Taku Sakaushi

Diary

建築とファッションと

On October 15, 2007
by 卓 坂牛

「建築の条件」を朝から考えていた。そして成実弘至の「ファッションシステム」という論考を読み、こんな文章に出会う「ファッションを流行の意味とすると、それは衣服やイメージの消費だけに限られるものではない。・・・・・芸術・文化、長期間にわたって使われる建築や都市計画まで、流行とは遠い場所にあるはずのジャンルであっても、よく観察すると一過性の様式に支配されていることが分かる・・・・」そう、建築もファッションの一つ。そしてこんな文章にも出会う。「ファッションは実際にそれを着る消費者と流行を仕掛ける作り手や売り手との相互作用から生まれてくる」。この文章をちょっと変えるとこうなる「建築は実際にそれに住む住み手と流行を仕掛ける建築家やジャーナリズムとの相互作用から生まれてくる」。ちょっと前までならここまで建築とファッションは似たものではなかったのかもしれないが、現在では普通に理解できる文章である。ファッションに見られる流行の構造は現代の「建築の条件」となっているということである。

建築の条件

On October 15, 2007
by 卓 坂牛

10月14日
朝晩東京も少し冷え込むようになってきた。掛け布団が2枚になった。せっかくの日曜日だが、かみさんはお茶へ、娘は図書館へ。そこでこれ幸いと新しいゼミ構想を練る。結構思いつきはいいと思っているのだが、切り口をうまく作らないと凡庸に終わるものである。先ずはタイトルが重要なので「建築の規則2」なんていうのはやめることにする。そこでいろいろ考えたのだがたいした案も浮かばないので、先輩の力を借りて「建築の条件」というのはどうか?これは小田部先生の『芸術の条件』を拝借したわけである。
まあタイトルはさておき内容である。いろいろ考えると8つくらいは何かありそうである。1)形式的であること、2)消費的であること、3) 写真的であること、4)階級的であること、5)地域的であること、6)美的であること、7)道徳的であること、8)アート的であること。先ずは手始めに地域的であることあたりから考えてみるか?それは世界的に見れば建築のオリエンタリズムであり、国内的に見れば地域主義的な問題である。ファッションとの類比で問題が深まればと思っているのだが。

書類作り

On October 14, 2007
by 卓 坂牛

10月13日
大学の書類をせっせと作る。やってもやっても終わらない。こういう仕事は民間なら事務の人がいてやってくれるようなことなのかもしれないが、、、雑用メールを打ちたいのだが我が家の無線ランは時として送信できない。まったく馬鹿みたいな話だがメールしに事務所まで行く。富山のコンペの再修成果品がプリントアウトされていた。きれいに仕上がっている。いい線いかないだろうか?事務所を出て森美術館へ。六本木クロッシングが今日から始まった。なかなか面白かった。感想はコラムを。http://ofda.jp/column/

金曜日

On October 12, 2007
by 卓 坂牛

金曜日は午前中デザイン論、午後製図で後期の忙しい曜日である。朝健康診断を受け損ねたので3コマ目と4コマ目の間に受診。尿、血液、レントゲン、身長、体重、視力、そして問診。庶務から絶対受けろと言われたので理由を問うと、受けないと労働基準監督局からお咎めを受けるのだそうだ。製図は住宅の設計。55名のうち分担して一先生10名強を見る。今年から設備の先生を一人入れて意匠のエスキス後設備の講義を受けるような方式をとっている。基本的な断熱、換気、採光を学ばせようとの配慮である。このクラスには中国からの留学生が二人いる。今年の留学生の実力はいかに?頑張って欲しい。夕刻アサマで帰宅。昨夜の寝不足のせいかうとうとしながら東京。

新しい活動

On October 12, 2007
by 卓 坂牛

10月11日
電車の中で成実弘至の『問いかけるファッション』せりか書房2001を読みながら建築の社会構築性をどうしたら記述できるか考えていた。メモ帳が無かったのであるページの上にメモしていたらそのページが三色ボールペンで三色に染まった。しかしなんとなくおぼろげにできそうな気がしてきてこれをゼミでやろうと考えた。輪読は学生の自主研究会として、こちらの話をm1のメイン活動として毎回発表させることにした。夕刻ゼミ後研究室皆で食事。久しぶりに楽しく飲んだ。

理系と文系の狭間

On October 11, 2007
by 卓 坂牛

早稲田大学の酒井先生から電話があった。前から言われていたのだが、新しい学部を創設するので力を貸して欲しいと。言われたのは一昨年だっただろうか、何時になるとも知らず、快諾していた。今日詳しく話しを聞くと、文学部が二つに分かれて今までの文学部と文化構想学部というものができたとのこと。この文化構想学部とは6つの系に分かれており、それぞれ多元文化論、複合文化論、表象・メディア論、文芸・ジャーナリズム論、現代人間論、社会構築論である。酒井先生は複合文化論系でありそこにいろいろな講座が作られていくようである。衣食住というのも一つのテーマであるようでなかなか面白そうである。さて何を手伝えるのだろうか?しかし短い時間だが話しをしているといろいろと楽しそうである。文系で建築を考える楽しさはいつもの理系頭では考え付かない発想を得られるからだろうか?
一方、11月に行なう講演のテーマjは「技術と美の統合」という硬いテーマである。技術史教育学会というところでやるから技術を入れざるを得ないのだが。そこで昨日から日本近代建築技術史というのを読んでいる。読み終わって分かったことがある。建築技術史なんていう文献はこの本以外殆ど無いのだが、唯一あるこの本には設備環境系の話がこれっぽっちも書かれていない。ここにあるのは構造、材料、施工のことのみである。一体設備技術の歴史はどこに記録されているのだろうか?技術史をまとめているのが建築史(意匠系)か工法史(構造)の先生であるところに問題があるのだろうが。

建築家

On October 10, 2007
by 卓 坂牛

11月の講演会の準備で村松貞次郎の日本近代建築技術史なる本を読む。三井の本館(石積みの洋式建築)が鉄骨造であることを知る。それだけでも新鮮なのだが、その鉄骨は床と屋根を支えるだけで壁は壁で持っていると書いてある。そう言われればさもありなんだが、結構目の前にある建物のことを知らないものである。夕刻クリスチャン・ケレツの講演会を東工大に聞きに行く。クリスチャンの建物は最近のA+Uにいろいろ紹介されている。スイスの建築はロケーションがひときわすばらしい。彼の建築は構造がとてつもなくアクロバティックでそのことを質問したが構造はあくまで空間を作る道具であるというのが彼の答えであった。レクチャー終了後食事会がありクリスチャンの娘や奥さんと話をした。娘は14歳で我が子と同じ。「将来パパのような建築家になるつもりはありますか?」と聞くと「いいえ」との答え「何故?」と聞くと、「建築家はストレスがたまる仕事だから」。それを横で聞いていたクリスチャンは「I‘m always relaxed」と強がりを言っていた。しかしストレスのたまらない仕事など世の中には殆ど無い。

うまい

On October 9, 2007
by 卓 坂牛

今日は昨日手をつけられなかった計画書を朝から作り始める。学会のホームぺージにアクセスして既往研究の分析。そして少しずつ書き始める。午後5時終わってないが作業は終了。夕方ジョギングを兼ねて伊勢丹に食材を買いに行こうと決めていた。我が家から2km弱である。片道約15分くらい?ジョギングのかっこうでデパートに入るのは少し恥かしいが混んでいるので余り見えない。ローマで食べたステーキが忘れられず牛肉を買う。と言っても松坂牛を買う金は無い。四国の牛。セロリとミカンを買ってバックパックに詰めて帰宅。風呂に入り早速肉を焼く準備。娘は図書館。夫婦で食べようと焼きはじめる。これがかなり美味い。自分の分を食べ終わった頃娘も帰宅。娘の肉を焼いてやる。この値段でこの味ならお買い得である。近所のスーパーよりはるかに美味しいとはかみさん。

計画書作成失敗

On October 7, 2007
by 卓 坂牛

月末締め切りの科研費の申込書と計画書の作成をこの連休中にやろうと思いたつ。意匠系の科研費は取得がかなり困難なようだが研究テーマをじっくり考えるのにはいい機会である。
ここ数年のテーマはメディアか風景か装飾と決めてある。なんとなくそれぞれのテーマはそれなりに研究室で誰かが取り組んでいる。それをもう少しつっこむためにここ1ヶ月くらい関係書籍を読んではきっかけを探している。そろそろそのきっかけをもとに方向を出したいところだがつい書籍渉猟にはしり、写真系の本をぺらぺらとめくる。photo graphicaの最新号が届いている。蜷川特集である。相変わらず鮮烈な色の組み合わせである。ヴィレム・フルッサー『写真の哲学のために』勁草書房1999を読む。フルッサーの文化コード論によれば、我々は世界や経験を理解可能な記号に変換する。この変換システムへの組織化への規則をフルッサーはコードと呼ぶ。そして人間社会のコードは紀元前1500年までが画像コードでそこから文字コートとなりその後写真以降テクノコードが位置づけられる。そして後から出てきたコードはそれまでのコードの説明に使われる。つまりメタ言語になる。例えばあるときまではテキストは絵を説明するキャプションだったが、現在写真はテキストを説明する何かになっているのだという。それってどういうこと?まだよく分からないが、、、なかなか疲れる本だったので少しリラックスして『森山大道とその時代』青弓社2007を読む。60年代から現在まで森山について語られた言説集である。鈴木了二の「都市の質感」という論考が面白い。写真は絵画と同様二次元芸術だが写真と異なり同じ二次元芸術でも完全に質感の表現を原理的に放棄しているという。そしてそれにもかかわらず、森山の写真は質感があるという。物質試行の建築家ならでなの論考である。写真の本ばかりで飽きてしまった。風呂でドナルド・キーン『私と20世紀クロニクル』角地幸男訳、中央公論新社2007を読む。読売新聞の土日版に去年連載されたもののまとめである。簡単な言葉で驚くほどの事実が並べられている。読み応えがある。
というあたりで世もふけ計画書はできなかった。明日また頑張ろう。

風土

On October 6, 2007
by 卓 坂牛

朝一で現場。窓回りを枠とボードのちりを取らず紗を貼ってパテしてペンキを塗りこむディテールにしているのだが、ひびが入ると指摘される。コーナービードを入れたり、紗を貼ったり、シールしたりいろいろ対処してもらう。工期は残り一ヶ月である。
夜、この間読んでいた『風景の哲学』に何度か引用されていた和辻哲郎の『風土』の最初を読み返してみた。この本は大学1年くらいに読んだ記憶がある。読み返してみて感ずる。ああ、この本は景観論なんていうものではなく、現象学の本なんだということ。大学一年の頃はこの本の実例部分を読んでいたのだが、やはり重要なのは風土の基礎理論という最初の20ページである。その部分は僕の大学1年の頃の知識でとても理解できるようなものではなかったことが今分かるのだが、その頃はそもそも見向きもしていなかったのかもしれない。

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