Taku Sakaushi

Diary

黄砂舞う

On March 18, 2009
by 卓 坂牛

研究室にノート(パソコン)をおいてきてしまって、朝一でメールをチェックしに事務所へ。そこから丸の内線東横線を乗り継ぎ馬車道へ向かう。東横線の高架からは多摩川、川崎の広い空が見渡せるが一面黄色くぼやけている。黄砂である。これを見て恐怖におののく人も多いのだろう。新しくなった「みかんぐみ」オフィスへ。実に広くて明るい。大事務所である。八潮先生チームと学生と市役所の方を交え来年度の作業方針を議論。住宅の設計を前提においている活動だけに、議論は白熱。いかにしてそれを実現するのか?単なるペーパーコンサルと違い、その方法も新たに開発していかなければならない。会議を中座しk-projectの施主検査に向かう。2時からたっぷり2時間。最後につき物の追加工事のお金についても概ね両者了解。ほっとする。
夜自宅で絓 秀実『吉本隆明の時代』作品社2008を読む。こういう人:一番すごい時代が自分の小学生時代かもうちょっと前でなおかつ今も影響力があるような人というのはいろいろ読んでも実感には至らない。けれど、それでもいつもちょっと気になり何かあるとつい食指がのびてしまう。

無駄

On March 17, 2009
by 卓 坂牛

昼のアサマで大学へ。午後の会議は案件が山積み。その上選挙などで終わったら夜。最終バスに飛び乗る。週間誌を眺めていたら椎名誠が書店のブックカバーは無駄だと書いていた。いつもカバーは頼む方なのでそう言われればとふと読んでしまう。彼の言い分はブックカバー自体が紙の無駄。こんなことをしている国は日本くらいだと。そしてさらに表紙というものは著者も装丁者も相当なエネルギーをかける部分でありそれを隠すのはそうしたエネルギーを無視することになるというもの。なるほど分からないではない。なんていうコラムを読んだあとに読みかけの『無駄学』を読むとさてこれは無駄なのかということになる。著者の定義では無駄とはその言葉の使われる対象においての目的と想定時間の中で、想定されるインプットとアウトプットの差が生み出す益が実際どうなのかによって判断されるという。つまり想定と実際の差がマイナスなら無駄という判定である。つまりブックカバーで言えば、カバーすることであがる売り上げ+がやめることでどう変化するかということである。
ふーん本屋というものはそういうことを考えているのだろうか?よく分からないけれどスーパーの袋をやめようという時代だからブックカバーをやめようと言えばレジはすくし、コストも下がり皆共感するようにも思うのだが。

オープンハウス

On March 16, 2009
by 卓 坂牛

今日はk-projectのオープンハウスでした。朝から多くの方に来ていただきました。天気もよく昨日より温かく主催する側としてはほっとしました。来て下さる方にとっても気持ちが良い散歩日和だったのではないでしょうか。いずれにしてもたくさんの方に見ていただきありがとうございました。ご感想などお寄せいただければ幸いです。来訪者を案内しながら自らできている建築を反芻するといつもはいろいろな発見があるものですが、今回はそれが比較的少ないようです。それはあいまいなところが少なく全体が明快な図式の上にあるからなのだろうと思いました。それがいいことなのか悪いことなのか分からないのですが。

まだ寒い

On March 14, 2009
by 卓 坂牛

昼から晴れるという天気予報だったが夕方までぐずついていた。かなり寒い一日。なので今日は家を出ずにじっとしていた。読みかけの『上海物語』を読み。西成活裕『無駄学』新潮社2008を読む。風呂に入り新聞を全部読み、夕刻家族でトンカツを食べた。

建築の脱制度化は可能?

On March 13, 2009
by 卓 坂牛

『建築ノート』に掲載される公開読書会の連絡を槻橋氏からいただいた。場所は伊東豊雄さんの新作「座・高円寺」。建物を案内していただけるのと、読書会(これは6人の方が6冊の本を読んできてその内容を紹介しディスカッションるというもの)出席者の一人に知人がおり行ってみることにした。鉄板捨て型枠RC構造の曲面の外観が中央線沿線のごみごみごちゃごちゃの中央線高架脇に現れた。色は濃いこげ茶。昔見た文芸春秋(竹中)の外壁を思い出す。その色も材質もなんだかこの高円寺には似つかわしい。内部のコンクリートは珪藻土で仕上げられ赤茶で色づけられている。そして圧巻は直径20センチくらいの丸い窓。ランダムに壁、屋根、手すりとあたりかまわ穿たれて光っている。松本芸文のソラマメのような窓が思い浮かぶ。円くなっているのは高円寺だからか?3つの劇場のうち一つを見せてもらう。縦横高さが同じスケールのキューブである。劇のやり方に沿って自由に内部の形式が変わるようにできている。これはコンペ後早いうちから運営側の芸術監督が決まったからできたことだそうだ。
続いてラウンドリーディング。3時間くらいで演劇、劇場の主要な文献の内容を鋭く深く紹介してもらい勉強になった。中世、劇場は場所とのつながりが深かった。アジールな場に多く生まれたというような意味において。逆に言えば建物という物理的な殻との関連は薄かった。近世、演じられるものの形式と建築があるつながりを持つようになった。歌舞伎でありオペラというような形式が確立され、それに適合した空間が確立する。そして近代、観る者と観られるモノの制度化が進行する。ステージあるいはプロセニアムによって両者が明確に分離されることとなる。これは演劇に限らず、音を標本化したコンサートホール、美の美術館、知の博物館、などにおいて発生した。それに対して現在の我々はそうした標本を再度身近な状況の中に置き直そうとしている。それらは場所とのつながりや身体を契機としてとらえなおされるべきものになってきている。そうなるとおよそ制度の産物である建築に一体何ができるのだろうか、制度から外れようとする、音や美や劇と言うものに対して、建築という制度には何ができるのだろうか?建築を制度から引きずりおろす手段とは何なのだろうか?そんなことを考えさせられた。

nikken quaterly

On March 13, 2009
by 卓 坂牛

今日は大学の後期日程試験。今年度は理工系の志願者がぐーんと減った。信州大学も例外ではない。先日の先輩の話では今年度GDPが初めてマイナスとなったが来年末くらいからプラスに転じるとのこと。ということはそれが建設の実態に反映されるのは2年後そして志願者に反映されるのは3年後と言うことだろうか?試験後研究室で雑用。夕方のバスで東京へ。車中丸山昇『上海物語』講談社2004を読む。今頃読むのは遅い気もするが、モノを見てから読むと実感があっていいとも言える
帰宅するとnikken sekkei quaterlyという名の日建の広報誌が届いていた。20ページほどの小冊子だが読みごたえがある。今回の特集は宮内庁正倉院事務所。設計は同期の大谷弘明。日建をしょって立つ建築家である。少ない写真ですべては分からないが、格子梁のようなPC版大屋根を鉄骨柱で支えている。たかだか600坪の建物に設計に2年施工に4年かかったと言うから驚きだ。時間をかけながら設計図をさらに良くすることを考えたと言う。設計図は楽譜であり施工者と一体となってどう演奏するかが重要だとも言う。まったくそのとおりである。

世界は一つ?

On March 12, 2009
by 卓 坂牛

このところ温かい日と寒い日の温度差が5度くらいあろうか。今日はひどく寒い。三寒四温である。こんな日に長野に向かうのは勇気がいる。寒くならないうちになるべく早く出たいのだが、なんやかんやと事務所の雑用に追われ結局乗れた電車は9時過ぎ。車中『鄧小平』の残りを読む。毛沢東とともに中華人民共和国建国の立役者であったのも束の間。毛沢東と対立し地方で労働者として教育される。そして3年後毛沢東に反省の書簡をしたため、それが認められ再登用。しかしそれも束の間、文化大革命で再び失脚。その後また復活。再度天安門事件で影の指導者と疑われ軟禁。毛沢東死後中央政権に戻り毛沢東派の華国鋒としのぎを削り勝利。不撓不屈の人生である。もちろん中華人民共和国の基礎は毛沢東原理の上に築かれているとしても現在の資本主義的社会主義路線を敷いたのは現実主義の鄧小平であろう。資本主義国がこの金融危機で社会主義化していると言われているが、残る社会主義国はますます資本主義化していくのかもしれない。そうなると世界の国の体制はある共通な枠の中におさまるような気にもなる。昨日の話が思い出される。

サッカーと金融

On March 11, 2009
by 卓 坂牛

「サッカーと金融を語る」という会に誘いを受け行ってみた。演者はクラブの先輩で某銀行の頭取。年齢はちょうど僕の一まわり上。タイトルが不思議だが、サッカーに必要な技とメンタリティが金融を扱う上でも重要だということだった。多少無理やりと言う感もないではないが、、。この人の話によれば僕らの高校が日本サッカー創始の場所。だから当時は(と言っても我々と12年しか違わないのだが)都内でサッカーやっているところも少なく東京都優勝は当たり前。その上全国大会でも4位だったとか。素晴らしい。話が金融に転じ、今回の問題がかつての金融危機と異なる点としてグローバリぜーションを指摘していた。つまり今回の危機は世界が一つの国であるかのごとく発生し連動しているというのである。そこで、この危機を乗り切りるためには世界が一つのチームであり、各国が1チームのプレーヤーであるかのごとくふるまうことが必要だと説くのである。なるほど。
さてこの講演会は我々の高校obが毎月行っているとか。すでに884回めというから7~80年続いているようだ。こりゃ驚き。誰が企画運営しているのか知らないがその持続力に頭が下がる。加えて演じる人が尽きないというのも凄いものだ。しかも今日の出席者は100名近いのだが、年齢的には僕は下から5番目。年をとっても皆元気なのには驚かされる。

k-projectそろそろ竣工

On March 9, 2009
by 卓 坂牛

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プロポーションの違う場所
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トップライトから落ちる光FRPの床
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FRPの床らから落ちる光
昨日撮ってきた現場の写真を整理。そしてまたここでやっていることの自分なりの考え方の整理。15日(日)10時から6時までオープンハウスを予定しておりますのでご覧になりたい方は一報ください(sakaushi@ofda.jp)。案内をお送りします。

レニ・バッソ

On March 8, 2009
by 卓 坂牛

elephannto%20rose.jpg
なんだかパッとしない天気である。降りそうで降らない。横浜にダンスを見に行く途中、K-projectの現場に立ち寄る。明日役所検査だがまあなんとかなりそうである。よかった。因みに15日(日)オープンハウスの予定。現場をあとにして横浜レンガ倉庫へ。レニバッソによるエレファントローズを見る。去年の10月公演の時は前日友人が10人以上我が家になだれ込み、泊まった一人と次の日のんびりと飯を食っていたら公演のことをすっかり忘れた。チケットは持っていたのに。その前に見た時はインプロビゼーションを方法的に確立していたが、今日の演目はそうした規則性は感じられない。しかし運動の相互関連性や、映像、音楽との合体であることは前回同様である。そしてその動きは先日見たクラウド・ゲイトの「緩」に対し、より「急」でありスピードによる緊張が感じられた。僕はどちらかというと後者が好みである。研究室の学生と会う。2人はレニバッソの主宰者北村明子(彼女は信大の准教授でもある)の講義をとっていた。僕の研究室の学生には北村さんの講義をとるように勧めているのだが人文は松本でちょっと遠い。しかし都会じゃ1時間かけて大学に通うなんていうのはざら。世界的なダンサーの講義を15回ただで聞けるなんて魅力的だと思うのだが。学生と中華街でビール。東京建築コレクションで研究室の神山君が古谷賞、木村賞を取ったと言う速報に盛り上がる。

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