたいことが色々あったんだけどなあ。
ニューヨークに居るアート関係の友人が来週日本に行くのでランチをしようとメールが来た。曰く、日本に来る時はいつも死ぬほど仕事を入れるので本屋にも行けず友人にも会えず見たいものも仕事関係(ダンスパフォーマンス)しか見られない。だから今回は友人に会って、物見遊山をするという。その友人として光栄にも私が選ばれたそうなのでお誘いは喜んで受けることにした。しかし土曜日に遠出したくないので四ッ谷のポールで待っているよと返信した。さて物見遊山の行き先を見ると広島、直島、岡山と書いてある、遠くニューヨークでも瀬戸内は話題の場所のようである。

蒸し暑い

On November 8, 2010
by 卓 坂牛

時差調整しようと機内は寝ないで頑張る。映画を4本も見てしまった。エアフランスは映画の本数も充実しているし食べ物飲み物もアエロフロートの比じゃないな。成田に夜到着。ヨーロッパから帰ったら東京はひどく湿気を感じるし暑い。つまりむし暑い。

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