Taku Sakaushi

Diary

ソウル

On March 23, 2008
by 卓 坂牛

昨日は謝恩会の後、研究室でまとまって2次会。恒例なのだが学生から先生はプレゼントをうける。恒例といってもどの研究室もそうなのかは定かではない。初年度は冷蔵庫、去年は空気清浄機、今年は最新のスキャナーを頂いた。スキャナーは自費で買おうと思っていたところだったから、本当に嬉しい。私からは卒業生、修了生へ一人づつお手紙を書いた。一昨日夜、プリントしたものである。4年生、m1はそのまま3次会だそうで僕は先に失礼。今朝は8時のアサマで東京、ちょっと丸善により、成田イクスプレスで成田、1時55分の大韓航空でソウル。初めての朝鮮半島である。ソウルは日本の真冬。最高気温は10度以下、最低気温は0度近い。天気は雨。金浦ではなく仁川国際空港というソウルから少し遠い遠宗島にある飛行場に着く。ソウル市内まではバスで1時間半。あまり予習もせずに、春休みの数日どこかに行こうと思い、やってきた。先日韓国雑誌bobにofda特集をしてもらった時にインタビューをされ、韓国建築をどう思うかと聞かれた。その時皆で顔を見合わせた。誰もこの国に来たことはないし、知識もない。それはまずいよな。日本から飛行機で2時間なのだから、隣国の建築もちょっとは知っておこうとやってきた。この丘の連なりは東京というよりは横浜。比較的高い高層マンションと低層の長屋のような建物が作る風景は上海のようでもある。
ホテルに着き昨日送ってもらったkプロジェクトのpdf図面と模型写真2案をダウンロードしてビジネスセンターでプリントアウト。なるほど。なかなか面白い。さて飯を食ってから考えよう。雨の中タクシーで宮廷料理とやらを食べに出かける。延々と出てくる料理の山。これは決してうまいものではない。しかし健康的である。食後メールを見たら3案目が到着。プリントアウトしよう。

欧米

On March 22, 2008
by 卓 坂牛

大学の近くに長野県民文化会館という建物がある。レンガタイル張りで屋根が背景の山を模してなだらかな斜面になっている。ファサードは三つの階段コアを構造にしガラスカーテンウォールで大スパン構造であるかのように見せた建物。日建の設計である。若き日の坂田さんの代表作だろう。その建物で卒業式が行なわれた。去年僕も学位記を頂くべく出席したのだが、あれからもう1年たったわけである。早いものである。午後は卒業証書、修士の修了証書の授与式を行なう。
夕刻謝恩会までの時間。珍しくぶらぶらする。昨日読み始めた『現代民主主義の病理』を読んでいてヨーロッパとアメリカを人くくりに「欧米」などと呼ぶことのナイーブさを知らされる。といってもその差はもちろん日本国外にいる時は身にしみるのだが、日本にいてボーっとしているとつい対日本文化圏として十派一からげに欧米などと片付けてしまうこともあるものだ。
また例えばインターナショナルという概念はヨーロッパではそもそもヨーロッパ列強が非ヨーロッパ世界に進出し、第3国を統治し管理する概念だった。それがアメリカ的な文化相対主義、世界的なデモクラシーの思想が出てくる時「世界的」という意味合いに変換されたのである。言葉の意味も欧発米での変遷ということも多々ある。うーん、そう要は、自分の専門分野の話の時は欧と米の差は明晰に分類されるのだが、そうじゃないところに話が移るとその差が急にぼけてくることを改めて気がつかされたということか。気をつけないと。

マスタープラン

On March 21, 2008
by 卓 坂牛

午前中会議、午後は教員の皆様にキャンパスマスタープラン工学部編を説明。農学部、繊維学部、松本と説明してきたが、最も出席者が多くて、最も質問が少なかった。同じ工学部の人間が作っているから信用されているのか?あまり興味がないのか?これでとにかく全ての説明を終えた。長い作業だった。これからまだ延々と続くアクションプランがあると思うと少々困惑である。
会議終了後、工務店としばらく電話。その後クライアントと電話、起こりかけそうな問題を消火。ほっと一息。その後4月頭の新学科発足にかかわる外部評価での意匠設計系の説明パワポをつくる。最近暇さえあれば何がしかのパワポ作りをしているような気がする。プレゼンが仕事といえども少々食傷気味である。少しk-projectoのことを考える。うまくいくだろうか?昨日の路線は?夕食後読書。建築美学は満腹の頭に少し負荷が大きい。佐伯啓思『現代民主主義の病理』日本放送出版教会1997を読む。民主主義の病理=民主主義建築の病理かもしれないと思いつつ。

建築美学

On March 21, 2008
by 卓 坂牛

長雨である。風も強い。午前中は講義のパワポ作り。事務所においてあるロースの作品集が必要だが、雨が強いので後回し。作るそばから少しづつ、内容の深みが見えてくる。午後事務所でkプロジェクトのスタディ。4人がかりで一つの住宅をスタディすると言うのも実に贅沢であるが、時間がないので集中してやらないと可能性が見えてこない。3時頃から始めて8時まで。とりあえず3案くらいの可能性に絞る。まだあるのだろうが。
帰宅、夕食、最終一本前のアサマに駆け込む。車中、上松先生の退官記念『建築美学』中央公論美術出版2008を読む。なるほど、これは前著『建築空間論』にかなり近いストーリーである。信念というものか?ただ建築美学の西欧及び日本における系譜やら、美学と建築のかかわりなどが講義形式で分かりやすく書かれている。数十年前の早稲田講師時代の講義を録音されていたらしく、それを起したものだそうである。建築美学の入門書としては類を見ないのではなかろうか。

アルツハイマー

On March 19, 2008
by 卓 坂牛

長野の行き帰りでアルツハイマーの本を読んでいた。これはれっきとした病気だとよく言われる。でもどういう病気か気にしたこともない。もちろん、そうなったらどうしようと思ったわけでもない。たまたま一昨日なんとなく丸善で手にとっただけである。原因は3つあるそうだ。一つは脳みそ内の細胞中で21番目の染色体にあるアミロイドというたんぱく質が溜まってシミができる。二つ目はやはり脳みそにある細胞中で17番目の染色体にあるタウというたんぱく質が溜まって神経線維が変化をおこす。三つ目は脳みその萎縮だそうだ。その対策としてこれらのたんぱく質を除去するワクチンが開発されているらしい。どうもそれはピーマンの葉っぱにあるということでねずみへの実験が行なわれたとか。
へー。すごい。こんなことまで分かっているのか。親の友人がアルツハイマーだと言う話を小さいころ聞いた。その頃はなんだか訳の分からない難病のように言われていたものである。科学者とはたいしたものである。特に人間のミクロな場を研究をする人たちには恐れ入る。

エスキス

On March 18, 2008
by 卓 坂牛

レニ・バッソの北村さん、というか信州大学の北村さんから公演来場の御礼メールを頂く。いつかお会いして直にいろいろとお話を聞いてみたいものである。しかし案の定シラバスを見ると北村先生の講義やら演習は見事に水曜日の午後に固められている。そうだろうなあ。水曜日は僕も午後製図である。接点がないなこれじゃ。hプロジェクト(新しい家)のエスキスして模型を作る。久しぶりに自分で模型を作るこの快感。夕方から4人がかりで配置のスタディ。ヴォリュームを手当たり次第切り出しておいてみる。途中おにぎり食べながら10時まで。可能性のある配置を考えていくと「大小の窓」のようになってきた。それもそのはず敷地条件が似ている。敷地面積が60坪、角地、一種住専、南北軸に縦長。コストや工期から考えて木造二階建てしかないのが形状にかなりの制限を与えているがそれは仕方ない。クライアントの要望で構造は金箱さんということだが、今日は電話をしてもつかまらなかった。明日またしてみよう。

事務所の今後

On March 17, 2008
by 卓 坂牛

午前中の会議が長引いた。午後はその会議で出た作業の資料作り。スチュワートさんからまたダンボール6箱の本が送られてきた。学生に開けてもらって書架へ並べる。ポストモダニズムの建築言語の原書があった。なかなかの貴重本だが手伝ってくれた学生が欲しがっていたのでプレゼントした。夕方のアサマで東京。丸善により20冊くらい手当たり次第面白そうな本を買って宅配。谷川先生の新しい本が金色の袋に入って売っていた。思わず微笑む。上松先生の『建築美学』なる本が中央公論美術出版から出ていた。先日鼎談した時に今退官までに本をまとめているといっていたがこのことだったのか。スラヴォイ・ジジェクの『ラカンはこう読め』。北田さんが朝日の書評にとりあげていた。とはいってもラカンはもう分からんとほっといたが、めくってみるとなかなか読めそうなので購入。事務所に戻り、パートナーと今後増える人員の席やらコンピューターやら決める。総務、経理、その他いろいろやってくれる人がいるといいなと思うが、こうやってパートナーで話て決めるのがアトリエのいいところか?どうも事務所は風邪のうつし合いで今日はふたりダウンしている。我が家も娘が一昨日ひどい熱だった。また流行っているのだろうか。

作法

On March 17, 2008
by 卓 坂牛

3月16日
午前中あちらこちらにメールを打ってから、新しい住宅の総事業費の予算の枠組みを作り契約書の案を作成し、スタッフにメール。この事業費の枠組み作りを間違えると後々自分の首を絞めることになる。最初にクライアントとしっかり予算の全体像を認識しておくことがプロジェクトの進行にとても大きな影響を持つ。
午後は講義のホームページ作りのために写真を選び、イントロの文章を8講義分一気に書く。飯もそこそこに書きまくったらさすがにへとへと。そのまま長野に行こうかと思ったが一風呂浴びてからでかけることにする。ゆっくり風呂で新聞を読む。車中身体論叢書の第二巻『コミュニケーションとしての身体』を読む。挨拶行動の分析を読んでいると昨日のダンスにおけるコンタクトインプロビゼーションが蘇る。また音声コミュニケーション論では、音声-応答と同時発声という二つのコミュニケーション形式が何故起こるかについて分析している。それによれば、その理由は文化の中にこうした二つの形式が身構えというカタチで埋め込まれているからだと説く。身構えとはつまり社会における所作の作法ということなのだろう。日本文化はこうした作法をストイックに洗練させてきたところがある。しかしそうした洗練は何時の時代でもそうだろうが重視している人もいれば疎んじている人もいる。僕はどちらかと言うと自分の身に降りかかれば後者であるが日本文化という広い意味で見ればどこかで継承されるべきだと思っている。まあこう言う考えは所作に限らず伝統といわれるもの全般に対してそうなのだが。

レニ・バッソ

On March 15, 2008
by 卓 坂牛

午前中に講義のパワポ作り。ジェンダーの話をもう少し深める。夕方新宿のパーク・タワーホールにレニ・バッソの舞台を見に行く。このダンスカンパニーの主宰者である北村明子さんは最近知ったのだが、信州大学の常勤講師。一体こんな世界中で舞台やっている人がどうして大学の常勤の先生やれるのだろうか?同じ大学なのだから聞いてみたいものである。その上、最近高校の同窓会名簿が送られてきたので見ていたら、そこに載っていた。本当にびっくりである。身近にこんな方がいるとは!!!公演後新しい住宅のクライアントの家を訪問。設計期間は3ヶ月ということでちょっと眩暈である。そんな経験は今までにはない。でもやってみるか。暇で悩むより、忙しくて悩む方がまだましだ。

久しぶりの雨

On March 14, 2008
by 卓 坂牛

朝現場、午後読まなければならないコピーに目を通して、夕刻人に会う。久しぶりの雨。しかもかなり強い。疲れがたまっているのか?早々に帰宅。ジョウ・シュン+フランチェスカ・タロッコ 松田和也訳『カラオケ化する世界』青土社2007を読んだ。グローバリズムは必ずしもアメリカナイゼーションではないという著者の意図はよく分かる。土井たか子は初期カラオケの名人だったとか。へー。一冊本を読んで調子をつけて大学の仕事をしようと思ったが、余り頭が冴えない。積んどいた本の中から松原弘典『中国で作る-松原弘典の建築』toto出版2007を読む。今中国で起こっている多くの戸惑いがこの本を読むとなるほどそういうことかと少し理解できる。中国で7年仕事をしている人でも日本のようにはとてもいかないしそれだからこそ面白いと考えているようである。

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