Taku Sakaushi

Diary

オフィス

On November 28, 2008
by 卓 坂牛

早朝大学に向かう自転車をこいでいると携帯に電話。無理な体勢でとろうとしたら転びそうになった。大学について積もった雑用を片付け2コマ目の講義。昼食をとって製図に行こうとしたら電話がかかってくる今日は電話に呪われている。製図は後半課題のオフィスビルである。敷地は自分の設計した長野県信の前。敷地に学生を連れていくと県信の職員の方が出てこられて少し歓談。こうして長い間設計者とクライアントのいい関係が保ているのはありがたいことである。
藤森照信『建築史的モンダイ』ちくま新書2008を読む。何事も具体的に、抽象論を極力排除する。ゲニウスロキ批判は傑作だ。大事なのは理屈ではなく、モノ。建物と地面のつながりこそが地霊なのだとか。どこかでくしゃみをしてそうな建築史家の顔が頭に浮かぶ。なぜか文体が東海林さだおに似てきたような?
スーザン・ジョージ著 森田成也、大矢貞晴、中村好孝訳『アメリカはキリスト原理主義・新保守主義にいかに乗っ取られたのか?』作品社2008を読む。先日朝日の書評にアメリカ右傾化の本2冊が載っており思わず注文。『サブカル日本、、、』『歴史の始まり』などを読むとどうしてもアメリカの右傾化の内実を知りたくなる。

Done is beatiful

On November 27, 2008
by 卓 坂牛

8時台のアサマで研究室へ。長野はかなり寒い。修士のゼミだが、残すところあと2か月である。と言っても毎日の地道な努力でしか進まないのだから60日を無駄にしないで終わらせて欲しいものである。毎年この時期になると思いだす言葉がある。Uclaのスタジオで頻繁に聞かれた学生の言葉「Done is beautiful」。まだちょっと早いのだが。
夕食後は読みかけの『歴史のはじまり』大澤真幸、北田暁大の対談を読む。この対談は二人の著作にある程度精通していないと理解できない。特に社会学の門外漢には厳しい。僕は二人のファンで大半の著作には目を通しているつもりだが、いい加減に読んでいるからか?忘れっぽいからか?重要概念がわからない。「アイロニカルな没入」とか「ロマン主義的シニシズム」など、、、ネットで調べなんとなく思い出す。社会学者は命名の達人と感心しながら読み進む。

k-projectのスケール

On November 26, 2008
by 卓 坂牛

午前中k-project現場。工務店との打ち合わせはスタッフに任せる。建て方が終わり構造用合板が張られた建物の内部をうろうろする。この段階になると建物のおおよそのスケールが分かる。今回の建物の特徴は1階では2メートルと2メートル70センチの二つの天井高の差。2階ではその逆で70センチの床の段差。この天井と床の形の変化が完成してどう感じられるのか?設計段階ではこの寸法にはかなりデリケートになった。これほどまでに「もののサイズ、スケール」に頓着したのも初めてである。圧迫と解放、低所と高所が何を生み出すだろうか??と考えながら、和室となるところでは荒床に座る。食堂となるところでは椅子の高さに板を載せて座ってみる。さらに建物内を彷徨いながら仕上がりを想像する。だが、まだ想像は完成形には至らない。いけているのかどうかは分からない。午後事務所に戻り事務的な書類整理と名刺整理。

慰労

On November 26, 2008
by 卓 坂牛

11月25日
午前中事務所で打ち合わせ。午後リーテムに打ち合わせに行く。竣工まで残り2か月程度。日本なら仕上げに入るべき時期なのだが、まだそこまで至っていない。しかしスタッフも4000㎡を見て回り、不足な図面を描き、金をチェックし、スケジュールのコントロールまであやふやな通訳を介して行うのには限界がある。そもそも時間と金の管理は日本人が行うには限界があるから中国のプロジェクトマネージメント会社を雇ったのである。僕らは契約上はその補助を行う位置づけなのだが、どうにもこうにもこのpmチームが無能であるがために副であるはずの僕らが主の立場を引き受けざるを得ないというのがつらいところである。夜、スタッフと荒木町にジンギスカンを食べに行く。皆少し疲れがたまっているので労をねぎらう。2軒目はジンギスカンのそばにあるソウルバーへ。80年代ブラックミュージック(つまりはディスコサウンドである)が気持ちいい。

八潮ワークショップ

On November 25, 2008
by 卓 坂牛

11月24日
今日は八潮市でやっていたワークショップの最後の市民プレゼン。場所は市内で一番大きな大ホールである。このワークショップ、正式には「八潮街づくり100年運動」という。学生は6時ころ長野を出て9時に着いたと思われる。僕らは10時半に到着。すでにホールのロビーには5大学のパネルと模型が並べられてある。市長、商工会長などと簡単な打ち合わせ、そして昼食。今日のシンポジウムパネラーの方々とごあいさつ。
12時半開会。われわれとは別に都市計画マスタープランを作成している都市計画家(埼玉大の窪田先生など)の基調講演の後、各大学のプレゼンである。先生も一言。僕、小川さん、槻橋さん、寺内さん、曽我部さん。作品のグレードはぐっと上がった。発表もだいぶ練れてきたようだ。市民も200人近くは来られていたのではないだろうか?
学生プレゼン後、パネルディスカッション。都市計画系の先生、市長、商工会長、市民、そしてワークショップ代表で私。たった40分でこの人数なのでディスカッションにはならず順番に一人ずつテーマに沿って意見を言うというようなもの。僕はこの間の青学でのシンポジウムの延長でルフェーヴルを例に出しながら市民のゲリラ的な都市への参加とそのゲリラ性を受容するグレーな制度の必要性を説いた。終わって学生の慰労会。先生たちも上野で夕食。とりあえず発表は終わったがこれをなんとかパブリッシュする話をしようと思っていたが、そんな話題は一つも出ずに建築四方山話で盛り上がる。

フィンランド

On November 23, 2008
by 卓 坂牛

その指標の実態はよく知らないが、世界経済フォーラムによる国際競争ランキングで2001年から4年連続1位。OECDの15歳を対象とした学習到達度調査では科学的リテラシー1位、数学的リテラシー2位、総合読解力2位。その国はノキアで有名なフィンランド。そんな国の教師はなるのが大変だし給料はいいし尊敬されている。そして何より先生一人に対する生徒数が少ないそうだ。やはり教育の質が学力を上げるなんて当たり前のことである。堀内都喜子『フィンランド豊かさのメソッド』集英社新書2008を読んで感じた。
米田知子の写真展を原美術館で見てから蜷川実花の展覧会をオペラシティギャラリーで見ようと4時半ころ家を出た。結構暗い空を見てたら不安になってきた。原美術館はまだやっているのだろうか?電話をかけたら案の定4時半で終わり。仕方なくオペラシティへ。6時にかみさんと待ち合わせしていたので1時間カフェで本を読む。大澤真幸、北田暁大『歴史のはじまり』左右社2008。この二人の話は妙に図式的になりすぎるときはわざとらしさを感ずるのだが、さてこれはいかに?
蜷川の展覧会はhttp://ofda.jp/column/多くの普通の人たちが来ており、彼女の芸能戦略を実感するようなものだった。もちろん僕はそんなことまで含めて彼女の写真が好きであるが。

一年目検査

On November 22, 2008
by 卓 坂牛

早朝のアサマで上野へ。上野から山手線で田端に向かう。赤い家の一年目検査。田端の駅は駅ビルアトレができ、こじゃれた店やスタバなどが入っている。なるほど「えきなか」とはこういう店のことか。検査までまだ少し時間があるので、この駅ビルで買い物。10時半に赤い家。1階の賃貸部を先ずチェック。実にきれいに使っている。吸気口周りが黒く汚れていること以外は1年前と何も変わらない。オーナー部分も本当にきれいである。一部塗装がはげたところの修復をお願いしたがあとは何もなかった。帰宅して一休み。夜は20年目の結婚記念日で外食。寿司を食べ、バー金魚に行きまたお腹が減って行った先が大阪王将(笑)。

講評会

On November 22, 2008
by 卓 坂牛

11月21日
午前中講義。午後は製図第二の講評会。今日のゲストは福屋粧子さん。妹島事務所の出身で現在は慶応のシステムデザイン工学科の助教を務めていらっしゃる。僕は塩尻のコンぺで彼女の案に出会い5つのヒアリング案に推挙した。その時以来いろいろな場所で実際お会いしたり、はたまた彼女の建築メディア論に10+1で遭遇したりである。
彼女のクリティークは的確だし意表をつくようなものありなかなか楽しかった。こうやって毎回違うゲストを呼んで話を聞いていると皆発言が少しずつ異なり面白い。当たり前だが建築に真実はないことがよくわかるl。夕方講評を終え2年生や坂牛研の学生を交えて駅前で懇親会。2年生にも意匠に熱心な学生がいることがわかりほっとするやら嬉しいやら。

90年代の始まり

On November 20, 2008
by 卓 坂牛

午前中推薦入試。例年と同じくらいの受験者数だった。天気も良く特に問題もなく終了。午後はゼミ。途中で数回会議に顔を出す。試験官で神経を集中しその頭でゼミは少々つらい。夕食後作日から読み始めた接続詞の本を読む。なるほどと思うことしきり。本に飽きると研究室の本棚を眺める。その一角には恩師ディビッド・スチュワートがこの春退官した時に送ってくれた洋書が詰まっている。そこから特に意味もなく一冊引っこ抜いて眺める。‘COLUMBIA DOCUMENTS OF ARCHITECTURE AND THEORY`VOL1を手に取る。このシリーズの創刊号で1992年出版。目次は巻頭論文がジャックデリダ、二つめがエリザベス・ディラーとリカルド・スコフィディオ、ピーター・ライスはUNSTABLE STRUCTURE、マーク・ウィグリーはHEIDEGGER`S HOUSE そしてジョバンナ・ボリドーリはTHE ITALIAN HEIDEGGER;PHILOSOPHY,ARCHITECTURE AND WEAK THOUGHTという論文を書いている。タイトルだけ見ていても、ポストモダンんの終焉そして90年代の始まりを感じさせる。そして篠原一男のTHE NEW MACHINE;ABSORBING CHAOSという論文が目にとまる。論文と共にコロンビアでの展覧会風景写真が掲載されている。1991年篠原の展覧会がコロンビアで行われていたというのは知らなかった。論文はカオスについてのアンソロジー。`I`という主語がやたら目につく文章である。篠原らしい。カオスのアンソロジーといのも時代を感じさせる。90年代が現在につながっているのは確かであろう。そんな時代に篠原がいてハイデッガーが重要な役割を果たしているということを再認識する。この偉大な哲学者の息の長さに驚きを隠せない。

寒

On November 20, 2008
by 卓 坂牛

大寒波がついに来た。白馬ではすでに駅前が積雪20センチくらい。長野市内も小雪がちらつく。朝一で博士課程の論文予備審査資格判定会議。今年は建築学科で4名の博士論文を審査することになる。午後3年生m1を対象にした就職ガイダンス。就職委員の主の先生は交代するのだが、副の私は設計担当として当分この役を免れることはなさそうである。夕刻学会の卒業設計展(全国巡回中で現在信州大学で展示中)を拝見。京都の人たちの独特の表現力に目を見張る。cgばやりの昨今手の味を前面に出している。あまりの量なので内容をよく見る時間はない。その後製図第二の提出作品を並べてもらい金曜日の講評会の発表者25名を選ぶ。上位15名くらいは簡単に選べるのだが20番目から30番目くらいはどんぐりの背比べ。講評会には慶応の福屋粧子さんに来ていただく。塩尻のコンペでヒアリングに残った方である。妹島事務所出身でボス譲りの爽やかな作品だった。講評会が楽しみである。夕食後帰宅。風呂で石黒圭『文章は接続詞で決まる』光文社新書2009を読む。僕自身接続詞は最も重要な品詞であろうと思っている。それはアメリカに行った時さんざん接続詞の使い方を教えられ、日本語もそうあるべきだと思っていたからである。我意を得たりという気持ちで読み始めた。ただ僕は文章の論理性にとって接続詞が重要であると思っていたのだが、どうも接続詞にはそれ以外にも多くの役割がありそうである。

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