Taku Sakaushi

Diary

確信犯

On May 17, 2007
by 卓 坂牛

今年度は前期に信大で「言葉と建築」、東大で「建築の規則」の講義をしている。そしてそのレポートを毎回ネット上に書かせているのでそれぞれ20編ほど読まなければならない。信大は信大で今年からは学生のレポートを学生に評価させるという新たな試みをしていて面白い。東大は東大で文学部の様々分野の学生が書いているのでこれも幅が広くて面白い。ゆっくり読んで楽しんでいるとすぐ数時間過ぎてしまうのが恐ろしいところだが。
ところで信大は後1分で締め切りなのに今日は半分も書いてない。今日は縦コンだから皆確信犯でレポートは書かないつもりか?

新橋

On May 17, 2007
by 卓 坂牛

4月17日
夕刻UR都市機構のo氏とお会いする。「僕は建築知っている不動産屋だよ」とおっしゃっていたが、確かにそうである。都内全域の駅名を言うと家賃相場がぽんと出てくるのには恐れ入った。町の不動産やの親父だね。これは。一方で南大沢ベルコリーヌで内井昭蔵をマスターアーキテクトに使い、昨今では東雲で伊東豊雄や山本理顕を起用するなど高等な開発企画も練っているというところが面白い。今度何かやりましょうと言って分かれた。
ところでお会いしたのは東京新橋だがこの場所のサラリーマンの多さには目を見張る。何故そう感じるのだろうか?新宿だって西口行けばサラリーマンはたくさん居る。そう思っててよく観察すると、学生と女性が居ないことが分かる。つまり居るのは白いワイシャツで背広の男だけなのである。そういう場所は東京にもそう多くは無い。

面倒臭い

On May 15, 2007
by 卓 坂牛

レモンのシンポジウムは何をやるのかまったく知らなかったが、自分の卒業設計をプロジェクターで映し一人10分も話さなければならないようである。これは参った。今年の卒業設計見ながら何か言うのかと思っていたら自分のことを話せとは。それもこの期に及んでそんな指示が来るとは。そもそも自分の卒業設計について話すことなど何も無い。それなりの思い入れはあったけれどいまさらそんなことはどうでもいい。厄介な役を引き受けてしまった。
T邸の解体工事が始まった。1週間くらいで終わるようである。久しぶりの現場が始まる。去年頓挫した仕事があるから、1年ぶりの現場である。うきうきする。

イデア

On May 14, 2007
by 卓 坂牛

朝一新幹線。パノフスキーの『イデア』を読む。この間小田部先生からいただいた『デザインのオントロギー』では小田部氏がネオプラトニズムのデザイン理論を跡付けており、それに触発された。パノフスキーの本は大変丁寧でまた訳もよくとても分かりやすい。まだ途中だが、このての本では珍しくわくわくする本である。ゼミでは八束氏のミースを読む。再三ミースがプラトニストと形容されており、イデア概念の息の長さを感じる。

祭りの対象

On May 13, 2007
by 卓 坂牛

柄谷行人がだいぶ前の毎日の書評で取り上げていたハンス・アビング『金と芸術』グラムブックス2007を読んだ。500ページ近くもある分厚い本である。何故アーティストは貧乏なのかという副題が付いている。様々な分析の結果は頷けるものが多いもののこれだけの枚数を要することとは思え無い。やや読むのに疲れる。ところで、アーティストの勝者は世界のトップクラスの億万長者であり、一方その大部分の収入は圧倒的に低い。こうした現状を著者は問題視してその改善策を提示しようとする。しかし僕はその改善は所詮無理な話と感じている。改善不能だからこそ芸術がかろうじてその存在理由をもつのだと僕には思われる。もちろん全ての芸術にとってそうだとは限らない。例えば応用芸術という分野はこれにはあてはまらない。ここでは所謂純粋芸術が対象である。それらはある社会の中での祭りの蕩尽対象のようなもの、つまりそれらはある種の熱狂の対象であり、強烈な支持を得ることによってその対象となる。そしてその熱狂を勝ち取るものはその市場価値も自動的に上がる。そしてこの祭りの対象は多くては意味が無い。数少ないからこそ熱狂するのである。

建築写真

On May 12, 2007
by 卓 坂牛

午前中T邸打ち合わせ、その後工務店の事務所に伺い。都電で王子へ。上野で用事を済ませ、アメ横で買い物。食品等。安い安い。うに500円、乾燥しいたけ1500円、乾燥杏300円、するめイカ10枚2000円、甘栗4袋1000円、などなど。ただイクラは失敗。タッパに一杯入って1000円。安いと思ったがしょっぱいの何のって食べられたものではない。
エクスノレッジのhomeで建築写真という特集号が出ている。その中に「打算のない建築写真」というエッセイがある著者はエレン・フライスその中にこんな文章がある『フラッシュの使いすぎや決まりきった露出過多の写真は好きではない(どの写真の中でもいつも太陽が照り輝き、青空が広がっているという状況はもういいかげんにやめて欲しい)。反対に、そのときの天気のもと、すぎていく時間のなかに存在する、生命のある場所が映っていると感じられる写真が好きだ。」
こういう発想は今のところまだ日本の建築専門誌には無いといっていいだろう。

ワイエス

On May 12, 2007
by 卓 坂牛

5月11日
事務所でT邸打ち合わせ、明日は現場で近隣説明。昔のクライアントが家具を選びたいとのことで青山カッシーナでお会いする。数点物色。
カッシーナのそばにコーヒーケータリングなどを行なうユニマットという会社の美術館がある。http://www.unimat-museum.co.jp/collection.html余り知られていないがシャガールのコレクションは必見である。ビルの中だが3層分まるまる美術館で一層がシャガール、一層がエコール・ド・パリ、一層が企画で今は私の好きなアメリカの画家アンドリューワイエスを展示している。その昔ワイエスの絵で「何も無い草原の風景」というのをランドスケープのモチーフにしたことがあり、そのとき以来一度本ものを見たいと思っていた。シャープな色の付き方はテンペラによるのだろうか?独特である。

相談係

On May 11, 2007
by 卓 坂牛

夜中の12時過ぎに娘に物理の問題を聞かれてあわてる。用語を忘れているので解けない。一から参考書を読んで復習である。しかし数十年前苦手だったものはこの歳になっても苦手だということが実証された。水溶液の濃度問題だがあの溶解度の曲線は中学時代も嫌いだった。嫌いはそう簡単に克服できない。その後かみさんが稽古から帰宅。この歳になっても幹部稽古のようなものがあるらしく、悩みを一杯抱えて帰宅しその相談相手。いやあこちらもなかなか難問。道の世界は複雑で。私には答えられない。今日は我が家の相談係である。

Robert Frank

On May 9, 2007
by 卓 坂牛

平安堂店頭に古本が並んでいる。じっくり見れば2~3冊いい本がありそうだが時間もないのでぱっと目に付いたstudio voice 1991年7月号「写真集の現在」を400円で買ってバスに飛び乗る。字が小さいので帰宅後ぺらぺらめくる。写真集が作った写真史というコーナーがあり、9人の写真家の写真集が並んでいる。その最初にあのRobert Frankの有名な「The Americans」が解説されている。スイス生まれで50年にアメリカにわたりグッゲンハイム奨学金をもらい1年かけてアメリカを旅し田舎町のガスステーションや場末のバーなどを取り続けた。僕の建築のモノサシの親父とオフクロの写真もこの中の一枚である。僕の大好きな写真集である。
フランクが撮った写真をプリントして編集者に見せたとき「これはアメリカじゃない。ロシアだ」と言われたそうだ。この写真集が世に出るのは僕が生まれる前年。当時のロシアは貧困の代名詞だったそうだが僕から見ればプアーな日常が表出しているとも思えない。逆に言えばミッドセンチュリーのアメリカの都市と田舎にはかなりの生活格差があったということなのかもしれないし、日常に対する眼差しが未だ存在しなかったということなのかもしれない。それだけFrankの視点は新鮮だったということだ。

夏

On May 8, 2007
by 卓 坂牛

会議・講義・ゼミ、ゼミ・製図、製図という週の前半のこのペースがやっと体に馴染んできた。今日の長野は日中28度まであがり夏である。そうは言っても夕刻になると10度以下に温度が下がるところが東京と違う。昨日夜更かしして眠いのだが、食後、原稿の字数調整(5500字を5000字に減らす)し、デヴィッド・ハーヴェイの『ネオリベラリズムとは何か』青土社2007を読む。

« Previous Page Next Page »

Archives

  • October 2024
  • September 2024
  • August 2024
  • July 2024
  • June 2024
  • May 2024
  • April 2024
  • March 2024
  • February 2024
  • January 2024
  • December 2023
  • November 2023
  • October 2023
  • September 2023
  • August 2023
  • July 2023
  • June 2023
  • May 2023
  • April 2023
  • March 2023
  • February 2023
  • January 2023
  • December 2022
  • November 2022
  • October 2022
  • September 2022
  • August 2022
  • July 2022
  • June 2022
  • May 2022
  • April 2022
  • March 2022
  • February 2022
  • January 2022
  • December 2021
  • November 2021
  • October 2021
  • September 2021
  • August 2021
  • July 2021
  • June 2021
  • May 2021
  • April 2021
  • March 2021
  • February 2021
  • January 2021
  • December 2020
  • November 2020
  • October 2020
  • September 2020
  • August 2020
  • July 2020
  • June 2020
  • May 2020
  • April 2020
  • March 2020
  • February 2020
  • January 2020
  • December 2019
  • November 2019
  • October 2019
  • September 2019
  • August 2019
  • July 2019
  • June 2019
  • May 2019
  • April 2019
  • March 2019
  • February 2019
  • January 2019
  • December 2018
  • November 2018
  • October 2018
  • September 2018
  • August 2018
  • July 2018
  • June 2018
  • May 2018
  • April 2018
  • March 2018
  • February 2018
  • January 2018
  • December 2017
  • November 2017
  • October 2017
  • September 2017
  • August 2017
  • July 2017
  • June 2017
  • May 2017
  • April 2017
  • March 2017
  • February 2017
  • January 2017
  • December 2016
  • November 2016
  • October 2016
  • September 2016
  • August 2016
  • July 2016
  • June 2016
  • May 2016
  • April 2016
  • March 2016
  • February 2016
  • January 2016
  • December 2015
  • November 2015
  • October 2015
  • September 2015
  • August 2015
  • July 2015
  • June 2015
  • May 2015
  • April 2015
  • March 2015
  • February 2015
  • January 2015
  • December 2014
  • November 2014
  • October 2014
  • September 2014
  • August 2014
  • July 2014
  • June 2014
  • May 2014
  • April 2014
  • March 2014
  • February 2014
  • January 2014
  • December 2013
  • November 2013
  • October 2013
  • September 2013
  • August 2013
  • July 2013
  • June 2013
  • May 2013
  • April 2013
  • March 2013
  • February 2013
  • January 2013
  • December 2012
  • November 2012
  • October 2012
  • September 2012
  • August 2012
  • July 2012
  • June 2012
  • May 2012
  • April 2012
  • March 2012
  • February 2012
  • January 2012
  • December 2011
  • November 2011
  • October 2011
  • September 2011
  • August 2011
  • July 2011
  • June 2011
  • May 2011
  • April 2011
  • March 2011
  • February 2011
  • January 2011
  • December 2010
  • November 2010
  • October 2010
  • September 2010
  • August 2010
  • July 2010
  • June 2010
  • May 2010
  • April 2010
  • March 2010
  • February 2010
  • January 2010
  • December 2009
  • November 2009
  • October 2009
  • September 2009
  • August 2009
  • July 2009
  • June 2009
  • May 2009
  • April 2009
  • March 2009
  • February 2009
  • January 2009
  • December 2008
  • November 2008
  • October 2008
  • September 2008
  • August 2008
  • July 2008
  • June 2008
  • May 2008
  • April 2008
  • March 2008
  • February 2008
  • January 2008
  • December 2007
  • November 2007
  • October 2007
  • September 2007
  • August 2007
  • July 2007
  • June 2007
  • May 2007
  • April 2007
  • March 2007
  • February 2007
  • January 2007
  • December 2006
  • November 2006
  • October 2006
  • September 2006
  • August 2006
  • July 2006
  • June 2006
  • May 2006
  • April 2006
  • March 2006
  • February 2006
  • January 2006
  • December 2005
  • November 2005
  • October 2005
  • Home
  • About
    • Profile
    • Team
  • Works
  • Blog
    • Text
    • Column
  • Contact
  • University
    • Lab
    • Lecture
  • O.F.D.A Home
  • #

© Copyright 2016 O.F.D.A.