Taku Sakaushi

Diary

試行錯誤

On July 26, 2007
by 卓 坂牛

やっと最後の東大の講義を終わらせて(と言っても明日は最後の見学会が残っているが)大急ぎで歯医者。事務所に信大の松田、平岩が待っている。コンペの打ち合わせである。いやはや難しい課題である。ちょっと前に(今でもやっているが)手伝った50万㎡のコンプレックスに比べれば手も足も出ないという感じではないが、それにしても4000席のアリーナと大小のホールと市役所と大屋根広場なんてそれぞれコンペになってもおかしくない物量である。それをまとめてコンプレックスにしろというのは、よほどの経験者でなければ相当時間がかかると思われる。アリーナの経験がないだけに試行錯誤である。
結局半日まるまる費やす。彼らは9時10分の最終バスに乗らなければならず、8時頃とりあえず終わりにしていっしょにラーメンを食べ別れる。疲れた。

ヘンリケ

On July 25, 2007
by 卓 坂牛

まだ梅雨明け宣言されていないが今日は暑い。1ヶ月ぶりくらいに昼どき事務所にいられそうなのでヘンリケを初めてランチに誘い、とんかつを食べに行く。日本版ウィンナーシュニッツエルだと言おうと思ってその単語を忘れてしまった。
食事をしながら話はドイツの教育に及ぶ。語学の話、科目の話、などなど。高校になると英語とドイツ語の授業時間数は同じくらいになる。週4時間英語。日本より少ないかもしれない。でも当然彼らの方が上達は早い。彼女はしかし英語よりフランス語の方が得意だとか、、、哲学の授業で何がテキスト?と聞くと例えばカフカ。ギリシャの古典も読むとのこと。そうかさしずめ日本で論語を読むようなものか。日本でもプラトンの国家くらい読めばいいのだが、、アーヘン工科大学はどんな大学かと聞くと自慢げにドイツの建築を勉強できる場所としては3本の指にはいると言っていた。
日本の女性だと食べ残しそうな量でもぺろりと食べてしまった。食べる量は体の大きさに比例する。

コンペ

On July 24, 2007
by 卓 坂牛

午前中ゼミ。設計が4年3名、修士1名。論文は4年2名、修士1名。設計のレジメと論文のレジメでは当然チェックポイントは違う。論文のレベルは世の常識があるとして、設計に付随する論文のレベルは世の常識はあまり無いので何をポイントにおくかはなかなか難しい。もちろん論考としての論理性が基本であるとしても、設計に繋がるいかなる結論を導くかは必ずしも演繹的な作業だけでは十分ではない。逆に言えば、あるところでぎりぎりの論理の飛躍が無いことには設計へ架橋することはできない、、、、、などというレベルを悩む段階ではないかもしれないが。
午後コンペのスケッチ。今までの研究室コンペは「やってみろ」方式だったが、それだけでは無理であることが分かってきた。いや学生はやるのだが時間がかかる。さあはじめるぞと言うあたりで締め切りなのである。そこで今年は「やってみせる」方式に切り替えた。スタディの仕方、スケッチの書き方、模型の作り方、一から教えることにした。こっちがその気なんだからしっかり応えて欲しいところだ。最終一本前に乗りたく研究室を出る。駅で思い出した。明日締め切りコンペのプレゼンチェックをするのを。だいたいのところは一昨日見たので分かっている。しかしA1、1枚だからこの1.5日でどうにでもなる。頑張れ。車中『大学と言う病』の続きを読む。ふーなかなか長編で読み終わらず。東京。

梅雨明け?

On July 23, 2007
by 卓 坂牛

朝一の会議後、正体不明の病気を解明するべく日赤に。しかし分からず。午後前期の最終講義。15回みんな良く聞いた。毎回のレポートの授業なので、最終レポートは軽くした。その後コンペ打ち合わせ。今のところ大きく3つの配置案あり。それぞれに2案ずつ計六人で6案作ることにする。夕食後昨日問い合わせのあったブラジルからの研究生の希望者に返事のメールを打つ。彼女は日本のシンルグファミリー住宅を美学的見地からリサーチしたいとの研究計画書を送ってきた。僕の名は美学研究者の天内氏から聞き更にホームページを見たとのこと。その結果自分のリサーチと最もよく合致すると言う。しかし天内氏に問い合わせると彼女は東大、早稲田とアプライしているようで既に東大の某先生からokが出ているとのこと。それが僕のところにも昨日アプライしてきたというのはどういうことか?よく分からないがまあ研究テーマは面白そうだし僕の指導可能範囲なので来たければどうぞと返信する。長野は午前中霧雨だったが午後スカッと晴れ上がった。これで梅雨明けなのだろうか?もしそうならここ数日で急激に気温は上がるだろう。これが耐え難いのだが。

大森義太郎

On July 23, 2007
by 卓 坂牛

7月22日
『教養主義の没落』、『丸山眞男の時代』を書いた竹内洋の『大学と言う病』が最近文庫本になり長野に向かう車中読んでみた。竹内氏は京大の教育学部の教師だが上記三冊はいずれも東大が舞台である。教育を社会学的に分析する氏特有の分析観においては日本の教育問題は結局最高学府を舞台にせざるを得ないということなのだろう。
この『大学という病』は東大経済学部(東大というより東京帝大という方が正しいが)の思想的な亀裂に焦点をあてたものでありその主人公は大森義太郎という助教授である。亀裂とはいわずと知れたマルクス派対非マルクス派のそれであり、大森は前者に属する。府立四中、1高、東大というエリートコースを歩み、大正13年弱冠25歳で助教授に就任。マルクス主義がまだ主流ではない時代に外国人教師エミール・レーデラーの影響を強く受けマルクス主義の闘士となる。そして三・一五事件に関連し、文部省による大学の左傾教員廃絶指示により、自ら辞職した。
大森は実に痛快な教師だったようだ、助教授就任直後からその筆力が買われ多くの文章を様々な媒体に書き残しているが、学内の新聞に連載で先輩教授である土方成美(非マルクス派)をこけおろした。土方のとりたての博士論文が本となった『財政学の基礎概念』について「『財政学の基礎概念』は噂によると五千部売れたそうだ。わかる奴は広い世界に幾人と無さそうな――もしかすると土方教授一人かもしれない」と揶揄したのである。
両派の対立の構図は延々と続いたようである(読了していないので後のことは分からないが)そこには大内兵衛、向坂逸郎と言った親父の恩師である元祖日本のマルクス主義者たちの名前も登場している。なんとなく聞いて知っていた当時の大学環境がリアルに再現されてくる。

建築とファッション

On July 21, 2007
by 卓 坂牛

今週末は久しぶりに休日。朝食後、ギャラ間に。10時から開くと思ったら11時からだった。隣のサントリー美術館に足を伸ばす。広重の浮世絵に発見をして薩摩切子に感動した。ギャラ間の展覧会はやや小ぶり。シザが「グローバリゼーションは世界を画一化させるのでは?」という質問に、そんなわけはないという答えをしていた。ポルトガルという風土と国民性がこんな答えを可能にするのか?
イデーカフェで昼食をとり青山ブックセンターに立ち寄る。帰宅後早速買ってきた本をめくる。今井和也『カタチの歴史』新曜社2003は今日買ったの本の中ではひときはユニークである。著者は美学を学びレナウンに勤め役員まで勤め退社。その後建築史を独学で学び、ファッションの造形と建築の造形の時代ごとの類似性を検証したのがこの本である。例えば第一章のエジプトは建築もファッションも三角形、ギリシアは矩形、ローマは半円形という具合である。現代の建築とファッションの相似性はよく言われることだが、古代からの形状を跡付けたものはあまり無いようである。しかもファッションの側からかかれたものは少ない。内容の真偽は正直よく分からないがそんな相関関係があっても良さそうには思う。

いじられキャラ

On July 20, 2007
by 卓 坂牛

東大の講義後現場。事務所にトンボ帰り。2時からのofda内でのプロジェクトレビュー。木島さんの2つのプロジェクトをレビュー。2つとも海のそばの住宅。1つは加藤さんが担当。もう1つは平井君。どちらも崖のような敷地で施工は大変そうだが景色は魅力的である。夕方終了。久しぶりにさっさと帰宅。夕食後瀬沼文彰『キャラ論』2007をつらつら読んでいた。ある調査ではあるグループ内の認識可能なキャラの最大数のものはいじられキャラとのこと。こう言うキャラは少数派(マイノリティー=いじめられ)と思っていたのだが、どうも違う。いじられ役はいじめられ役とは違うものでそれは一種の笑いをとる重要な主人公のようだ。そうなのか。研究室にもいじられ役がいるが、彼は可哀想な人ではなく。おいしい役なのか?

東京女子医大

On July 19, 2007
by 卓 坂牛

昨日の診断は何だったのだ??朝また持病再発。東京女子医大の緊急外来に飛び込む。応急処置をすると、外来に見てもらえと言われる。この病院はとにかく混んでいるのだ。そんなことをすると午前中がつぶれてしまう。しかし背に腹は代えられない。仕方なく打ち合わせ先に電話をし打ち合わせを午後にしてもらう。玉突き状に他の打ち合わせがその後にずれていく。しかしこの病院すごくシスティマティックに良くできているし新しくて快適である。採血スペースなどまるで銀行のロビーのようである。整理券を取ると15くらいあるカウンターの前の電光掲示板の数字が次々と変わり自分の番号が光ったカウンターに行き採血である。終わるとエコーに回される。そして血液検査の結果が出る頃エコーも終わりそのまま問診となる。ここでも全ては陰性反応であり先生も原因分からないとのこと。薄気味悪いが仕方ない。まあひどい病名を宣告されるよりいいのだが。
午後外で打ち合わせ後事務所でhenrikeの作った中国の模型を見ながらエレベの打ち合わせ。だいぶ具体性が増してきた。

CT

On July 19, 2007
by 卓 坂牛

7月18日
いやはや長野まで来てCTをとるはめに陥るとは。長野と言わずCTを撮るのは生まれて初めてである。CT室に入りあのドーナツのようなX線発生器の中に横たわり上を向いていると機械がブーンブーンとうなり始める。そして静かに動き始める。無愛想に天井についている天井付けのエアコンから冷気が体に降り注ぐのだが、一方でドーナツ型の機械は熱を発している。撮り終わり1時間もするとお腹のスライス写真が出来上がる。「うーん、悪いところは無い」と医者は言う。「もう一回内視鏡いれましょうか」「はい是非」やってみるとどこも悪くない。保険を使って2万円近くも医者に支払ったのははじめてである。とういうことは今までかなり健康体であったということかもしれない。午後講義、ゼミ、コンペ打ち合わせ。ぎりぎり最終のアサマに飛び乗る。

3年生講評会

On July 17, 2007
by 卓 坂牛

午後から3年前期2つ目の課題の講評会である。ゲストには高橋晶子さんをお呼びして行なう。図面のレベルはちょっと低いが模型のレベルは少し上がった。でもまだまだのような気がする。この原因は個人の資質というよりは世の中の普通の大学で3年生がどのくらいのレベルの図面や模型を作っているかを知らないからだろうというのが僕の中での結論である。まあ確かにがんばれがんばれと言ったところでどこまでがんばったらいいのか分からなければがんばる目標も立てられたにということなのかもしれない。どこかで借りてくることにしよう。

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