Taku Sakaushi

Diary

お盆の静かな事務所

On August 14, 2009
by 卓 坂牛

実に静かな事務所である。今日は本当に電話が一本も掛かってこなかった。ガレス最後の日。最後だが模型をいろいろと作ってもらい、5時ころ仕事が終わる。僕のアルバムをプレゼントし、事務所にいるスタッフ5人で別れを告げる。I hope you`ll make a success と言うとI hope OFDAwill be famous and richと言われた。有名になって金持ちなることはやはり大事なんだろうか?まるでアメリカ人みたいなことを言うやつだ。彼が言うには、大学のクラスメート50人はほとんどこの夏休みにインターンシップをすることを奨励されたそうだ。そしてその行き先はほとんどがヨーロッパ。しかしアメリカに2人、日本に2人来たという。日本に来たもう一人は板茂さんのところに行ったそうだ。日本なんていう面倒くさい国に来ようなんていう奴はかなりambitiosなんだろう。日本語覚えようなんていうこと自体が普通じゃない。彼が帰ったあと9時ころやっと3案がまとまりクライアントにファックスする。さてどんな反応がくるだろうか?帰宅後遅めの夕食。大事にとっておいたワインを飲む。

ガレス

On August 14, 2009
by 卓 坂牛

お盆休みで事務所内は僕らのチームしかいない。来客や電話も少なくて静か。僕らは明日までに送らなければいけない図面があり忙しい。午後打ち合わせをして3パターンの方向性を決める。夜、約2ヶ月半事務所で頑張ってくれたガレスの送別会。荒木町では最近タイ料理屋が増えており新しくできた3階建ての店に行く。新しくとは言っても、金がないから前の店の内装をそのまま使っている。場所の作りと食べるもののずれが笑える(前の店は焼肉や)。毎度研修生とはそうなのだがガレスともゆっくりと話すことができなかった。地方の仕事が多く事務所をあけるこが多かったのも理由のひとつ?しかし今回彼にはいろいろとスタディもしてもらい、実際甲府プロジェクトでの彼の配置のアイデアは現在の案に生きている。加えて外国の研修生で初めて彼はかたことの日本語を話せた。スタッフとはなんとなく怪しい日本語で会話できたのは仕事の効率から言って大きい。知的アイルランド人はゲール語も学ぶ運命にあるし、語学に長けている人間が多いのか?それとも既に大学を卒業したら日本で働こうと覚悟を決めているのか??店を出て僕は少々疲れ気味で帰宅。

貴志先生

On August 13, 2009
by 卓 坂牛

9時半の特急に乗り高岡を後にする。駅で柳沢さんと合流。貴志先生の話になる。60近いが作り続け、気持ちが若く、無邪気で、実に素敵な人であったと印象を語り合う。直江津までは日本海、十日町あたりまでは広大な水田、残りは迫る山と渓谷を横に見ながら進む。長いが飽きさせない車窓の風景である。越後湯沢で新幹線に乗り換え東京へ。ココからは延々トンネルである。コンピューターを開いてモバイルしようとしても繋がらない。高崎に着くころにはバッテリーが切れた。事務所に戻り、メールチェック。ニューヨークでインターンシップをしているカザフスタンの建築少年がK-projectを気に入りインターンシップに来たいと書いてある。30ページのポートフォリオは迫力である。貴志先生にお礼をしようとhpからメルアドをチェック。経歴を見るとなんと僕と同じ年にSDレビューに入選している。その昔に会っていたようだ。重い頭をしゃきっとさせて甲府の図面をYさんとじっくり見る。5時間くらい隅から隅まで。最近11時ころ帰宅後夕食になることが多い。コレをやっていると胃を壊す。

富山へ

On August 12, 2009
by 卓 坂牛

朝の新幹線で越後湯沢へ。車中千田稔『伊勢神宮―東アジアのアマテラス』中公新書2005を読む。なるほどアマテラスのご神体が鏡なのは図像としての太陽と読み取れるようになったからだとか。鏡ってなんでそんなにたくさんあったのか少し分かってきた。越後湯沢で乗り換えて高岡へ。車中神代雄一郎『間(ま)日本建築の意匠』SD選書1999を読む。日本建築における間と西欧の空間との差が語られる。日本のそれには単に物理的な空隙だけでなく時間概念が内包されているというのが神代さんの指摘。伊勢もその一つ。昼前に高岡到着。富山大学の横山君が駅に迎えに来てくれている。そこで柳沢潤さんと合流して大学へ。2年3年の合同講評会のゲストで呼んでいただいた。三つの課題の優秀作15点くらいを講評する。課題毎の合間に柳沢さんと僕のショートレクチャーを行い、終わったら8時。それから懇親会。この学科は一学年20人と少なく8割女子。男子は圧倒されているようだ。9時くらいから地元の建築家、横山さん、富山大の貴志先生らと食事。貴志先生は住吉の長屋を作る前の安藤忠雄事務所にいらっしゃった建築家である。また地元の建築家のKさんは京大加藤研出身。安藤論になったり、坂本論になったり、ヴァレリーの話になったり。実に楽しい。

台風をすり抜け

On August 10, 2009
by 卓 坂牛

朝一の特急あずさで塩山へ。台風の影響で東京は大雨。スタッフのT君もナカジもズブ濡れで新宿到着。指定席は満席。自由は半分くらい。夏休みは結構こういう現象が起こる。塩山は曇り。徐々に晴れてきた。台風も内陸にはあまり影響しない。因みに長野に台風は来ない。加えて、構造計算上の耐風圧も東京より低い。打ち合わせは10時から午後4時まで。昼は近くの素敵なレストランへ連れて行っていただいた。ブドウ畑しかないと思っていたが、塩山にもこんなところがあるんだとびっくりした。午後はさらにだいぶ突っ込んだ議論。設計料の話も含め、だいぶきちんとした話ができた。とは言うものの8月末までに形にするにはかなり大変である。夕方のかいじで新宿に戻る。事務所でアフタミーティング。

レクチャ作り

On August 9, 2009
by 卓 坂牛

明後日の富山大と、来月のブエノスアイレスでのレクチャーの内容を考える。なんとか両方をダブらせようと構想を練るのだが、どうもうまくいかない。手持ちの素材をうまく加工できないかと事務所に行ってイラストレーターのデーターをpdfに変換する。もともとのデーターがー滅茶苦茶重いのでpdfにしても変わらず重い。これをパワポに貼ろうとするのだが、一枚貼るのに10分。重いのだと途中で固まる。空いているcpu4台開いて一度に行う。のだが最後にパワポに貼るところでひっかかる。どいつもこいつも止まるのだよ。ふー困ったね。今までこのイラレデーターは印刷専用にしていたため解像度上げてハンドリングは考えていなかった。こりゃ少しデーター量落とさないと使えんわ。富山大は古いセットでやるしかない。アルゼンチンは少し日本建築史もかませよう。伊勢あたりから話すほうが面白い。伊勢と近代に直接的な因果関係などあるはずもないが、それでも磯さんが言うようにタウトがパルテノンと賞賛した建物の影響を近代人は無意識に受けていたはずである。

アガンベン

On August 8, 2009
by 卓 坂牛

珍しく娘より遅く目が覚めた?よく寝た。新聞を読むと、今年の東北地方は梅雨が明けない可能性が高いと書いてある。昨日いらっしゃった甲府のクライアントから桃をいただいたのだが、今年は暖かい日が少ないので甘くないとおしゃっていた。最近は聞かなくなったが、冷害はこういう年におこるのだろうか?
午後ジョルジュ・アガンベン岡田温司、多賀健太郎訳『開かれ-人間と動物』平凡社2004(2002)を読んだ。「開かれ」という題名の意図は開かれた学とういようなこと。「生」きること、は政治、哲学、医学、生物学、法学の交叉領域あるいは領域を超える領域において考察されなければならないという意図を示している。そして生にかかわるさまざまな領域の論考が一章一つずつ解説され全部で20示される。その真ん中の10章ではユクスキュルの『生物から見た世界』が取り上げられている。一昨年の卒業式で学長が例に挙げたので読んでみた。一言で言えば生き物には生き物の数だけ空間と時間があるという話だが、それって生物実存主義だなあと思った記憶がある。するとアガンベンもこう言う「それゆえ『存在と時間』の確信をなすテーゼ・・・を上記のような(ユクスキュルの提示した考え方)問題領域全体に対するひとつの回答として読み解く可能性をおそらく排除できないだろう」。ふむふむ。

小諸~上田~東京

On August 7, 2009
by 卓 坂牛

早朝大学の車で助教のHさんと小諸に向かう。7月までやってきた某建物の基本構想案の理事会説明。2時間くらい10名程度の皆様に説明。1時間で終わらせようと思っていたが、熱心な質問が相次ぎ結局終わると昼だった。ついでに、市長やら市議やら近隣やらへの説明をお願いされる。うーん契約内容にはそうしたアフターフォローはないしなあ。「それはクライアントのお仕事ですよ」とお伝えしたが、そこを何とかとお願い倒された。これだけの仕事を民間の会社がやったら今の受託研究費の5倍は請求するだろうなあとふと思う。大学はお得。という意味では仕事は作ろうと思へば結構あるのかもしれない。
上田まで送ってもらい釜飯を買ってアサマに駆け込む。車中メールをチェック。天津にいる日建名古屋のWさんからアルバイトの受け入れのメールをいただく。遠隔操作で名古屋の担当の方に受け入れ体制をとるように指示してくれている。彼の対応の早さ(設計も早く上手だったが)には本当に頭が下がる。イアホンでスペイン語を聞いているうちに深い眠りに落ちる。気がついたら大宮。寝不足だ。ぎりぎり事務所に戻り甲府のクライアントとの打ち合わせ。綱渡り状態。図面が1/200となったせいかなりじっくり見てくれた。細かな要望が口をつく。そう簡単に「これでいいと」いわないところはじれったいが信頼できる。多くの建物を作ってきた人は皆対応が慎重だし一本の線からかなり多くのことを読み取り、その可能性と危険性を同時に考える。長野県信の担当のNさんもそういう人だった。こういう人は現場になっても滅多なことは言わない。図面の段階で実物が見えているから。とは言うもののスケジュールを守る気があるかどうかを問う。9月末に基本設計を終わらせるなら明日にでも構造と設備を入れたいし。伸ばすならお尻も伸びる。「それでよろしいですか?」と問う。1週間待って欲しいというお答え。

時間の無駄

On August 7, 2009
by 卓 坂牛

朝、ロイアルホストでモーニングを食べながらイアホンでスペイン語を聞く。付け焼刃でこんなことしているが結構楽しい。9時に市役所に行きマイクロバスに乗って長野景観賞候補作品の現地審査を行う。今日の長野は今年一番の暑さと思われる。じりじりと照りつける太陽のもと、12の建物を3時ころまで見続けたのだが、見るべきものが殆どない。あああああ時間の無駄である。庁舎に戻り議論と投票で3作品を選ぶ。選ぶには選んだが、どうも気が抜ける。大学に戻り航空券の手配やら、海外出張書記入やら、休暇届やら、雑用をこなし、7時から八潮プロジェクトの打ち合わせを9時まで行う、それから前期の成績入力。量が多く神経を使う。そして大学院の課題への評と採点。僕の研究室の学生の点がいいのは当然だが、一番目を惹いたのは心理学系研究室の学生作品。まあいかにも心理学系的だが、実は建築の領域への心理学の進入は当たり前のようで実はそれほど行われていない。それらを終えてまた成績入力。事務所から図面が送られてきているのだが、見る時間がない。もう1時だし、明日も早いから今日は帰ろう。

八

On August 5, 2009
by 卓 坂牛

午前中の大学院入試は結局終わると1時45分。サンドイッチを食べて2時から10月卒業の卒論審査。3時から会議。4時から会議。5時ころ終わって昼に買ったドーナッツの残りを食べながら大学院の講義のレポートを見る。レポートといっても設計つきレポート。『言葉と建築』の概念を自分なりに拡張し、それを1000字のレポートにまとめ、それをコンセプトとして住宅を設計せよというもの。模型とA3のプレゼンシートを廊下に貼ってもらう。それらをじっくり見始めようとしたが7時から八潮の打ち合わせ。TXの周りをどう使うか。面白いテーマではある。9時ころ終わり、皆で食事。昨日、甥っ子が貸してくれた漫画古事記を読んでいたら日本では三種の神器である八咫鏡(やたのかがみ)を始めとして八は聖数として繰り返し用いられた。八は縁起がいい数である。八潮プロジェクトでは八にこだわり数字遊びをするのも面白いかもしれない。

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