Taku Sakaushi

Diary

負けない話術

On May 27, 2007
by 卓 坂牛

森美術館に行った帰りに六本木の青山ブックセンターに寄る。売り場がかなり変わり美術系の本がますます増えたように感じる。ほとんど美術専門の本屋さんである。ついついいろいろ買った本の中に『負けない交渉術』というアメリカで働く日本人弁護士の書いた本がある。別に僕は話術で人をやりこめるのは仕事じゃないし、話術は必要だろうけれど勝ち負けを考えて話す必要に迫られることも無ければそうした欲求も無い。なのだが、ちょっとこういう人たちの戦略と言うものも覗いてみたいと思い買ってみた。ところが、読んでみると、実はわれわれはこうした負けない話術を日ごろ使っている。それは工事費見積書に対するネゴの時である。その時僕らはしっかりハードネゴーシエーターとなっているのである。だからここに書いてある負けない交渉術の「いろは」はしっかり実践している。建築の実践とは幅が広いものである。

A0

On May 26, 2007
by 卓 坂牛

午後からA0勉強会。architecture of humanismのbiological fallacyの翻訳読み合わせが半分まで終了。ドボルシャックのルネサンス美術を読んだせいか、話の内容がすんなり入るようになる。ルネサンス建築が発生、熟成、衰退という生物の一生にたとえられるのはfallacyであるというのが章半ばにおける結論である。1917年というこの書の出版時点ではルネサンス後期=バロック期を衰退と考えるのが一般的だったのだろうか?勉強会の後東京駅で用事があり、新丸ビルを覗く。なんと古典的なデザイン。地所の伝統を示すためか?再開発ラッシュの中で他と差異化するためにはこれが残っていたということか?

島田明日香の踊り

On May 26, 2007
by 卓 坂牛

5月25日
朝一東大講義、今日はひどい雨である。雨は憂鬱である。午後エクスノレッジの窓特集があり取材を受ける。インタビューに答えるのはその情報量を文章にするより遥かに楽である。カメラマンも来てインタビュー風景から写真とりまくりなのにはまいった。その上何か模型を、と言われ、たまたまその辺にあった「三窓」の模型が入念に撮影された。夕刻歯医者。未だブリッジはつかない。相変わらず痛い。夜、谷川渥氏がディレクターを勤めるギャラリーが閉鎖される記念イベントとして和栗由紀夫の舞踏が行なわれた。和栗の舞踏は1年前も見たのだが今日は弟子の島田明日香との競演であった。1年前の和栗の踊りと今日の踊りが重なっている。島田はもと日本舞踊を学び和栗の好善社に入った。今日も和服で狐面をつけて登場した。体の動きが繊細である。扇子を持つ手が360度回転しているように見える。そうかなんと、よくよく見ると背中側をこちらに向けて踊っている。お見事である。

今日の本

On May 24, 2007
by 卓 坂牛

明日の講義は何を話そうかなどと思い、明日のパワポを開いたら、ななんと作ってあったつもりのパワポがほとんどできていない。自分の記憶の不確かさがいやになってしまった。あわてていろいろ手持ちのデーターを貼り付けてみた。大筋の話はもちろんできているのだが、どうもパンチに欠ける。
事務所には注文していた和書、洋書がごっそり到着していた。その中でも面白かったのは1位建築やアート、ファッションにおけるパターンのヴィジュアル本。2位は建築のサーフェイスという本。これはまじめにサーフェイスの歴史的意義を書いている。きちんと読めるかな???3位は新しいコンクリート建築の本。コンクリートが石のようになったというタイトルがそそる。しかし要は、流動形建築のことなのだが、、、、

パブリシティ

On May 23, 2007
by 卓 坂牛

とある出版の企画を検討していただいていた出版社から内諾をいただいた。とても嬉しい。単著で本は書いたことが無いのでどう展開するのかよくわからないが、編集者との楽しい制作への期待が膨らむ。しかし内容のクオリティと定価と出版部数は相関関係にあることは前回の『言葉と建築』で痛いほど思いしらされた。1200部の初版では600ページ近い本の定価は5000円を超える。今回それはどうしても避けたい。もっと気軽な本にしないとそもそも本の主旨にそぐわない。そう思いつつもカラーも入れたいなどとわがまま気持ちが頭をもたげる。なんとも困った。
編集中のディテールジャパンの原稿では使いたい写真が版権の関係で使えないとメールが入る、金曜日に取材を受けるエクスノレッジもどこまで写真が使えるのか分からない。主旨と値段とデザインの帳尻を合わせるのは本当に難しいことだ。

レモン展

On May 22, 2007
by 卓 坂牛

午前中のゼミを終えて御茶ノ水に。去年から東京では恒例のレモンの卒業設計展が明治大学で行なわれるようになった。駿河台の立派な校舎で行なわれている。今年は第30回ということで今までにここで展示された人の作品を展示するというイベントが行なわれ第6回の時に出品した僕の卒計も展示された。更にここに展示された人たちが集まってシンポジウムを行なうということで呼ばれた。パネラーは司会の田路さん、米田明さん、竹内昌義さん、五十嵐太郎さん、手塚由比さん、そして僕。皆そうだったろうが200人からはいる明治大学の大ホールの巨大スクリーンに自分たちの数十年前の卒計を説明するというなんとも恥ずかしいことを行なった。そして卒計の教育をどうしているかというような話。皆異口同音にその昔自分たちはなにも教育された覚えはないというようなことを言っていた。そりゃそうだろうなあ。それに比べると今はとてつもなく手厚い看護をしているようにも思う。しかしそれが時代なのかもしれない。
終わって皆で会食。懐かしのレモンのカフェで行なわれた。米田さんは僕の1つ上だったとは知らなかった。そうして話してみるといかに時代状況を共有していたかがよく分かった。五十嵐さんに日本のポストモダニズムの嚆矢はなんですかと聞いたらまだそれは言明できないと言っていた。手塚さんは先に帰ってしまったのであまり話しが出来なかった。竹内の卒計が渋谷のポストモダンスカイスクレーパーとは知らなかった。でも楽しそうで今と気分は変わらないようである。

運命共同体

On May 21, 2007
by 卓 坂牛

大学の会議に出ると「暗い話」と言われる話題が連続する。そしてそれに元気よく反論する人はいない。民間企業もそうだったなあと昔が懐かしい。バブルのころ団交といえば組合は勇ましく何ヶ月ボーナスを勝ち取る!と息巻いたし、それを実行することで社員のヒーローだったような気がする。だからこそ、くそ忙しい中、執行部を引き受け、そして団交に望んだ。私事だが、団交のため大阪入りし、打ち合わせ中に長女が生まれるかもしれないということで最終の飛行機で東京に戻り、一晩付き添い、少し先ですねと医者に言われ朝一の飛行機で団交に戻った覚えがある。それほど賃金交渉は一つのゲームとしてお互い燃えるものがあった。それが、バブル崩壊とともに、組合は本当に御用組合になった。いや正確に言えば運命共同体として二人三脚状態になった。まあ昨今の会議はその状況を彷彿させる。職員がマネージャーに四の五の言える状態ではない。運命共同体として最善を尽くすしかない状態にまで来ているようである。

ルネサンス

On May 21, 2007
by 卓 坂牛

5月20日
ヒューマニズム建築の本を翻訳中ということもあり、暇を見つけてはその関係の本を読むことにしている。今日はマクス・ドボルシャックの『イタリア・ルネサンス美術史』岩崎美術社1966を読んだ。上下2巻の書。図版がまとめて最初に掲載されているので読みずらい上にその図版が不鮮明なので、いちいちネットで図を探す。こういうときネットは実に便利である。ところで高階秀爾は純粋にルネサンス固有の文化が開花するのはとても短期間であると述べていたが、この本でも下巻の最初に「およそ1500年から1550年までのイタリア美術を文芸復興期と呼び、そこに文芸復興の完成をみるのは、一般のならわしである」と記されている。ドボルシャックの解釈ではこの50年間は前時代とはまったく異なる新たな精神が、しかも数多くの芸術家によって、それぞれ個性的に発露した時代であり、それを全イタリアで共有した。というものである。そしてそこに登場するのはミケランジェロ、ラファエロ、ティッチアーノ、コレッジォである。

風呂で

On May 20, 2007
by 卓 坂牛

某会議から夕刻帰宅。疲れた足を足湯につけて汗を出す。出た分だけ水を飲む。また足をつける。つけながら新聞や雑誌を読む。昔から風呂でモノを読む癖がある。汗や湯気で本は傷むし新聞はぐしゃぐしゃになるので家族の非難を浴びる。しかしここに引っ越してからは浴槽が浅いので読み物が水没する危険が減った。東浩紀の『ゲーム的リアリズムの誕生』講談社2007を読んでいたら眠くなった。さすがに風呂で寝ることは無いが一瞬睡魔に襲われ無意識になり本を持つ手が下がる。水没する1センチ前に意識が戻る。

歯痛

On May 19, 2007
by 卓 坂牛

朝一の東大の講義にちょっと遅刻。事務所に戻り現場の様子を聞く。解体はきれいに終わった。
午後歯医者へ。昨年,余りの忙しさにブリッジをかけるべく奥歯を抜いたところで放置していた箇所がある。今日削りこんで仮歯を入れてもらった。麻酔が切れたあたりで猛烈に痛み早々と帰宅。バッファリンを飲んだのだが余りに痛く書斎の床にマグロのように転がった。やっと目が覚めたら12時である。
はて?大学院の講義「言葉と建築」のレポートに対して学生が評を書く締め切りが12時である。小森賞は決まっただろうか?hpを見ると鋭い評が書かれていた。私と同意見である。小森の目は節穴ではなかった。
今日事務所の木島さんから見せてもらったユリイカ最新号はコルビュジエ特集であった。伊東さんと藤森さんが対談している。なんと言うタイミングだろうか?夏ごろ出る予定のディテールジャパンのコルビュジエ特集に藤森さんを引用した原稿を書いた。しかしこの二人、思い切り自分に引き寄せてコルビュジエ解釈を展開している。「コルビュジエから学ぶことは土だ」という藤森節は多少牽強付会の響きあり。しかし僕のコルビュジエ論の「開放力」もそれに近いかもしれない?。
アーヘン工科大学の学生がインターンシップに来たいとメールをくれた。一昨年ウィーン工科大学から来たオンディーナの時同様、レターが明快なので条件を提示しokなら受け入れたい。

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