Taku Sakaushi

Diary

建築家という宿命

On June 1, 2006
by 卓 坂牛

梅雨前の夏日。これから梅雨になると思うと憂鬱である。梅雨とか台風とか建築家にとっては魔のシーズンである。
去年金箱さんが松井源吾賞をとられた時、受賞パーティーの祝辞で原さんが言っていた。「昔は台風が来ると自分の設計した建物をそれて行くことを願っていたけれど、最近はどこを通っても自分の建物があるので逃げられない。でも金箱さんの設計はそんな心配を吹き飛ばしてくれる」本当にそうだ。建築家とは因果な商売で自分の建物が建っているそばに行くと気が休まらない。自分の設計したものによって豊かな生活が送れているだろうか、何事も無く平和に過ごしているだろうか、いろいろなことを考えてしまう。そして年をとればとるほどそういうものが蓄積されるのである。喜びも増えるが心労も増える。一生付きまとうのである。

夏のような日

On May 31, 2006
by 卓 坂牛

様々打ち合わせがあった。夏のように暑い一日であった。リーテム往復したらへとへとになってしまった。昨日遅かったせいか少しばてている。
論文の3章を書き始めたのだが、ここは難しい。アートのことに触れるので、下手な書き方ができない。慎重に建築との関連性に絞っていかないと墓穴を掘ることになる。先ほどから、溜め込んであるカードと睨めっこしているのだがアートの記述が足りないか?モダニズムなのでグリンバーグばっかりである。ダントーの原文が欲しいのだが、見つからない。

東工大の講評会

On May 31, 2006
by 卓 坂牛

久しぶりに訪れた東工大。安田さんの耐震改修でファサードがルーバー状になっていたのは驚いた。玄関キャノピーが厚さ30ミリくらいの薄い板で鉄板かと思ったらコンクリートだったのにはまた驚いた。(さすが安田という感じ)。もっと驚いたのは、校舎内のトイレが全教員で一つづつ改修されているのだ、塚本トイレ、坂本トイレ、安田トイレ、奥山トイレ、八木トイレ、その上坂本休憩室と奥山休憩室もある。予算があるなあと驚いた。さて肝心の3年の課題。表参道と青山通りの交差点に建つ美術館という課題であった。まあ正直言ってかなりのレベルである。模型がでかい。作りこみも凄い。200分の1と50分の1と両方作っている学生もいる。その上中の家具も全部作っている。その上cad初めてという学生ばかりにしては凄い量の図面書いている。a15~6枚くらい。うーん。しかしデザインは割りと今風を貼り付けたような物結構ある。馬力がある割には凡庸でもある。まあ都会の学校によくあるパターンかもしれない。
さて再来週はこちらの講評会で安田氏に来てもらう。恥ずかしくない作品を作って欲しい物である。

今週は月曜日が長い

On May 29, 2006
by 卓 坂牛

明日やるべきことを今日全てやった。朝から4年のエスキスして夕刻から修士のゼミやって、夜は4年のゼミ。去年もそうだったけれど4年生の最初のレジメはたいへんだ。小田部さんのところでは(東大の美学)3年の前期にかなりのレジメを書かせるそうだが、そのくらいのカリキュラムが組みたいものだ。誰かがどこかの授業ですればいいと思うのだが。なかなか教員全員がアップアップでやれる暇がない。製図抜いてくれたら僕が3年の前期にそういう建築基礎文献購読というような授業をして徹底的にレジメの書き方を教えるのだが。そしてレジメが様にならないのは建築の基礎知識が少ないからである。雑誌読んで知識がついたと勘違いしては困る。意匠系に進む人は4年の最初までには是非とも西洋建築の通史の二つ三つくらいは読んでおいて欲しいし、更に本当の建築意匠論というような部類の本(そんなのあまり無いけれど)の二つ三つ読んでおかないと話にならない。来年の3年生には今から読まそう。坂牛研希望者の夏休みの宿題を出そう。決めた。

人間知性論

On May 29, 2006
by 卓 坂牛

昨日買ったジョギングウエアで早速四谷の図書館までランニング。絶版になっていたロックの『人間知性論』がここにあることをネットで発見。以前も絶版のヒルデブラントをここで発見した。区立の図書館も捨てたものではない。その上特殊な人しか借りないせいか、発見して、更に借りられていないので助かる。人間知性論の部分だけ近所のキンコーズでコピー。谷川さんの対談で言われたこの書の中の一次性質(物の形、大きさ)と二次性質(匂い、味、色等)を確認したかったのである。谷川さんは対談の中でマルクスが資本論の中で産業革命の一番の罪は物の二次性質を抹殺したことだと記していると語った。物の何たるかは今ゼミでも話題の中心であり、経験論の中でこれらがどう位置づけられているのか興味深い。

夏に向けて鍛えよう

On May 27, 2006
by 卓 坂牛

梅雨のような雨が降っている。これから夏休みに向けて少し運動しようかと思い立った。と言ってもジムに行くとかそんな大袈裟なものではない。週2回ジョギングか散歩をするという程度のものである。しかし思っているだけではやらないので、道具をそろえに行こうと思った。先づシャツである。何かこう夏に向けて派手な色で、機能的には汗が直ぐ乾き涼しいという流行の生地。できればサイクリング用の背中にポケットのあるやつがいい。そして足は怪我のもとなのでスポーツタイツが欲しい。そこで新宿にでかけヴィクトリアで購入。そこで帰ればいいものをつい、はす向かいなのでハンズによって自転車見ていたらとても欲しくなった。かみさんと娘と僕の3人で使えるものが欲しいと思いそんな小柄の自転車を買ってしまった。直ぐに乗りたい症候群の私は雨の中その自転車で帰宅。びしょ濡れ。その上娘はデザインがいやだと我が儘を言う。でも娘の意見も聞かずにかった親父が悪い。

山本研で打ち合わせ

On May 27, 2006
by 卓 坂牛

昨日は朝から事務所で打ち合わせ、k,projectの竣工までのスケジュール、川崎の図面チェック、中国の質疑回答。夕刻工学院大学へ山本理顕さんとの打ち合わせに行く。工学院にはその昔JIAの模型展に出品するのに行ったことがあるだけ。1階の吹き抜けロビーでワークステーションの高橋晶子さんと待ち合わせる。高橋さんは武蔵美から直行で来る。ぴったり7時に着き9階の山本研究室へ。10分ほど遅れて山本さんも到着。となりの製図室では授業中。工学院には夜間部もある。
山本さんに会うのは2~3年ぶり。まあ殆ど初対面に近い。ご挨拶に監訳した『言葉と建築』を差し上げた。「これ評判の本ですよね。難波さんが激賞してました」と嬉しいお言葉を頂戴。お返しに山本さんの近著『建築の可能性山本理顕的想像力』を頂く。3人で某件の打ち合わせ1時間半。終了後奥山と進めている住宅の本の企画の協力を要請、快諾。ついでに夏休みのオープンデスク信大の学生の受け入れをお願い。「優秀な学生はどうぞ」と言われる。そこで9時。山本さんはこれからとある集まりだそうで。我々は退散。高橋さんとルノアールでお話。様々盛り上がり11時頃分かれる。

食えない話

On May 26, 2006
by 卓 坂牛

昨日は製図の後、6時半の新幹線に飛び乗り東京でD代理店のK部長とO部長、A新聞経済部のMデスクと会食。といっても話題は子供の教育の話。K部長はわたしと同じ年頃の娘を持つ。Mデスクは高2、中2の息子と小5の娘。O部長は女性で一人っ子なので思春期の女性心理を実体験に基づき語った。因みに私の娘は中1。いやはや皆自分の家が特殊解だと嘆いているが、O部長の女性心理を聞けば、どこも同じと言うことのようであり、まあ食えない話なのか?
1時頃店を出たのだが、新聞屋は夜更かしでもう一軒行こうとうるさい。それを無視して皆帰宅。帰るとかみさんが未だ起きていて3時頃まで雑談。留守中の子供の試験の話とか。

ボトムアップ

On May 24, 2006
by 卓 坂牛

昨日山口大学から僕の部屋を見学に来た学生がいた。熱心な学生である。僕の『言葉と建築』を読んでやって来たとのこと。3年後期の小学校の課題の図面を見せてもらった。3年次に描いたものかどうか分からないが、もしそうなら、かなり力量がある。うちの学生もうかうかしてられない。世の中こんなものかなあと改めて思った。
うちの学生は努力が足りない。エスキスの時に一週間なにしてたのという学生が多すぎる。手を動かさないなら頭は動いているのかというとそうでもない。本当に何をしているのだろうか?皆がんばらないとちょっと頑張った学生が凄くやっていると勘違いしてしまうから恐ろしい。ボトムアップしないと大学のレベルは上がらないのだ。

ヒューマニズム建築

On May 24, 2006
by 卓 坂牛

昨日はゼミが終ったのが11時だったかな?へとへとになって帰宅。辺見からメール。Geoffrey Scott の‘The Architecture of Humanism‘について書いてあった。この本、5年くらい前に購入してぺらぺら参照していたもの。それは「建築のモノサシ」を作っているときに人間と妖怪という概念で建築を読み解くためだった。ウイットコウアーの『ヒューマニズム建築の源流』が手に入らず何か良い本はないかと物色していたときに、井上充夫の『建築美論の歩み』でこの本が高く評価されていたので、購入したものだった。古典主義を評価するために、ロマン的、倫理的、生物学的、機械的、建築論を片っ端からfallacy(謬見)として切り捨てるところが小気味良い本なのだが、でも最終的にhumanismという所の説得力は現代から見ると弱いように感じていた。しかし、きちんと読んだわけではないので再読の価値あるかな??

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