Taku Sakaushi

Diary

3階か2階か

On November 18, 2006
by 卓 坂牛

高校の後輩の家を設計することとなり敷地を見に行く。60㎡ほどの小さな土地。1階を賃貸として上階に住みたいという。3階だてが欲しいというのだが、3階ではコストがあいそうにない。もう流産はしたくない。コストの見込がたつか慎重に下調べをする必要がある。
夕食後少し考えてみる。なんとか要求機能は2階建てでもはいるのではないだろうか??1/50のスケッチをしてみる。いけるのでは?しかしただ入るということと建築にするのは少々異なる。

ロマン主義

On November 17, 2006
by 卓 坂牛

先日小田部さんから謹呈された『交響するロマン主義』晃洋書房2006を車中で読み始めた。ロマン主義はとっつきにくかったのだが読んでみるとどうしてどうして。最初の論考はシラーの「美的教育書簡」。形式衝動と質料衝動そしてその中間としての遊戯衝動そしてそれがカントの構想力、悟性そしてその中間としての遊動に接続していること。二番目の論考はロマン主義の色彩感。線対色の話がヴァザーリに遡って跡付けられている。三番めはシンケル。最初の3つだけだけどみな面白い。やはりロマン主義の時代にはモダニズムの様々な問題点が胎動していたのだと改めて思う。

座礁

On November 17, 2006
by 卓 坂牛

11月16日
夕刻クライアントが3名来所。見積がやや高いために工事を見合わせることになりそうである。長い建築経験においてもこういうことは初めてなので僕自身どう対応していいものやら。しかし建築をつくることに切迫した理由がないクライアントなので仕方ないかもしれない。少し残念だがこれも建築である。模型をある時期きっちり作り直してプロジェクトとして保存しておこう。
設計者にとって竣工建物の引渡し時は娘を嫁にやるときの気持ちであると言われる(まだ嫁にやったことがないので分からないが)。となると設計の途中で座礁したプロジェクトは家出か流産か?これも経験したことがないので分からないが。

自壊の理屈

On November 15, 2006
by 卓 坂牛

コラムにも書いた渡辺靖の『アフターアメリカ』を読み終わった。そこに登場するボストンブラーミンと呼ばれる富裕層は数世代の中で自らの習慣を崩しそこから脱皮しようとする現象が観察されるとのこと。それを著者はブルデューの文化的再生産の議論では軽んじられる事象であると記している。
そうかもしれない。ブルデューに限らず、世の中は習慣という慣性に乗っかって再生産の方向に向かうと思うのが常だが確かに自らを突き崩そうする力学もあるものだ。さてしかしその力は何処を震源とするのだろうか?社会への不満は革命的力の震源ではあるものの、富裕層における自壊の力学はそれとは異なる。それは一つの倫理であったり、向上心によるものだろうか?

時間割

On November 14, 2006
by 卓 坂牛

来年度の講義予定をたてるために今年度の講義時間割を凝視しているうちに気が付いた。自分のコマがかなり多い。何も知らずにいわれた授業をしていたし、何も分からずに指定された曜日にやっていたがそれも少し間抜けである。他の先生は効率よくまとめてやっている。出張がうまくできるようになっている。もう3年目だし少し頭を使わねば。製図のやり方を少し変え、自分の時間割を考えないと設計ができなくなってしまう。来年は今年の借りを返さねばならない。設計の量を増やす。これが目標である。
午後リーテムの彰氏より電話。中国の人材派遣で図面の読める通訳が見つかりそうだとのこと。彰氏もとにかくプロジェクトをさっさと動かしたいとのこと。それはこちらも願うところである。長い仕事だが、中国だから仕方あるまい。
2年の製図の前半課題の住宅の講評会が近づいてきた。ゲストに若松均氏を呼ぶべく電話。快諾してもらった。今夏には内の部屋から二人ほどオープンデスクを引き受けて貰いまたお願いで恐縮であるがありがたい。

筑波

On November 13, 2006
by 卓 坂牛

筑波大学の鵜沢教授から夕刻電話。鵜沢先生は拙訳『言葉と建築』を教科書に使ってくれている。院生の授業で4月からこのテキストを読み始め概ね読みきったそうである。そこで訳者を呼んで、何かさせようというこだそうだ。筑波とはちょっと遠いと思いつつも、長野に人を呼んでいる私としては、呼ばれた時にせっせと行って、いつかは来てもらうためにも貸しを方々に作っておかなければならない。ついでに筑波のキャンパス計画についてヒアリングして来ようと思う。
鵜沢先生と雑談してびっくりした。筑波はなんと前後期制ではなく小中学校のように3学期制だそうだ。更にびっくりしたのは午前中の授業は1コマメが8時半に始まり、2コマめは11時半に終ってしまうとのこと。「学生は大学に住んでいるから早くても大丈夫」というのだが、それならうちも同じである。でもこちらは朝は皆弱いようだが。とりあえず12月中ごろうかがう約束をした。筑波では高校の同級生が原子物理の教授をしている。ついでに会って来たいところだが、まあそんな時間が作れるか?

雑用

On November 13, 2006
by 卓 坂牛

11月12日
久しぶりに家でゆっくりしていた。そういう時に限ってかみさんは稽古・展覧会、娘は図書館に行ってしまい、本当にゆっくりしてしまった。それはそれで快適なのでよい。それならそれでやることはヤマのようにあるわけで書類作ったり、銀行行ったり、スケジュール考えたり、まあ手帳に書き込んであるto do listを減らす。さらに本棚の一角を占める未読本を消化しようと睨むのだが、なかなか読書欲をそそるものが無い。やはり本は買った時が読みたい時なのかもしれない。いつか読もうと思っているうちに興味は違うところに行っている場合が多い。

award

On November 11, 2006
by 卓 坂牛

事務所に行くと、Chicago Museumuからinternational architectural awardsへの出品依頼のファックスが来ている。先日岡田氏も依頼が来ているようなことを言っていた。さほど大変な準備は要らないようだが出品料が250$である。世界中にこんなファクスを送っているのだろうか?1万人応募したら250万ドル儲かることになる。2億5千万円である。世界の建築家を相手にした詐欺ならすごいものだ。が、去年の受賞者を見ると日本ではヨコミゾさんの富弘が入っている。まあ信じて応募することにした。
金も時間もないのだけれど、借金してもこういうことはやり続けないといけないのかもしれない。リベスキンドの生き様を見ているとこんなこと(賞に応募するなど)朝飯を食うより普通のことなのかもしれないけれど。

建築は闘い

On November 10, 2006
by 卓 坂牛

奈良からとんぼ返り。車中でリベスキンドの『ブレイキング・グランウンド』を読む。ベルリンで12年、役所と闘い。そしてニューヨークでデベロッパーとsomのディッビド・チャイルズ、ビニョーリと闘う。やはり建築とはどこかで闘うものでしかないのだと再認識する。

JIA奈良大会

On November 10, 2006
by 卓 坂牛

11月9日
奈良の朝。長野より暖かい。JIA(日本建築家協会)の大会は11時なので奈良公園を散歩。興福寺が開いている。阿修羅像と感激の再開。高校の修学旅行で唯一印象に残っている仏像である。奈良時代の像なのに顔が現代人なのである。しかしリアルなのは顔だけで6本ある手も足も割り箸のようにまっすぐである。この不釣合いが面白い。11時半から東大寺の脇にある奈良市公開堂でJIA新人賞の審査が始まる。会場に行くと、同世代のつわものに合う。岡田哲史、前田紀貞、山梨などなど。最初はA1のパネル審査。審査員、長谷川逸子、竹原義二、渡辺真理三名が各パネルを回り、出品者に質問をする。40名を先ず20名に絞る。3票頂獲得無事通過。知り合いたちも皆通過。そしてその20名が一人3分質疑2分というハードなタイムテーブルで壇上でプレゼン。それから休憩をはさみ審査員が一人4名ずつ記入して集計。2票頂き通過。4名に絞る所だったらしいが、審査員の希望で5名残し、この5名が現地審査対象となった。残れて嬉しいのだが、現地審査のための資料作りやらなにやら仕事が増えるのが憂鬱でもある。
岡田哲史、陶器浩一と京都に出て夕食をとる。岡田氏は千葉大で今年から教えている。お互いの交流を約束して分かれる。

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