Taku Sakaushi

Diary

ベルニーニ

On August 26, 2007
by 卓 坂牛

ボルゲーゼ美術館でベルニーニの彫刻をこれでもかというほど見た。サンピエトロの楕円の前庭広場を設計したことで有名だと建築家は思っているが、ここに来るとバロックの彫刻家としての名声の方が高いのであろうと想像される。ボルゲーゼの中でもベルニーニの彫刻はその躍動感において他を寄せ付けない。この彫刻にしてあの建築ありである。ボルゲーゼにはカラバッジョやティッツィアーノなどの後期ルネサンスの有名芸術家の多くの作品が展示されている。ボルゲーゼからホテルに戻り、ボッロミーニのサン・クワトロ・フォンターネの写真を撮りにでかける、気温は37度。灼熱の東京から来たので体は慣れているが、かなりの暑さである。その後フィレンツェ行きの電車に乗り込む。奮発して1等を買ったのに、故障中らしくクーラーが効かない。金返せ。と言いたいところだが、イタリアではけんかもできない。そう言えばクアトロフォンターネのそばでpoliceの写真を撮っていたら、すかさず寄ってきて消去しろと抑圧的な言い方で迫ってきた。policeも風景だろうがと言ってやろうかと思ったが、、、やっとフィレンツェに着くと駅前のサンタ・マリア・デラ・ノッベラは修復中らしく、あののっぺりした意匠が足場で隠れて見えない。残念である。夕食に食べたティラミスは日本のものより少しおいしかった。値段は6urくらいである。

ルネサンスの巨匠たち

On August 25, 2007
by 卓 坂牛

8月24日
今日はローマでしか見られないフレスコ画を集中的に見た。ダヴィンチの受胎告知が日本に送られてくることはあってもアテネの学堂や最後の審判は日本には送れない。フレスコ画は建築の一部である。ミケランジェロやラファエロの絵が上手いのは言うまでも無いのだがそれにも増してすごいのは建築の内部が絵で埋め尽くされてしまうそのしつこさである。システィーナ礼拝堂の薄暗さとその天井の高さと大きさと人の量。その全てがミケランジェロの巨大な天井画を特異なものに変化させている。ラファエロも同様である。ラファエロの間の数々のラファエロとその弟子たちの絵はその技量もさることながらその量に圧倒される。その後サンピエトロに入る。25年ぶりに見てその大きさを再認識した。
タクシーで、ローマ市内のパラッツォを手当たり次第見て回る。見ながらやっとローやマレーの所謂ルネサンスの教科書に普通に出てくる定番建築の位置づけが見えてきた。ブラマンテ、サンガッロ、ヴィニョーラ、ベルッツィ、時間がなく写真に費やす時間が少ないのだが瞬間でも目に入れていると違うものである。

ローマへ

On August 25, 2007
by 卓 坂牛

8月23日
成田でnumberの別冊と文庫本を数冊買い込み飛行機に。アリタリアだが機材はJAL。久しぶりに遠くまで飛行機に乗るのでたっぷり時間がある。保坂和志の『羽生』が面白い。哲学的小説家保坂による羽生分析である。それによると羽生は棋風を持たぬ棋士だそうだ。つまり強い指し方のスタイルを持たず、あくまで勝つという目標に向かって極めて冷静な判断を下す棋士だというのである。さらに面白いのは、例えば羽生の前時代を気付いた谷川は高速の寄せという読みの早さと深さで相手を圧倒したのに対し、羽生は自分の考えの優越性を前提としないという。相手も自分も同じ地平にあるというところから微差のつみあげで勝つのだそうだ。
将棋はある意味表現である。読んでいると建築に通ずることが多々あるなあと感じる。特にコンペをしている今はいかに勝つかという点でいろいろ教えられる。こちらの手の内は全て読まれていると思ってそれでも勝つ、訴求力があるということはどういうことなのかなどなど。
成田~ローマ14時間は長い。現地時間の夕刻七時に到着。飛行場から市内への道と風景は世界各国同じに見える。夕刻になるとなおさらである。上海もローマも変わらない。などと思ったのもつかの間。市内に入るとやはりローマはローマ。まるで巨大な遺跡ランド。ホテルについて湯が出ない。やはりローマはローマ。

猛暑去らず

On August 22, 2007
by 卓 坂牛

朝のアサマで東京へ。午前中スタバで打ち合わせ。午後一中国リーテム打ち合わせ。ファサードの少し大きな模型を前にデザインが収斂する一方で地元の技術でできることなのか?地元にこうした製品はあるのか?などなど疑問が湧く。やはりナカジは少し長く中国に滞在し地元の設計院といっしょに設計を進める方が良いと判断。渡中の日程を組む。その後T邸の打ち合わせ。今週末の定例は出られないので打ち合わせ内容をチェック。そろそそ色見本作りをしなければ。赤い壁の赤は朱かローズか?コンペ案について昨日のファックスについて金箱さんと℡で打ち合わせ。基本の考え方は変わらず。テーテンスとも℡で打ち合わせ。パースは中国に外注することとした。中国のパース屋はかなりの実力である。打ち合わせがどの程度上手くいくのかは分からないが、後は学生とスタッフとの共同作業。綱渡りである。しかし学生ももう頼れるものはないのだから自分で判断して進むしかない。その昔日建2年目に部署が代わりある先輩の下につくことになりその次の日基本設計書を残しその先輩が入院してしまったコトを思い出した。僕はその図面を元に一人で確認を出し、実施図をまとめ着工まで進めた。火事場の馬鹿力である。頼れるものがいなくなることが一番人間を成長させるものである。
東京は暑い。長野は秋近しなのに東京はまだまだ夏である。

秋近し

On August 22, 2007
by 卓 坂牛

午前中コンペのスケッチ。しばらく留守をするのである程度の目処をつけてから出かけたい。そう思うと気になることばかり。午前中のスケッチを学生に渡し、ヴァリエーションを含めて模型制作を依頼する。午後はひたすら会議。今日は半日で行なった会議数としては過去最高。6つの会議が1時から7時まで延々と続いた。そしてその後コンペの打ち合わせ。長野の夜は既に虫が鳴いている。秋が近い。

設計

On August 21, 2007
by 卓 坂牛

午前中にキャンパス計画。思いのほか駐車場がとれそうなのでほっとする。外来患者用の車台数確保が松本キャンパスでは要。このキャンパスは医学部の密度が異常に高く、他の学部は密度が低い。それは空地率だけではなく建物高さに反映し、スカイラインに如実に現れている。キャンパス内に二つの用途地域あるかの如くである。
夕刻からコンペ作業。模型を切った貼ったしながら作り上げていく。のだが、500分の1なので迫力は無い。しかし来週から僕が海外に行くのでここである程度見通しを立てないといけない。ある方向性は作れたように思う。後は運を天に任せ、、、ではなく運を学生に任せるしかない。しかし皆スケールや形に慣れてきているし、いい案にまとまるような気がしてきた。

地図

On August 20, 2007
by 卓 坂牛

最近バスで長野に行かないせいかまとまった時間がとれず本が読めない。どうも切れ切れである。だいぶ前に読み始めたヴィヴィアン・バーの『社会的構築主義への招待』がまだ130ページ。朝方少し読み進めたところでイタリア行きの準備のために新宿に買い物。帰宅すると義姉来訪中。皆で甘いものなど食し歓談。その後イタリアの計画を練る。三都市の地図の縮尺が少しずつ違うので今1つ距離感がつかめない。それにしてもすごい縮尺。フィレンツェが6500分の1、ヴェネツィアが5500分の1、ローマは9600分の1である。

猛暑去り

On August 18, 2007
by 卓 坂牛

昨日までの猛暑がひと段落。ほっとする。昼からA0勉強会。いやいやなかなか進まない。結構面倒臭い文章である。これでは年内脱稿は厳しいか?今月からイギリスに留学してしまった天野君が消え、フランス留学する星野君は今日で最後。早くイギリスから光岡君が帰ってこないかな?
夕刻高校のクラス会。数十年ぶりに会う人間もいて顔を見ても誰かわからなかった。がしかし、話し方は人間変わらないものである。声を聞くとすぐに分かる。最近この手の宴会でずっとジュースやウーロン茶を飲んでいるとお腹がたぷたぷになってしまう。近所に引っ越してきた小説家の草上仁さんとタクシーで帰宅。

集中

On August 18, 2007
by 卓 坂牛

最近ひどく集中力が低下しているように思われる。英語を読むとてきめんである。困ったものである。その理由は悩ましいことがいろいろあるからである。そんなことはこの歳になれば当たり前であろうが大学のこと、事務所のこと、家のこと。人より少し考えることが多いかもしれない。何かしているとアレはどうしたか?コレはどうしたか?意識の中に不要な問題が登場してくる。最近読んだとある本にはそうした心配事が頭をもたげないためには深呼吸を10回してそれを数えるといいと書いてある。さらにその10回の間にそうした心配事が頭をもたげたらまた1からやり直すのだそうだ。それを実践してみると多少効くようである。まあ集中力増強法である。今日も電車でそれをやってから英語を読む。1時間くらいは効く。そしてまた深呼吸。そして又読む。うーん1時間半で1ページ。やれやれ。

花火

On August 16, 2007
by 卓 坂牛

金箱スケッチが届く。テーテンスからのアドバイスもメールと電話でやり取りする。その後、ヘンリケの構造案を見てナカジとしばらくディスカッション。なんとなく2案のうちアリーナを浮かすのは展開可能性が乏しい気がしてきた。オーソドックス案をリアルに展開しよう。腹は決まった。
夕刻ちょっと抜け出しN君のマンションの屋上で神宮の花火を見る。大京町の10階だから神宮は目の前だがそれでも少し距離があるせいか美しいのだが迫力はなかった。でも音は結構すごい。見ながら思う。幼少の頃から花火の造形はそう変わらないものだ。花火師が考え抜いた結晶なのであろうが。そう簡単に見たことも無いものは登場しない。「四角いスイカがあるのだから四角い花火はないのか?」とか「もっと美しいメロディを奏でるものはないのか?」などぶつぶつ独り言を呟く。

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