Taku Sakaushi

Diary

保育室で忘年会

On December 15, 2007
by 卓 坂牛

デザイン論と製図、夕刻の委員会に出て研究室に戻り雑用。15分後の新幹線に間に合うか?滑り込みで19時5分のアサマ。魯山人の本を読む。駅を走る抜けた疲れで思わず居眠り。東京駅のモロゾフで大型プリンを4つ買い、三田線で白山へ。駅近くのスーパーで苺とペリエを買う。何のことはない自分で食べたい物だけ買っている。保坂クリニックへ向かう。クリニックの保育室を借りての忘年会。中学高校の有志15名近くが集まっている。まさか50近くの親父やおばさんが保育室で忘年会とは思わなかった。しかし保育室もいろいろ聞くと財政はとんとん。殆どボランティアである。偉いものだ。今日は忘年会たけなわ。タクシーのあるうちに帰らねば。12時前においとまする。

魯山人

On December 13, 2007
by 卓 坂牛

魯山人を支援する魯山人會の発起人に名を連ねていた山田了作の息子、山田和が『知られざる魯山人』という本を書いている。それによると、山田了作は魯山人と交友が深く、彼の家は魯山人の食器、書画で溢れていたそうだ。そんな彼が魯山人の器を欲する知り合いを前に、一つの名器を差し出し「この器はすばらしいが一つかけているものがある。何か?」と問うたそうだ。答えられない知り合いに、彼は「その器にのっかるべき料理だ」と言ったという。器は見るものではなく、使うものというのが魯山人の信念だった。
もともと僕は陶芸に興味を惹かれその勉強をしてみたかったが、違う道に進んでからは興味の中心にはなくなってしまった。しかし私の配偶者のおかげで結婚後少し見る目がついた。彼女は小学校の低学年のときから魯山人のようになりたかった人で嫁入り道具の代わりに、盛岡の古道具屋で買いあさった骨董品を食器として持ってきた。そして毎日のようにそれを使い、旅行に行けば骨董品屋は旅行ルートに常にある。骨董というものは数百年の使用に耐えているだけあって落としてもそう簡単には壊れないものである。盛岡から郵送したものの中には割れたものも多々あったようだが、壊れず着いて使われたもので20年間で割れた物は数えるほどである。
魯山人の言うように使うと器はいい物である。食材が引き立つ。なんて当たり前の言い方だが、そう思うことはある。建築もそうだと皆言うが、人を引き立たせるために建築を作っている魯山人のような建築家なんてそういるわけでもない。それは無理からぬことである。魯山人は料理人でもあったのだから。人を引き立たせる建築は魯山人以上の離れ業をやってのけなければ達成できないはずである。

アンビルトプロジェクト

On December 12, 2007
by 卓 坂牛

年末恒例の今年の作品アルバムを作り始めた。と言っても今年できた建物は一つだけ。あー寂しい。本当はできるはずだったプロジェクトMもアルバムに入れることにした。模型写真をフォトショップで加工しながら、ああ、確認申請まで取れていたのに、、、と残念な気持ちが蘇る。写真を改めて見ると、本当にいい設計だったなあと自画自賛である。できていたらなあ、、、そういう仕事は今までにもう一つあった。台場のIデパートの仕事。コンペだっただけにかなり進歩的な商業施設の計画だった。今はデックス東京ビーチになってしまったヤツである。デックスだってできたときはまあまあ斬新な建築だったけれど、元の設計は前代未聞だったのだ。しかしこうしてできなかった建築アイデアを温存してどこかで使うというのはどんな建築家もやっていることなのだろう。気をとり直してプロジェクトとして大事にとっておこう。

ニューヨーク便り

On December 11, 2007
by 卓 坂牛

FM放送のどっかの局のサムライUSAとか言う番組で塩谷陽子がニューヨークのアートシーンを語っていた。彼女の話では日本の伝統芸術を含めた様々なアートがNYで加工されて彼の地のアーティストによって演奏されたり、演じられたりするのがとてもクールだとか。それを彼女は料理の比喩で語っていた。「例えば茶碗蒸しがアメリカで美味しいと皆に賞賛されたとする。そこで誰かがその椀に入っていた椎茸の香りが茶碗蒸しのエッセンスだと見抜き、その椎茸を使った新たな料理を生み出す。そしてそこに茶碗蒸しの仄かな香りが漂っていたなら、それは日本の伝統の新たな継承であり展開であり文化のあり方としてとても素敵ではないだろうか?」と言うのである。そして今NYで起こっている日本の香りのするアートシーンはそんなことだと言う。そして彼女は自分がディレクターを勤めるジャパンソサエティでそうしたアーティストのパフオーマンスを企画運営しているそうだ。
なかなか素的な話である。と言うことを彼女にメールしたらものの3分で返事が返ってきた。ニューヨークは深夜かと思っていたら9時だった。明日は日本に来るとのこと。日本にいる間に会えるかな??

笛の音

On December 10, 2007
by 卓 坂牛

さっきから部屋の外から聞こえるリコーダーの音。メトロノームのリズムに合わせ練習曲の旋律が聞こえる。途中で手が回らないのか、呼吸が続かないのか止まったり、リズムが狂う。そのうち「ブー」とヤケ気味な音が響く。また気を取り直したのかタカタカタカタカと刻んだ音が聞こえるが、スピードを上げるとつっかえるようだ。たまに吹いているそばを通ると、「どうしたら吹けるの?」と聞かれるので「3倍の速度から初めて、メトロノームのスピードを少しずつ上げたら」と言う。昔そんな風に早い曲を練習した記憶があるからなのだが。
こちらは「建築の条件」を厚みのあるものにするために関連本のスキャニングである。先ずは最近読んだ本を忘れないように、「視覚」関連の本ファッション関連のものについてスキャニング。重要だと思っていた部分を思い出すのは時間がかかる。アンダーラインしていると、今度は見つけるのは簡単だが、スキャニングしてocrが上手くいかない。これからはアンダーラインではなく、文頭に○をつけるようにしよう。

整理2

On December 9, 2007
by 卓 坂牛

いつも12月になると、自分の見の回りの整理をする。別に人に自慢できるようなことでもなく、大掃除の一環である。ただそれは単純な掃除でもなく、昨日読んだ佐藤可士和のように身の回りの物の整理に加え、頭を整理して情報の整理を行なうということでもある。それは来年はどのようなことをテーマに情報を収集し(本を読み)それをどの程度行い、どのように蓄積しようかと考えることでもある。
あまり厳密で堅苦しいことではないのだが、家、大学、事務所の本棚を整理して捨てる本、買う本を考える。ノートやカードを買ったり、コンピューターの整理をしたり、どのように情報収集するか、どのくらいのペースでまとめるかを考える。今年は机の上にある性能の悪いスキャナーを買い換えることにした。スキャナーは情報収集の重要なツールなのだが、今持っているものは立ち上がりが異様に遅いのである。ヨドバシで新しいスキャナーとプリンターとオールインワンの機種を買った。2万円である。本をスキャンしてテキストファイルにするには2番目の機種の方が素早い。しかし2番目とはいえスキャンもプリンターもついて2万円とは実に安い。大量に売るつもりの製品は値段が下がるということだろうが。更に本棚を少し拡張するためにハンズでシナベニヤを切ってもらう。

整理術

On December 8, 2007
by 卓 坂牛

佐藤可士和の『佐藤可士和の超整理術』を読んでみた。どうも広告代理店出身の人の言葉は上滑りしているようで苦手なのだが、彼の言っていることはとても基礎的である。彼はいい仕事をするには整理が必要で、それは空間整理、情報整理、思考の整理の3つだという。空間整理の基本は身の回りの整理。ものを捨てろ、鞄を持つな、机の上に物を置くな。と徹底している。情報整理は、1状況把握、2視点導入、3課題設定という3つが基本だそうだ。どれも企画をやるときの常道と思われる。企画に近道なしということだろうか。彼のヒット作は着実にこのプロセスの上で行なわれている。国立新美術館のロゴコンペで「新」をロゴにしたのもこのプロセスを丹念に繰り返した末のようである。あの美術館には10回以上行っていると思うが、「新」のロゴは網膜に焼き付いている。

ファッションと建築

On December 8, 2007
by 卓 坂牛

12月7日
後期後半課題で敷地見学。僕の設計した長野県信用組合のはす向かいの敷地。県信の西沢さんにはあらかじめ60名くらいの学生が周囲をうろうろしますからと電話をしておいたら顔を出された。立ち話をしていたら当時の理事長(現在相談役)が偶然降りてこられた。長野に来てから最初にご挨拶せねばならない人だったにもかかわらずできなかったので赤面である。建物が10年たっても新品同様で今年の景観大賞部門賞を受賞したことを喜んでいらっしゃった。ほっとする。建物内のカフェで西沢さんとコーヒーを飲む。床はぴかぴか屋上庭園の植栽はきれいに剪定されており嬉しい限り。不具合は電動の可動部に多く発生しているとのこと。ブラインドやら排煙窓やら。竣工後のこうしたご指摘は貴重な情報である。
敷地見学が終り東京へ。車中、成実弘至の『20世紀のファッション文化史』をやっと読み終えた。19世のオートクチュール創始者ワース、10年代の優雅なポワレ、戦前を制したモダニストシャネル、30年代のアーティストスキャパレッリ、戦後アメリカの大衆消費社会に並走したマッカーデル、戦後のニュールックディオール、60年代若者の代弁者マリークワント、70年代のパンク、ビビアンウエストウッド、80年代の脱構築コムデギャルソン、そして90年代のグローバルブランド時代、それに対抗するマルタン・マルジェラ。この各年代ごとの特性にはそのまま建築家をあてはめることができるような気がした。ワースには世紀末の誰か、ワースにはアールヌーボーの誰か、シャネルにはコルビュジエ、スキャパレッリには未来派の誰か、マッカーデルにはイームズ、ディオールにはサーリネン、マリークワントにはアーキグラム、ウエストウッドには?、コムデギャルソンにはりべスキンドあたりか?、グローバルブランドは日建?som?,そしてマルジェラは青木淳あたりか?
この本自体かなり建築とファッションの相関関係を意識しているが、同じ表現の潮流として両者に関係がないわけがない。
7時新宿。仕事でロンドンから出張してきた友人を囲んでちゃんこを食べる。ヨーロッパではご多分に漏れず、東京のミシュラン指定のレストラン数が話題だとか。山本益博の息のかかったところが指定されているというのが某広告代理店の中での評判だそうだ。ロンドンのテレビには毎度彼が登場していたそうである。

中国でアート

On December 6, 2007
by 卓 坂牛

ofdaの仕事にアートの側面から深くかかわったり、僕のシンポジウムの企画をしてくれたり、翻訳を一緒にやったりして、多分一生いろいろなことを一緒にやっていくだろう、若い僕の教え子から電話があった。いろいろな話をしていたのだが、話題の一つは中国のリーテム工場ができたときにそこでなんらかのアートイベントをしようというものだった。これは面白い。中国で人が呼べるものなら痛快だ。しかもあんな田舎に。更に彼の考えは、そのイベントに世界的ミュージシャンのSを呼び、全体を、かの有名なA社のレーベルからdvd+cdで出そうというものである。
彼の発想はその辺の出版社や広告代理店が考えそうな表層的な話題づくりではない、いつもとてもシリアスなのである。そんな訳でそのあたりのイベントのコンセプトとここ2~3年のミュージックシーンの変化をディスカスすることにした。楽しみである。
一昨日から一人試用のスタッフに手伝ってもらっている。今までの彼女が担当した現場では工務店が施工図を一枚も描かなかったそうで全て自分で描いてきたと言うことである。それは彼女のスケッチを一目見て分かった。ディテールの手描きスケッチがかなり早い。先ずは一安心である。ナカジの下で中国プロジェクトがこれで上手く進みアートイベントの背景として素敵な仕事になると嬉しい。来年はいい年になりますように。

試験勉強

On December 5, 2007
by 卓 坂牛

娘の期末試験に巻き込まれ中学の理科を深夜付き合って勉強するのだが、この年になって中学の理科というのは結構ためになる。特に今晩付き合ったテーマ;飽和水蒸気量と露点などは建築設備の基礎知識:結露の勉強になるものだ。日常の普通の科学、つまり新聞に載る程度の科学知識が理系の僕でも覚束なくなることがよくあるものである。そういうあたりをもう一度思い出すのに中学生の勉強はとてもよい。英語だって、数学だって、この頃の勉強は思い出しておくと日常的に役に立つ。世の中はやはりこの義務教育までの知識で分かるようにできているし、逆にこの知識がないと分からないことが結構ある。高校になると正直言ってかなり専門的だし、そんな知識は不要である。
ちょっと眠いがそんなわけで娘の勉強に付き合うのはちょっと楽しい。

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