Taku Sakaushi

Diary

院ゼミ

On April 22, 2008
by 卓 坂牛

午前中に院生のゼミ。今年から院の修論のやり方を設計か論文かではなくいくつかチョイスを作ることにした。1)論文、2)作品付き論文、3)論文付き設計、4)作品付き設計。1)は純然たる論文、2)は論文に論文に関連する写真作品や絵画など何がしかの作品をつける。3)は定量分析を付した設計、4)は思弁的論文に設計そして設計以外のビデオや写真などの建築を説明する作品を付与する。なんでこんなチョイスを作ったかといえば、論文付き設計という今までのチョイスの中だけだとどうしても設計が演繹的になりすぎて学生の性格にそぐわないものが出てくるきらいがあったからである。もう少しそれぞれの特質にあわせてある程度のクオリティに達するようにするにはそれなりの道を敷いてやるしかないと思ったからである。そんなチョイスのなかでのゼミだとこちらも比較的気が楽になる。一概に論理性の欠如に文句をいうのではなく、詩的な表現の可能性を一緒に考えていくこともでき、そしてそれなりのクオリティを求めることもできるからである。その上でどうなるかは学生しだいであろう。
午後製図第3のエスキス。まだ最初なのでどうなるか分からないのだが、まあ一つ二つ面白そうな発想を感じる。第二は面白い子が多かった学年だが、設計が伸びるのは3年の時だから是非とも頑張ってほしいものである。夕刻は土木学科との会合。

ゼミのテスト

On April 21, 2008
by 卓 坂牛

今日は本当の朝一のアサマ。6時24分発。これに乗ると8時に長野について9時からの会議に余裕で出られる。久々にこの電車に乗ったがさすがに乗った瞬間に眠りあっという間に長野である。午前中の会議。去年は学内の委員を一つやっていたのだが今日の会議で引継ぎをして、今年度は一つ楽になった。午後一の講義を終えて教員会議。そしてゼミ。今年からゼミの最後に毎回テストをすることにした。名建築のプランを描かせるというもの。予め20ほど選んだ建物の中から一つ提示して描かせる。今日は坂本先生の代田の町家である。30分で1/100のプランを2面。スケールの正確さとレイアウトやレタリングやペンシリングをチェックする。あほなことをやっていると自分でも思いつつ、最近の学生はとにかくフリーハンドのスケッチがへたくそなので見るに見かねてこんなことをやっている。しかし建築のスケールを手で覚えるのにこれに勝る訓練は無いと思う。描かせてみるとああなるほどな、という結果が出てくる。こいつは手が早いだろうなという学生はやはり上手い。音楽家はプロになっても毎日の練習の最初には音階(スケール)を1時間はやる。音階とはつまりドレミファソラシドである。ハ長調だけではない。転調して様々な調でこれを繰り返す。アダージォからアレグロまで速度も変えて弾く。この音が正確に出せて初めて曲が弾ける。設計も同じである。名建築のプランのスケールとは音階である。これが頭に入っていて初めて自分の設計が相対化できる。こう言うことを馬鹿にしてはいけない。大学院にまできてこんなことを何でしているのだとナンセンスに思っている奴はまあ設計は一生できない。

神前結婚

On April 20, 2008
by 卓 坂牛

東京大神宮という神社で知人の結婚式と披露宴があった。こんな場所にこんな神社があるのを知る人は少ないと思う。僕はたまたま日建時代にこの近所だったのでこの存在を知っていた。縁結びの神らしく、神社やの周りには多くの若い女性が集まっている。式を挙げる本殿はかなり古い。関東大震災の後に出来たと聞く。神前結婚の形式はこの神社が作ったとパンフレットに書いてある。雅楽の演奏にのり新郎新婦が入場し、式が始まる。祝詞や玉串奉奠などの神事は起工式で慣れ親しんでいるが、踊りは始めて見た。衣装がなかなかユニークである。背中に蝶の羽がついている。式は親族と親族外の二~三人の知人友人のみで行なわれた。披露宴も同じメンバー。なかなかインティメットな素的な宴だった。式が終り今晩中に長野に行こうと思ったがちょっと疲れてしまった。明日の朝一で行こう。

A0

On April 19, 2008
by 卓 坂牛

一体この春の嵐は何時まで続くのか?いい加減に晴れ渡って欲しい。昨日の夜は建築談義に花が咲き面白かったが少し遅かった。スタッフの一人は徹夜で模型を作らねばならず事務所に戻った。果たしてできたのだろうか。午後からA0の翻訳読み合わせで事務所へ。彼が模型を作っていた。まだできていないようである。今日は土曜日だが人が多く打合せテーブルも混雑。僕とM君は来ていないスタッフの席に隣あって座り、読み合わせをする。スタッフ席は奥まっていて落ち着くことが分かった。いいなあこちらも。
翻訳の速度は相変わらず亀のようだが、内容の理解は深まっている。今日はスコットのバロック擁護論。バロックが様々な見せかけをその特徴そしているからといってそれを倫理的に批判するのはあたらない。見せかけであろうともそれが美しいものであればその方が重要であろうというのが彼の主張である。一理ある。7時ころ終了。家族と鈴新で会いとんかつを食す。創業50周年だそうだ。店頭にはお祝いの花。今日で片付けるということ花束をもらって帰り家で生ける。

金曜日

On April 19, 2008
by 卓 坂牛

4月18日
朝から台風のような雨と風。建築の条件の第二回目の講義で早稲田に行く。この講義シリーズは早稲田で始めて語るもの。上手くいくのか不安だったが、パワポの分量、文字と絵の比率などまあまあだった。受講生は30人くらい。午後はリーテムに。茶室の現場はコケと床のモルタルを残しだいたい完了。光が思ったより少し強いがきれいに仕上がってきた。その後いくつかの打合せをして事務所に戻る。k-projectの変更案をスタッフと打合せ。収納を増やした分部屋を小さくしたらだいぶタイトになった。桑沢の大松先生が事務所に遊びに来た。しばらく篠原先生の話しをした。こんな若い人が篠原に惚れ込んでいるというのが面白い。10時頃スタッフと食事に出る。荒木町のお店は遅くまでやっているのでつい帰るのを忘れて建築談義。深夜帰宅。

三つ子の魂百まで

On April 17, 2008
by 卓 坂牛

日建に入社した最初の仕事が日比谷ダイビルの改築だった。村野藤吾がまだ渡辺節の事務所にいた時に設計した建物を壊して20階建てのオフィスを新築する仕事。総合設計制度を使い公開空地をとり、斜線制限の緩和を行なった。僕の担当はこの広場と外装の設計。特に旧ダイビルの外壁に付いていた動物のテラココッタの彫刻を広場や外装に散りばめることが求められた。チーフとの打合せに広場のアクソメ、外装の立面図、1/100、1/30の模型を作った。しかしチーフにはこっぴどく怒られた。広場の設計をるすのなら隣の敷地まで入った矩計図を描けというのである。100メートルの高さと幅のある図面を1/50で描けというのである。縦横2メートルの図面である。巨大である。しかもその矩形図をパースにしろといわれた。とにかく断面図はパースにする。ディテールは3面図にする。一面だけ描いた図は見てもらえなかった。そして常に巨大な図面を求められた。チョコチョコ描いた図面などくずかごである。図面はいつも和紙に描いて青図にした。適宜色鉛筆で色をつけた。それらは、二つ折にしてのりで貼って背張り。日付を入れて閉じていった。厚さ1センチくらいになると表紙をつけて背張りテープを貼って一冊終り。そうしたスケッチの束が1年で4冊になった。1年目のスケッチは本当に僕の生涯のスケッチの描き方を決定したかもしれない。日建の最高のスタッフに教えてもらったと今でも感謝している。
今日K-pirojectの立面を考えながら庭の広がりを考えていたら自然と隣地から道路からその向こうの隣地まで入った横長の1/50の矩形図を描いていた。庭を考える時の癖になっている。そしてその周りにずらずらとパース。昔のように巨大なパースを描いている時間は無いのだがマッチ箱のようなパースが所狭しと並んでいる。それらのスケッチを見ながら20年前のスケッチが思い出された。身に染み付いている。

モーチベーション

On April 16, 2008
by 卓 坂牛

午前中20人いる研究室の今年の研究なり設計なりのテーマをイラストレーター上で並べてみる。誰が誰と関係してどんなグループが生まれるか考えてみる。それを図にしてみる。自分の頭がだいぶ整理された。誰に何を言う必要があるのか誰に何を読ませるべきなのかなんとなくイメージできてきた。春休み中少し低下していたモーチベーションが少しずつ上がってきた。このモーチベーションが上がらなくなったら教師廃業だよな。
水曜日は午後が4年生の製図。4年前期も製図があるのは信大の特色か?東工大にはなかったような気がする。普通前期は卒業設計の期間である。教員3名、ta2名で17人を教えられるのはこの大学の厳しい教員数の環境の中では贅沢である。それに応えるいい作品が出来ることを願う。今年はコンセプトよりも建築の構築力をつけて欲しいと思っている。何でもいいからリアルな実体を建築にするのが僕の指導方針。講評会には金箱さんに来てもらうことにしている。他にもう一人くらいリアルな人を呼びたいところである。

桜満開

On April 15, 2008
by 卓 坂牛

今日は長野もとても暖かい。キャンパスの桜は満開。子供づれのお母さんたちが車座になって花見をしている。なんとものどかである。そんな日に3年生の製図初日の敷地調査である。場所は長野でも有名な桜の名所、城山公園である。そこに蔵春閣という名の建物がある。三沢浩さんが設計し40年前に完成した。この建物をコンヴァージョンするのが課題である。この課題も3年目。ここに来るのも3回目。毎年これほど桜がきれいだったかな?花見用の仮説宴会場がたくさん建ち上がっていた。大学からこの建物まで自転車でやって来た。大学からずっと緩やかな登りで息が切れたが帰りはその逆。途中広瀬先生がコンヴァージョンした日和カフェにより一休み。夜は大学でゼミのスケジュールや輪読本の選定などなど。

初ゼミ

On April 15, 2008
by 卓 坂牛

朝一のアサマで出勤。車中、斎藤環『アーティストは境界線上で踊る』みすず書房2008を読み始める。最初に登場するのは草間だがこの人はいつも言うことが同じ。同じ物を作り、同じことを言い続けるのがアーティストなのかも(篠原先生もそうだったなあ)。午後一で言葉と建築の講義。一回目は性格。4回目の講義ともなるとだんだん本の内容が頭に焼き付いてくる。講義の後ゼミ。さすがに凄い人数になってきた。言葉と建築の講義受講者よりも多い。総勢20人。傍聴者3名。皆に課していた春休みのテーマ読書10冊について全員の発表をしてもらう。テーマ性が見える人もいれば無作為というのもある。柄谷の定本全部読んだというのはビックリした。難解で理解できているか定かではないが、挑戦する気力は評価できる。私の方からは自分の卒論と修論をどのようにして作り上げたのかを披露した。20年以上前のノートやカードを東京からダンボール一箱送り、それらを見せた。論文を書くということが発見であり、発見するためには何が必要なのか。分かってもらえただろうか?夜は4年生や他大から僕の部屋に修士で来た人の歓迎会。

篠原一男vs私

On April 14, 2008
by 卓 坂牛

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ケヴィン・リンチ著 有岡孝+駒川義隆訳『廃棄の文化誌』工作舎1994を読む。リンチはいわずと知れた『都市のイメージ』の著者である。イメージの都市計画学者とエコロジーは最初は繋がらない。しかし都市のイメージを大事にする価値観とはスクラップアンドビルトを否定する価値観であることが読んでいるうちに納得される。20年前にこうした考えアメリカで持っていたということが新鮮。夕刻桑沢デザイン研究所を尋ねる。「篠原一男vs私ー住宅のミライ展」が行なわれている。桑沢の2年生が半年かけて作った篠原一男の全住宅作品の1/30の模型とその建物の隣に学生自らの設計した住宅が並んでいる。これは圧巻である。篠原先生の住宅はかなり見ている方だがもちろん場所さえ知らない建物も多くある。プランで知っている建物も模型にして初めてこんな建物なんだと再認識した。特に方形の屋根が載ったいくつかの建物はその大きさに驚く。その後対談を行なう。

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