Taku Sakaushi

Diary

爆音

On March 27, 2009
by 卓 坂牛

帰宅して部屋の整理をしていると、爆音。この間の勅使河原の舞台の音のようだ。夜空にヘリコプターが爆音を響かせて旋回している。我が家は防衛庁のそばなので事件(だいたいは天災だが)が起こるとここから大型のヘリコプターが飛び立つ。管轄の大臣か副大臣が乗っている場合が多い。しかし今日はいつになっても飛び去らず、着陸もしない。と言うことはこのあたりで事件か?飛んでいるのは新聞社のヘリか?
スキー合宿に行っていた娘が帰宅。運動は全般的に嫌いなのにスキーだけはやれるようだ。そして書道の稽古に行っていたかみさんが帰宅。持って行った作品はどれも採択されずとしょげている。まあ仕方ない。最後は運。

バイオマス問題

On March 27, 2009
by 卓 坂牛

昼間は事務所。夕方学会の「木質バイオマス資源の有効活用」特別委員会に出席。環境設備系の委員会のようだが、意匠も構造もいる横断的取組である。発表内容は実に参考になる。と言いたいところだが、とても大きなバイオマスの把握を前提としているので、理解はできるがそれをリアルな設計の世界に反映しようと思うと、経済、法、流通の問題などにぶつかりそうである。またこうした方向性は現象を客観的にとらえれば演繹的に出るものでもないということがよくわかった。つまり着地点(結論)をあらかじめ設定しないことにはその筋道が作りづらいようである。逆に少し乱暴に言えば、どのようにも結論を持っていくことができるということだ。つまりあらかじめある種の倫理感が問われることになる。なかなか難しい問題である。

箱根

On March 26, 2009
by 卓 坂牛

箱根は朝から大雨。山が霞み寒い。このあたりは本当に山の中と言う感じがするが標高は450メートルに過ぎない。これに比べると一昨日訪れた小諸は市内でだいたい600メートルを超えている。やはり長野の町は高いし寒い。雨の中どこにいくでもなくぶらぶら。傘をさすのは億劫である。2~3軒骨董屋を巡ってカフェのようなところで昼をとる。女子大生が多い。平日の昼だから当然かもしれない。このあたりを散策しているのは外国の人か、引退した老夫婦か、おばさんか、女子大生である。巨大な工事現場がある。看板を見ると設計は観光企画、施工は鹿島、森ビルも絡んでいるようだ。200室のホテル。どうも仮設足場から推測されるヴォリュームはかなり風景に突出しそうで箱根ファンとしては気になるところ。午後のロマンスカーに乗る。箱根から小田原まではのろのろと山の中を走る。小田原からは突如東京郊外の平坦な風景で味もそっけもない。ロマンスカーも長野新幹線も1時間半くらいで山と東京を結ぶのだが、風景は長野新幹線の方が変化に富んで楽しい。長野を出て軽井沢までは山。トンネルを抜けると都会と山の中間の自然。そして高崎あたりから郊外である。夕方事務所。昨晩は面倒臭い問題がメールされ、ホテルから方々に夜も朝も電話していたが、その顛末を確認。月末までのコンペ案をチェック。

ond day trip

On March 24, 2009
by 卓 坂牛

大学は公休。娘は合宿。1日旅行。箱根吟遊へ。道路わきのエントランスが5階。崖っぷちに建つ旅館である。露天風呂からの眺めが絶景と聞いたが本当である。飯がうまいと言われたが絶品。かつて泊った宿のなかでもかなり良くできている方だ。
温泉に入り鷲田清一『「待つ」ということ』角川選書2006を読む。現代社会が「待つ」ことを忘れ、一歩先を予測しそれを前提として現在を効率的に割り出すその姿を示す。著者が労働について考える研究会で仕事のプロセスを英語で考えていると多くの言葉にproという接頭辞が付くことに気づいた。Project profit program production progress promotion などなど。proはご存知のとおり「前に」「先に」「あらかじめ」という意味を持つ。これは現代社会において仕事が背負った宿命であろう。
ところがproのつかない仕事をしている人たちもいる。西村佳哲『自分の仕事をつくる』ちくま文庫2009ではおよそproとは関係なさそうな仕事ぶりが紹介されている。残念ながら建築設計という行為はどうあがいてもproかもしれない。つまりは設計という先を見越した事前の計画があり次にそれを形にするという二つ目の工程があるからである。一方彫塑のように作りつつ考えるものがある。こうした形式が仕事の中で成立すればそれはanti-proの仕事となる。「ワイアード」という雑誌を作った小林弘人氏は雑誌における建築的な(pro的な)側面を徹底して排除することを考えたという。つまり企画という設計図をあらかじめ考え、その後で組み立て、つまりコンテンツ作りや、デザインを外注して合体すると言うような方法を拒否したのである。だからデザインもエディションもすべて内注。作るそばから考え、考えながら作るのである。たぶんそうしたやり方には待つという行為、予測できないものに期待するという時間が必然的に生じてくるものだ。それを無駄と言うかどうかは作り方のかなり大きな別れめなのである。

小諸

On March 24, 2009
by 卓 坂牛

昨晩はちょっと遅かったのだが、簡単な原稿メールを送らねばならず早朝研究室へ。10時に大学の車で他の先生2人と小諸の商工会議所へ。とある建築相談を受ける。町づくりの延長ということで市内の散策。2時間ほどかけて城下町の歴史保存修景地区を歩く。新幹線ができるまでは信越線の特急がとまる駅だったのが、新幹線開通し小諸を通らなくなり一気ににぎわいが減ったようだ。東急デパートや大型スーパーが撤退、nttは無人化。なんとも淋しい。懐古園があり藤村記念館などがあるのだが観光客は軽井沢で止まってしまう。さてここで何ができるだろうか?夜40年務められた大学の技術職員の定年退職お祝い会。

卒業式

On March 23, 2009
by 卓 坂牛

午前中卒業式、午後は学位授与式、夜は謝恩会。娘の卒業式も今日であり、もちろん長野にいる私はそれに出席はできないし、するつもりもないのだが、こちらの卒業式では親御さんも多く参列し数名の方とはご挨拶もした。時代は変わった。今年は4年生7人修士7人が卒業、修了。1月2月は胃も痛い状況だったがなんとか終わったというところ。ほっとした。

3つ目のダンス

On March 21, 2009
by 卓 坂牛

このところコンペや竣工物件やらで自宅の部屋が散らかり放題。朝からその整理に追われ、そして午後からの勉強会の下読み。午後A0勉強会。ヒューマニスト・ヴァリューという章なのだが、建築はラインとマスとスペースが重要な要素だと言う。今日はそのスペースの主張なのだが、これを読んでいるとヒューマニスト・ヴァリューというよりは19世紀末モダニズム一般の主張と変わらない気がする。勉強会終了後シアターコクーンに勅使河原三郎を見に行く。http://ofda.jp/column/今月3つのダンスを見たが、完成度と言う点では一番だったように感じた。ただ、3つのダンスはそれぞれ劇場も異なり席も違う。クラウドゲイトの時はオーチャードホールで2階のバルコニー席。ダンサーの動きの迫力は伝わらない。レニバッソの時は横浜の赤レンガ倉庫のホール前から4列目。これはかなり近い。ただレニバッソの踊りはメディアとの一体性が重要であり、肉体感はさほど重要ではないようにも思われる。一方今日はシアターコクーン。ホールの大きさはオーチャードより小さく、赤レンガより大きい。今日も前から4列目。勅使河原の苦痛にゆがむ表情まで鮮明に見えた。見えたものと見るべきものがジャストフィットしていたと思う。まあそれを差し引いても今日のダンスは見ごたえあり。

日建の建物

On March 21, 2009
by 卓 坂牛

今日は高校サッカー部対湘南高校定期戦の超ob戦に出る予定にしていた。しかし朝から雨。昼にあがってきたのだがこれだとグラウンドがかなり悪そうである。サッカーはやめにした。日建の新しい建物の内覧会がありそちらにいった。大手町の経団連ビルと日経新聞の2本の超高層である。両方とも70,000㎡程度だが階数は31階と23階。20メートルほど日経のほうが高い。2時から始まった内覧会だが2棟見るとゆうに3時間かかる。終わったら5時だった。随所に見られる日建っぽいディテールを見ると時間がワープしてその昔の思考方法や設計の気分を思い出す。それは多くお会いした旧友以上に懐かしい。次期経団連会長がどなたになるのか知らないが、その部屋も特別に見せてもらえた。天井高3.5メートルの眺めの良い部屋。特別に贅沢には見えないが心地よさそうである。
帰宅後読みかけの『60歳から家を建てる』を読む。老後の住まい方の例がいくつかあげられる。マンション暮らし、田舎暮らし、子供たちと同居、すなわち2世帯住宅もその一つ。著者はこの2世帯住宅を500件以上も設計したという。著者の設計歴は40年ちょっとだが、年に10件以上も設計している計算である。そういう人もいるんだ!!!夕食後、風呂で石田衣良『フォーティー40』講談社2006を読む。小説なんて読むのは久しぶり。人生の半分を過ぎた人間が様々に挫折して残りの半分をどう生きるかという話。今年50になる私としては10年前を顧みて、10年後を受け入れるための40と60。

5月の陽気

On March 20, 2009
by 卓 坂牛

午前中大学に行き書類作り。今日の長野は5月の陽気。桜が咲きそうなほど暖かい。午後は今年度最後の学科会議。会議後、非常勤講師の川上恵一先生から頂いた『住み継ぐ家の物語 設計職人の仕事とその家族たち』オフィスエム2009を眺める。民家保存再生の実作がきれいな写真で紹介されている。藤森さんとの対談が入っている。楽しそうな本である。夕刻のアサマで東京。丸善に寄る。天野彰『60歳から家を建てる』新潮選書2007という本に目がとまる。僕も65歳になったら自宅を建てたいという淡い希望(希望で終わりそうだが)を抱いているので同じようなことを考える人の気持ちがちょっと気になる。

竣工写真

On March 19, 2009
by 卓 坂牛

久しぶりに竣工写真撮影に立ち会った。今回はアングルや光の量にこだわりがあり、自分で指示したかった。こちらで先にデジカメでとってこんな感じとカメラマンの上田さんに見せ相談しながら決めていく。僕自身200枚以上撮った。8時から1時まで一気に撮り昼食後いつものことだが時間が空いたので渋谷で買い物。5時から再開で夕景撮影。終了後、某代理店の方と築地で飯を食う。上海万博がらみのコンセプトワークの相談である。がらみというのは相談対象自体は万博施設ではなく、それに合わせて発生する上海市内の開発だから。計画自体が世界中の建築家によって進行中でそれを束ねる軸となるコンセプトが不在とのこと。それを一緒に考えてほしいというのだが。なかなか良いと思ったのは、スクラップアンドビルトではなく、リノヴェーションであるというところ。それもかなり大規模なものである。川のあっち側は未来都市みたいに超高層が林立していて川のこっち側はぐっとレトロというのも上海ならではの都市風景かもしれない。

« Previous Page Next Page »

Archives

  • October 2024
  • September 2024
  • August 2024
  • July 2024
  • June 2024
  • May 2024
  • April 2024
  • March 2024
  • February 2024
  • January 2024
  • December 2023
  • November 2023
  • October 2023
  • September 2023
  • August 2023
  • July 2023
  • June 2023
  • May 2023
  • April 2023
  • March 2023
  • February 2023
  • January 2023
  • December 2022
  • November 2022
  • October 2022
  • September 2022
  • August 2022
  • July 2022
  • June 2022
  • May 2022
  • April 2022
  • March 2022
  • February 2022
  • January 2022
  • December 2021
  • November 2021
  • October 2021
  • September 2021
  • August 2021
  • July 2021
  • June 2021
  • May 2021
  • April 2021
  • March 2021
  • February 2021
  • January 2021
  • December 2020
  • November 2020
  • October 2020
  • September 2020
  • August 2020
  • July 2020
  • June 2020
  • May 2020
  • April 2020
  • March 2020
  • February 2020
  • January 2020
  • December 2019
  • November 2019
  • October 2019
  • September 2019
  • August 2019
  • July 2019
  • June 2019
  • May 2019
  • April 2019
  • March 2019
  • February 2019
  • January 2019
  • December 2018
  • November 2018
  • October 2018
  • September 2018
  • August 2018
  • July 2018
  • June 2018
  • May 2018
  • April 2018
  • March 2018
  • February 2018
  • January 2018
  • December 2017
  • November 2017
  • October 2017
  • September 2017
  • August 2017
  • July 2017
  • June 2017
  • May 2017
  • April 2017
  • March 2017
  • February 2017
  • January 2017
  • December 2016
  • November 2016
  • October 2016
  • September 2016
  • August 2016
  • July 2016
  • June 2016
  • May 2016
  • April 2016
  • March 2016
  • February 2016
  • January 2016
  • December 2015
  • November 2015
  • October 2015
  • September 2015
  • August 2015
  • July 2015
  • June 2015
  • May 2015
  • April 2015
  • March 2015
  • February 2015
  • January 2015
  • December 2014
  • November 2014
  • October 2014
  • September 2014
  • August 2014
  • July 2014
  • June 2014
  • May 2014
  • April 2014
  • March 2014
  • February 2014
  • January 2014
  • December 2013
  • November 2013
  • October 2013
  • September 2013
  • August 2013
  • July 2013
  • June 2013
  • May 2013
  • April 2013
  • March 2013
  • February 2013
  • January 2013
  • December 2012
  • November 2012
  • October 2012
  • September 2012
  • August 2012
  • July 2012
  • June 2012
  • May 2012
  • April 2012
  • March 2012
  • February 2012
  • January 2012
  • December 2011
  • November 2011
  • October 2011
  • September 2011
  • August 2011
  • July 2011
  • June 2011
  • May 2011
  • April 2011
  • March 2011
  • February 2011
  • January 2011
  • December 2010
  • November 2010
  • October 2010
  • September 2010
  • August 2010
  • July 2010
  • June 2010
  • May 2010
  • April 2010
  • March 2010
  • February 2010
  • January 2010
  • December 2009
  • November 2009
  • October 2009
  • September 2009
  • August 2009
  • July 2009
  • June 2009
  • May 2009
  • April 2009
  • March 2009
  • February 2009
  • January 2009
  • December 2008
  • November 2008
  • October 2008
  • September 2008
  • August 2008
  • July 2008
  • June 2008
  • May 2008
  • April 2008
  • March 2008
  • February 2008
  • January 2008
  • December 2007
  • November 2007
  • October 2007
  • September 2007
  • August 2007
  • July 2007
  • June 2007
  • May 2007
  • April 2007
  • March 2007
  • February 2007
  • January 2007
  • December 2006
  • November 2006
  • October 2006
  • September 2006
  • August 2006
  • July 2006
  • June 2006
  • May 2006
  • April 2006
  • March 2006
  • February 2006
  • January 2006
  • December 2005
  • November 2005
  • October 2005
  • Home
  • About
    • Profile
    • Team
  • Works
  • Blog
    • Text
    • Column
  • Contact
  • University
    • Lab
    • Lecture
  • O.F.D.A Home
  • #

© Copyright 2016 O.F.D.A.