Taku Sakaushi

Diary

ダメな国?

On September 3, 2009
by 卓 坂牛

朝一のアサマで大学へ、午前中の会議に出席。5キャンパスをテレビでつないだテレビ会議である。これをやると信州タコ足大学を実感する。午後は市役所で駅前整備検討委員会へ。この手の市の整備にはだいたいコンサルがくっついているものだが、見ると市側の席の後ろに知った顔。昔の先輩後輩。バスバースがたくさん欲しいバス会社とタクシーバースがたくさん欲しいタクシー協会と広場がたくさん欲しい市民。しかし駅前の面積は限られている。ペデデッキを可能な限りたくさん欲しい地元商店会とペデデッキは景観上邪魔という有識者と。まあ、真っ向からいろいろな意見が対立し議長も大変である。自分も意見を言いながら、それを調停するようなデッキプランが思い浮かぶ。委員会終了後、それとなくコンサルI君に「こんなのどう?」と見せてから会場を後にする。
帰りのアサマで『逆さまの地球儀』を読み続ける。ラテンアメリカについて書かれた本であるが、要は日本人を含めて北半球の人間は南半球を地球の裏であるかのごとく思っているが、どっちが裏ということはないという視点で書かれた本である。アルゼンチンの説明は今まで読んだダメな国アルゼンチンの見方を少し変えてくれる。経済危機が起ころうが、ダメだと言われようが、かの国の国民は実に豊かであると。誰が何と言おうとマイペースで幸福である。ただし甘えがあるのでなかなか世界的には認められない。野球でいえば阪神タイガースのようなものだという。そう言われると何となく了解。なるほどそういう国か。しかし依然読んだ『グローバル定常型社会』の著者広井良典によればこういう国は小地域自給モデルの国として世界市場とは関係なく、豊かにマイペースで存続していければそれに越したことがないようにも思う。事務所に戻り明日の資料を確認。

レクチャーづくり

On September 2, 2009
by 卓 坂牛

さてそろそろアルゼンチンでの講演の準備をせねばと思い立つ。あらかた作ってもらっていたパワポを前にストーリを考えなおす。ベルグラーノ大学と建築家協会と二つの場所でレクチャーをすることになっている。一体どんな人が来られるのか?何に興味があるのか?機材はそろっているかなどなどメールで質問。答えは明日かと思ったがこちらの朝は向こうの夕方で返事がすぐやってきた。大学は100人のホールで通訳付き。協会はオーディトリアム。英語でやって欲しいとのこと。大学は学生だけ、協会は建築家、ブエノスアイレス大学の学生などいろいろな人が来るようである。そこで二つのレクチャーの内容を少々変えることにする。大学は展覧会に展示されているものを中心に、比較的即物的に、丁寧に。協会ではデザインを深く突っ込んで語ることにする。しかし突っ込んだ方を英語でやるのは自暴自棄でもある。パワポを見ながら試しに英語で話しているとかみさんが部屋に入ってきて「あれ英語でやるの?」と聞く。頷くと「スペイン語でやるのかと思った」とのたまう。まさか!
午後事務所で打ち合わせ後、千葉さんの学会賞の授賞パーティーに参じる。国際文化会館に300人。すごい人。主賓槇さんのスピーチがふるっている。「昨今の建築は豆腐派(ミニマル型)かスパゲッティ派(ぐにゃぐにゃ型)に分かれますが、千葉さんは濃密な豆腐ですね」だと。なるほどその通り(過ぎる)。主賓あいさつ語食事しながら会場を一周。いやはや先週学会でお会いした同じ顔ぶれオンパレード。途中で失礼し、事務所に戻る。

校正

On September 1, 2009
by 卓 坂牛

お昼まで雑用。たまっていた雑用の一つに原稿チェックがあった。去年長野で行ったスイス人建築家とのシンポジウムやレクチャーをまとめて本にしたいという出版社が現れた。主催者の一人が働きかけたらしい。そんなわけで急に僕のレクチャーも本の一部にしたいということになりテープ起こしした文章をチェックするはめになった。実はチェック依頼はだいぶ前に来ていたのだが、そもそもどんな本かという説明もないし、できることなら載せないで欲しいと思っていたので放っておいた。のだが、きちんと断ることもせずにいたので、出版間際にドタキャンもできず、建物の写真4枚とテープ起こしした原稿を読めるように修正して送り返した。さてあっという間に夕方、本の6ページのレイアウトになって送り返されてきた。なんと素早い。素早いのはいいがまさか全文そのまま使うとは思ってもいない。そもそもスライドレクチャーの内容だからスライドなしだとよくわからない。これはまずい。レクチャーを全文使うなら、もう少し別の校正をしなければ、、、、しかしこんな進め方ってあるか???いきなりこんな使い方をされるとは??ちょいと戸惑う。午後構造、設備事務所の人たちと打ち合わせ。久しぶりにどっぷり打ち合わせ。金箱さんも学会には4日間いたそうでお疲れさまである。帰宅後、和田昌親『逆さまの地球儀』日本経済新聞出版社2008を読み始める。

痕跡

On August 31, 2009
by 卓 坂牛

朝から市の委員会に出席。昨今このての委員会はすべて公開。新聞社も入っている。内容は市民会館の建て替えに関するものである。今日は一回目なので建て替え決定までの経緯が市側から説明された。すでに55年ほど経っているのであと5年たつと寿命という説明がされたのだが、「そうだろうか?」とやや疑問。まあどうでもいいような建物ならいざ知らず。宮本忠長、長野帰郷後最初の渾身の一作である。それだけに「そんな簡単に壊していいの?」と思わざるを得ない。先日宮本氏と建て替えの話をした時も「あのファサードの精度のよいプレコンは湊建材のものなんだ」と誇らしげに語っていた。湊と言えば僕も使ったことがあるプレコン屋のトップである。あの繊細で美しいファサードは職人芸である。今では作れないだろうその表情はプラスティックで固めてでも残すべきである。木造、瓦、しっくい、は一生けん命残そうとするのだが、近代建築の遺産はどこでも冷たく放置される。問題である。まあさまざまな要素が検討されてこの結論に至ったのであろうから今更楯突かないけれど、少なくともこの場所に立ち上がる新市庁舎にはこの建物の痕跡をなんらかの形で刻み込んでほしいとの要望を述べる。委員会後駅で昼食。周辺が物々しい。改札の周りにはspがざっと10人はいる。後で知ったが皇族が来たようだ。東京に近付くほど天候が悪化してくる。台風に向かって進み東京はかなりの暴風雨。しかし夜間になると静かになった。台風の目に入ったのだろうか?

選挙

On August 31, 2009
by 卓 坂牛

アルベルト松本『アルゼンチンを知るための54章』明石書店2005なる本を昨日東京駅の丸善の1階で買ってきた。今まで4階(洋書)か3階(美術、建築、哲学、語学、新書)でしか本を買ったことがない。結構限られたものしか読んでいないことに気がついた。さらに中南米の書架に行くとほとんどがブラジル、メキシコであり、アルゼンチンの情報は結構少ないことが分かった。日本との関係が少ない国だからか?ワインの生産量もかなり大きいけれど日本への輸入は少ないようだし。
昼頃かみさんと選挙に行ってからやっと直ったパソコンを取りに行きセットアップをしていたら夕方になった。昨日までの学会の疲れが抜けずどうにも体が動かないのだが、へたった体を引きずって長野に向かう。車中本を読み始めたのだが、よみかけのページに指を挟んだまま眠りにおちいり気がついたら長野である。選挙速報を携帯で見ると民主圧勝の報である。それにしてもドラスティックな変化である。資本の再分配という点からみると世界的に見てアメリカとともに低レベルな日本を変える意味で僕も民主に一票を投じたのだが、果たしてその実行による弊害がどのように現れるのかは気になるところである。

帰京

On August 30, 2009
by 卓 坂牛

午前中,学会の司会をワンセッション行い、後の発表を聞く。名工大の「domusu」写真分析が僕等の方法と同類だった。終わると発表者が僕のところにきて僕等の研究が大部参考になったと言っていた。我々のかけ出しの研究も少しは人の参照されるところになったようである。うれしいと同時に責任感を感じる。ところで大会発表での意匠論の8割は坂本研究室出身者の系統である。これは少々由由しきこと。坂本先生の確立した方法論が受けつがれているのは、それはそれですばらしいことだが、意匠のようなきわめて多角的な分野はその性質と同等に様々な方法論がありうるはずである。であるなら、そういう方法論の多様性を批判的に検討する土壌があるべきだと思う。もっと多くの考え方の参入がこの分野を活気あるものにするはずである。終了後昼をとって仙台駅へ。JRに就職したobの平岩君とやまびこで東京へ向かう。長野に2泊はいつものことだが、それ以外の場所だとひどく長く感じる。東京がとても混雑して見える。久しぶりに丸善に寄り、本を物色。アルゼンチンの地図や歴史書などを買いこみ宅配。渋谷に向かう。今晩は東京で就職した研究室obの集まり。1期生から数えて5期生まで。加えて日建でバイトしている3年生も含めて12人集まる。就職すると言うことが急に大人びるから不思議なものである。ちょっと前までは子供みたいだったのに。

建築見たり、発表聞いたり

On August 29, 2009
by 卓 坂牛

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管野美術館
午前中、仙台建築巡り。ツキハシさんに教えられた阿部さんの管野美術館、宮城スタジアム、原さんの県立図書館を見る。管野美術館はとんでもない細い道をぐるぐる回りやっとたどり着く。エンボス鉄板をくみ上げ床、壁、天井全てが鉄である。小さいながら空間の流動性が体で感じられる。スタジアムは昔我々も参加して佳作で負けたもの。負けおしみではなく我々の提案も負けてはいないと感じた。図書館はちょっと大味だが原さんらしい。午後は学生の発表をあっちこっちに移動しながら聞きつつ、質問感想を述べる。デザインで少し批判をした方の指導教員が小林克弘先生だった。終わると丁寧にあいさつに来られ恐縮。もちろん感想も批判も興味深く、レベルが高いからするのであり、そのことを先生にもお伝えする。一度ホテルに戻りシャワーを浴びてから坂本先生の弟子たちの会へ。奥、塚、貝、寺、などなど、構成論、スケール論、制度論と話は尽きない。しかし現実の実体観察だけでは結局論文の面白みは無い。そこからいかに創作論への可能性を生み出せるかがポイントである。来年の大会はいかにオモシロイ論文を書けるかそれぞれ頑張ろうとの決意で〆。

学会初日

On August 27, 2009
by 卓 坂牛

寝ぼけまなこで5時半に家を出る。東京駅で飛び乗った電車が走り出す直前で「とき」であることに気付き慌てて飛び降りる。間一髪。危ない危ない。隣のやまびこで仙台に向かう。福島までは『グローバル定常型社会』を読み続けたが、そこで力尽き眠りに。今日は建築学会のデザイン部会の司会。午前中にワンセッション司会を行い学生と昼食。午後、もうワンセッションの司会。午後のセッションは植田実さんがゲスト講評者として参加。午後のセッションの発表者一人一人に丁寧なコメントを頂いた。植田さんのコメントはとにかく誉める。どんな案でも良いところを見つけては誉める。自ら「誉め殺しの植田」とおしゃっていたが、そのしゃべりはお見事である。最後に植田さんから優秀賞が二人選ばれると突然アナウンス。ここでは信州大からも竹森君が発表を行っていたが、見事にこの優秀賞に選ばれた。彼の独特なスケッチとリアリティの高さが評価された。お見事。植田さんとは初めてお会いするのでごあいさつすると「角窓の家」をご存知でここでもとにかく誉められた。いや誉め殺された。会場に来ていた五十嵐さんに明日の建築映画イベントのフライヤーを頂くが明日も過密スケジュールで多分見ることが出来ない。残念である。会場である東北学院大学を後にして市内に戻り、今日発表された仙台市内の建物を見ようとしたが仙台も市内は超ラッシュ。一つは見られたが、もう一つはたどり着けず。学生と牛タンを食す。

巨大ひょうたん?

On August 27, 2009
by 卓 坂牛

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結局昨晩帰ったのは2時半。ゼミが終わってから雑用に追われた。が、今朝も寝坊はできず7時ころ目が覚めた。駅のプロントでモーニングを食べて特急しなのに乗る。車中広井良典『グローバル定常型社会』岩波書店2009を読み始める。進歩成長型社会から定常型社会への提案。よくある話しのようだが、とてもわかりやすく説得力がある。成長しない社会における建築って何なのだろうか?考えさせられる。
松本であずさに乗りかえて塩山へ。強い日差しだが風は心地よい。東京から来たT君と合流し、迎えの車で施設へ向かう。月末県へ提出する図面の最終確認。概ね問題なく1時ころ終わり、施設の昼食(なすカレー)を頂く。次の電車まで時間があったので付近を散策。付近と言ってもほとんどがぶどう畑。僕はこの景色が好きなのだが、少し歩くとぶどう畑の一角に巨大なヒョウタン。2メートルもあろうか?僕の背たけくらいはある。帰りの車中は爆睡。事務所にもどりコンペのスケッチをしこしこ描いてsetenvに送る。明日も早くから学会で仙台。3日滞在なので残りの作業はsetenvさんよろしく。

市議への説明

On August 26, 2009
by 卓 坂牛

午後長野某市にでかける。あるプロジェクトを市議会議員へ説明。議員と言っても建築に関係する議員数名と思っていたのだが、市議会議員全員だった。50名近くが相手なら助手を連れてくればよかった。議員というのはいろいろな立場があるわけで説明後の質問もそうした党派性を如実に感じさせるものだった。まあそれは仕方ない。6時ころ大学に到着。途中のスーパーで買ったサンドイッチをほお張り7時からゼミ。終わったらぴったり0時。

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