Taku Sakaushi

Diary

シージェイ・リムのドローイング

On December 8, 2008
by 卓 坂牛

今日は事務所到着一番。まだ日直も来ていない。僕の家が事務所に一番近いのだから、まあ当然かも。僕の次にスタッフのT君、そしてYさん。坂牛チームがやってきたので、さっさと打ち合わせをする。九州プロジェクトはコストの方向性がはっきりしないのだが、コストコントロールをしない契約なのでそのあたりは現地にお任せ。こちらは残りの図面づくり。午後は来年の早稲田の書類やら信大の事務書類やら作成。夜、南洋堂にシージェイ・リムの展覧会オープニングに出かける。今村君が企画した展覧会。シージェイは日本初の個展だが、この時期に同時に3つの会場で彼の作品が展示されているとのこと。とても温和な誠実な感じの人でありゆっくり話したかったが、人も多く先に失礼した。南洋堂にはドローイングだけしかないがこれが実にうまい。繊細な手書きのドローイングに紙の切り抜きと厳選されたレタリング。余白が多いが計算された美しさである。CGがあまりに無計画に多用される昨今、こういうドローイングは清々しい。特に無意味にただ大きいだけの模型写真と余っちゃった余白しか作れない学生は見習ってほしいのだが。南洋堂に行く前に三省堂に寄って本をぺらぺら。もう政治本は買わないつもりだったが、タイトルに誘われて『自由と民主主義をもうやめる』幻冬社2008を買って読む。著者は京大保守派の佐伯啓思。保守ではない私だが、保守とそうでないものとの差が混乱する中、本当の保守とは何なのか?自称保守の彼の意見も拝聴しよう。

原美術館に嫌われた

On December 7, 2008
by 卓 坂牛

先々週見逃してしまった米田知子の写真展を原美術館に見に行こうと昨晩決めた。今朝起きたら、森美術館でインドの現代アーとやっているのを思い出した。その上朝食をとりながらテレビをつけると日曜美術館でワイエスを紹介していた。僕の最も好きなアーティストの一人である。さて困った。どれを見るか?米田は外せない。森美術館は近い。森に行って原に行くことにする。チャローインディアを見て大江戸線で大門に出てjrで品川。タクシーで原美術館。いやな予感。門が閉まっているではないか。昔もこういうことがあった。どうもここに来るときは会期をきちんと見ない癖がある。米田知子は先週で終わっており、今日は準備期間で閉館であった。ショック。仕方なく五反田に出てjrに乗る。渋谷で降りてワイエスを見ようか迷ったが新宿経由で帰宅。午後インド展のカタログを読み、ネットに感想など記しながら、テレビで早明ラグビーを観戦。嘘みたい。リーグ戦2位の早稲田が6位の明治に負けちゃった。先週は東海が明学に勝つし、番狂わせの連続である。
最近政治本を読み続けていた。大澤真幸の『自由の条件』を読んだあたりからもう少し突っ込んで状況を確認したいと思ったからだろう。それでアメリカの保守化、右傾化、日本の左右などを読んでみて一段落である。今日は高橋悠治のアンソロジー『きっかけの音楽』2008を読む。武満もそうだが正直言って音楽家の文章は建築家のそれ同様分かりづらい。グールド批判などは分かりやすいのだが抽象論になるとちょっとつらい。

初冬

On December 7, 2008
by 卓 坂牛

12月6日
午前中代々木公園に所用で行く。終わってから公園を散歩する。昨日の雨も上がり、初冬の公園は清々しい。ベンチに座って本を読んでいるとその昔UCLAの木陰の芝で寝転がって読書した感覚がよみがえり懐かしくなる。疲れて近くのカフェで続きを読みながら昼をとる。仲正昌樹編の『現代思想入門』php2007をつまみ食い。現代の思想史の中で一体リベラリズムがどう位置づくのかを見ておきたかった。その部分を書いているのは北田氏。ロールズ、ノージック、ポパー、ローティーの位置づけや、リベラル、リバタリアン、新保守、権威主義の差を生み出す基軸も明瞭になる。門外漢には入門書も便利である。帰宅して若宮啓文『闘う社説』講談社2008を読む。朝日の論説主幹であった著者の2002年から2008年3月までの社説づくりの闘いが語られている。戦いと言うのはもちろん様々な意味で使われているが、右よりの読売、産経社説との応酬の意味が強いようだ。ナベツネ(つまり読売)が靖国参拝について手のひらを返したように反対の意を表し著者と対談し『論座』に掲載されたなんていうことがあったのには驚いた。やはり新聞も世論には勝てないということか。夕方風呂に入りながら小坂修平『思想としての全共闘世代』ちくま新書2006を読む。昨日呼んだ『I LOVE過激派』に通ずる60年安保から70年代にかけての闘争史である。この本、既視感ならぬ既読感があると思って本棚を探ると同じ本が出てきた。2年前に読んでいた。

I LOVE 過激派

On December 5, 2008
by 卓 坂牛

10時前に長野駅に着いたら結構な雨である。傘をさそうとして事務所から留守電が入っているのに気づく。この雨だと自転車に乗りながら電話をするわけにもいかない。仕方なく駅構内で電話。内容が込み入っていてなかなか切ることもできないし、講義の時刻も迫ってくるし慌てた。
午前中講義、午後製図。後期後半課題の最初のエスキス。学生はテーマシート(コンセプトをポスターのように描いたもの)を作成してきているのだが、これがひどい。何だこれ?ヤル気あるのか?一気にエスキスの気力を失う。
製図後に飯食って雑用を片付け7時半のアサマに乗った。すると本庄早稲田あたりで「何か」が起ったらしく、軽井沢で電車が動かなくなった。止まること2時間半。その間、早見慶子『I LOVE過激派』彩流社2008を読む。この本は何かの書評に載っているのを見てamazonに注文したもの。著者は1958年生まれだから僕の一つ上。理科大の薬学科在学中から活動を始め共産主義同盟の戦旗派の中で活動していった人である。過激派と呼ばれる組織の中でのオルグ、山岳訓練、そしてアジトでの洗濯、睡眠、そして恋愛まで。普通の一人の人間像が見えてくる。ほとんど同い年の活動家の生活や信条には素直に共感する部分もあるのだが、理解を超える部分も多々ある。しかし、同じ時代に起きた事件の裏側が透けて見えるようでありとても興味深かった。日本の新左翼のこうした活動は昨今社会学者(北田や大澤)が分析し始めている。しかし僕には抽象化された彼らの言葉は実感としては伝わりにくい。それは、僕が社会学のセンスを持ち合わせていないか?あるいは無意識のうちに新左翼の活動に肩入れしているからか?よくわからないが。

年末雑務に追われ

On December 4, 2008
by 卓 坂牛

今日は自宅勤務である。事務所の年末調整とか、年末のアルバムとか、いろいろ登場する書類の整理に追われる。その間事務所からくるメールを見ながら、(目と鼻の先なんだから事務所まで行ってもいいのだが)、電話とメールでやりとり。K-PROJECTの界壁遮音性に悩まされる。透過損失55DB(マンションの界壁程度)程度欲しいのだが現状とれていない。明日までにそれを可能とする最も安い改善措置をクライアントに提示しないといけない。しかしネットは便利だなあ。欲しいデーターは30分もあれば手に入る。細かいところは明日スタッフに調べてもらえばなんとかなりそうである。夜は飯山雅史『アメリカの宗教右派』中公新書クラレ2008の続きを読む。アメリカは自由奔放の国である故自由奔放であることを守るのが右であり保守。それに対して国の関与を増やして富の再配分を行うのがリベラルであり左。ここを間違えるといろいろなことが逆になる。

トップライト

On December 3, 2008
by 卓 坂牛

朝一でk-projectの施主定例。現場は毎日凄い職人数である。今日は大工3人、板金屋1人、ガラス屋4人、それから知らない職人数名。クライアントは1月から転勤だそうだ。ある大きな支所の支所長となるとのこと。家を建てると男は病気をするか転勤になるとよく聞く。僕のクライアントにもよくおこる。連窓の家#1では竣工とともに転職。連窓の家#2では竣工と同時に転勤。そして今回である。しかしいずれも栄転なのでめでたい。せっかく作った家が当分お預けとなるのは可哀そうではあるが。今日はガラス屋4人がかりでトップライトのガラスを屋根に引き上げていた。でかいだけに一枚あげるのに1時間近くかかる。はまった場所を下から眺める。ああトップライトはいい。ガラス越しに見る空は大好きである。そしてこの空が内部化されると思うとなかなかこれはいい部屋になりそうである。空と段差と家具の低さ。この取り合わせは今までの僕の設計にはない動きを感じる。
午後事務所に戻る。昔のクライアントが来所。施工した工務店が倒産となり今後のメンテナンス方法などの相談である。昨今この手の話はいろいろ聞くが、困ったものである。こういう場合の対応はケースバイケースでしかない。倒産と言ったってさまざまである。

電話

On December 2, 2008
by 卓 坂牛

電話、電話、朝から方々へ電話。電話嫌いの僕でも電話しなければならないこともある。電話嫌いといってもメールより好きである。メールは電話以上に誤解を多く生むのでむずかしい。相手への暴力ということを差し引けば電話の方がメールより効率的なコミュニケーション手段である。瞬時に言いたいことの核心へ迫れる。メールが有効なのは一回に多数へ情報を送る時と、一回に多量の情報を送る時だけだ。
その昔親父が毎朝電話をしまくっていたのを思い出す。少なくとも2時間はしていただろうか、相手の人数は分からない。しかも自宅の2階の自分の部屋の窓を全開にして近所に対して演説するかのごとくであった。これはなんとも恥ずかしかった。
午後事務所でパートナーたちとレイアウト変更について延々議論。下階にもうひとつ机をいれるかどうかでああでもないこうでもない。下の階の席をひとつ増やして模型コーナーを元に戻すことに異論はないのだが、それをいかに簡単に行うかで焦点が定まらない。しかし結局最初の案に戻る。3日がかりで、レイアウト変更と大掃除を行う方針決定。その後九州プロジェクト、k-project打ち合わせ。夕刻、読みかけ本に加えもうひとつアメリカ右傾化の本、飯山雅史『アメリカの宗教右派』中公新書クラレ2008を読む。アメリカ人口の4分の1、約7000万は福音派に属し彼らのほとんどは神が現在の地球上の姿を作ったと信じている。では残りの4分の3はダーウィンの進化論を信じているかと言えば、さにあらず。そうしたアメリカ人は国民の4分の1に過ぎない。

住みにくい世界

On December 1, 2008
by 卓 坂牛

午前中学科会議。修士実務年数の話その他もろもろろ3時間くらいかかる。なかなか重い話である。午後学部生の卒業論文ゼミ。今日は梗概も書かせたが読まないことにした。どうせただ書いただけだろうと感じたから。失礼な邪推かもしれないが、毎年最初の梗概は読めたものではない。きちんと考えたのか?推敲したのか?20回読んでからもう一回持ってこいということで今日は返した。ゼミが夕方終わり学科長が部屋にやってきてまたまた重い話をされた。何の権利があってそんなことを言うの???と言いたくなったが、まあもしこれが民間企業なら普通だなあと思い承諾。でも一体僕はどちらの感覚を持って大学で生きていけばよいのだろうか?行政法人国立大学というのは民間なのか公共なのか?よくわからなくなる。
帰りの電車で読みかけの『アメリカは、キリスト教原理主義・新保守主義にいかに乗っ取られたのか?』を読み続ける。それにしても題名の長い本である。最近の流行りだそうだが。この本を読んでいるとレーガン以来のアメリカの着実な右傾化が伝わるのだが(民主党政権の時でもそうだという)オバマになると少し変わるのだろうか?なんだか確かに世界はアメリカの右傾化のおかげで住みにくくなったような気がする。また熱が出てきた。気分が悪い。

線の数

On November 30, 2008
by 卓 坂牛

ひっきりなしに下着を替えつつ水を飲み、そして熱が徐々に下がる。それでも頭がぼーっとしており、これは初めて大学を風邪で休むか??と思い関係する先生に電話をしようと覚悟を決める。しかし覚悟は決めつつボーっとしながらテレビでラグビー観戦していたらどういうわけか少し気分がよくなってきた。あの無敵関東学院も弱くなったものだ。東海大に負けちゃった。
行くなら明るいうちに家を出なければ。アサマの車中藤森さんの『建築史的モンダイ』でまたまた素敵な発見。あのタウトが称賛した桂をコルビュジエは評価しなかったそうだ、その理由がふるっている。「線が多すぎる」だそうだ。これは期せずして僕が去年から学生とやっている町並み装飾度調査の調査指標である。のっぺりしたモダニズム建築に対して、昨今のっぺしりないざらざらした建築が多くそのざらざら度を調べる指標は何かと考え行き着いた調査項目の一つが線分の数なのである。しかしそうした指標設定がはたして的を射ているのかというのはなかなか確信が持てなかったのだが、あのコルビュジエが桂をそう批判したというのならこれは線分の数=ざらざら度と考えて間違いない。

風邪悪化

On November 30, 2008
by 卓 坂牛

11月29日
明け方ひどい下痢に襲われて5回もトイレ。これは何か悪いものを食べたに違いない。吐き気もあったがそちらはなんとか食い止める。起きてすぐに荒木町の内科に行く。「悪いもの食べたんですかねえ」と聞くと、ちょっとした検査をして、「いやあ違う」という答え。まあ風邪なのだろうが、ちょっとひどい。
「点滴していってください」と言われ小一時間眠る。少し回復し、午後からA0勉強会。意識が朦朧となりながらアルファベットを追いかける。体調が悪化しているのを感じる。皆に風邪をうつしてないか心配。夕方、帰宅。おかゆを食べてベッドへ。凄い汗とともに発熱。39度を突破して40度に迫る勢い。これインフルエンザじゃないの?と思ったが、少しづつ熱は下がる。が8度前半で止まる。

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